さて、だいぶひっぱってしまいましたが、心理学者のジャクソン氏(仮名~。本人に承諾を得て書いているわけではないので、適当に個人情報や細かいところは伏せさせていただきます。)から聞いた説得の秘訣です。
前にも書いたように、説得の秘訣は説得しないこと、というのは私の意見と共通していました。
私がまだ現役だった頃数回会う機会があり、いい人だったのでもちろん証言しました。
今思うと恥ずかしいですが。。。。
それから1年ほどして私が別件(笑)で脱JWした後、また数度あう機会があったので、実はJW辞めたんですよ、、と切り出してみたところ、「あ、そうですか~」くらいの軽い感じでスルーされたので、この人が何人ものJWを脱会させているというのを後で聞いた時、かなりびっくりしました。
彼の話によると、職場の病院で、自宅への伝道で、プライベートの友人知人関係でJWに会う機会があるそうです。一番脱JW確立が高いのは伝道してきたJWらしいです。
(たぶん病院で会うJWというのは医療委員会関係かなんかなのかも知れません。)
ジャクソンさんは「JW教理については何も知らない。知る必要がない、というより、知らないほうが有利」、といいます。
なぜなら、教理について話し合うと必ず敵対関係になる。反対者私と、伝道者(ものみの塔の擁護者)という図式が出来上がって、JWはさらに自分の言葉、気持ちを語らなくなる。(ものみの塔の代弁者となる)
2つ目に、教理について間違いや矛盾を指摘するとエホバの証人はとても侮辱されたように感じ、怒るか心を閉ざして二度と来ないか、再度来るとしてもまた論議を交わして今度は「勝とうと」するだけで、それは自分が望んでいること(JW伝道者が自分の力で考えるようになること)とは正反対の方向に進んでしまう。
※ところで、JWの伝道方法でも家の人と論議は避けると教えられましたよね。論議に負けたからという理由でJWになる人はいない。あれはほんと言いえて妙だと思います。反対もしかり、ですか。
数度再訪問を受けたら「今度はエホバの証人としてではなく友人として来て下さい」と言う。
こういうと大抵のJWは来なくなる。でもスーツなしで友人として訪問するJWもいるそうです。
この後は絶対JWの話をせず、その人の仕事や趣味について話すそうです。その後JWという公の立場を抜きにして人生について、死や病気について、仕事や生きがいについて、将来の目標についてどう思うか、お互いに話あう。
大抵のエホバの証人はこういう大切なトピックに対して(特に2世)「自分の意見」がなく、教理を語るだけだといいますが、そこはマイコンなので、しょうがないので、ある一定期間教理交じり、あるいは教理の延長線上の意見であっても聞く。
教理意外の意見が出ればそれを認識し、肯定する。
伝道者がJWで教えられていること意外で知っていること、出来ることをほめ、個人として価値がある人間だということを本人に知ってもらう。
この期間が大体3ヶ月から6ヶ月くらいだそうです。
要は自分で考えてもいいのだ、自分の意見(ものみの塔の意見ではなく)も発言する価値があるのだと悟ってもらう。
→そして、かならずJWは組織に疑問を持っているはずなので、それについて考えるよううながす。この時自分は意見を挟まない。あくまで伝道者自身が考え、導いた答えに自信が持てるようにする。
→ここで教理の矛盾などをこちらが明らかにすると、組織を擁護しようと殻にもどってしまうので逆効果。
一度自分の考えがとるにならないものではなく、正しい可能性もあるんだと思うと後が速いそうです。
例:輸血について。どうしてこんなに細かく良い悪いが分かれているのか。同じような行程で輸血OKかダメか(死か)に分かれてしまうんだろうか。一体こういう細かい事例は誰が決めているんだろうか。神からの直接の導きはないはずなら、どうして、そして誰がこんなに断定的に事を決めているのか、、などなど。
後はインターネットにつなぐという簡単な動作で大体の場合一夜にしてマイコンが解ける。
時間がかかるのは、本人に自信を持たせること、自分の考えで物事を見るようにさせることらしいです。
JWは人間の考えは神の前で取るに足りないもの、理由が分からなくとも(間違っているように思えても)理由が説明されなくとも、とにかく組織のいう事を守るように、つまり自分で考えたりしないよう、時間をかけて教えられてきてるので、
自分の意見を言うというだけでも、最初は出来ない。
「驚くべきことだが、JWはその点でみんな同じだ」、とか。
単純な事ですが、JW個人をほめる、意見を述べる機会を作る、聞く、などの行為が役に立つようです。
ほめる時は相手がエホバの証人に誉れを持っていこう、証言の機会に結びつけようとする事を知っておく。
○○さんは思いやりがありますね。→これはエホバの証人が神の組織である証拠です。
○○さんは最近めずらしい正直でまじめな人ですね。→JWは正直でなければならないと教えられている結果です。
こんな風にJW証言に持っていこうとすると思いますが、そういう発言をするとき、そうですか。でも私はこれは○○さんの個人的な性格だと思いますよ、などとやんわり否定を繰り返す。(ここは時間と根気がいる部分)
本人が受けた賞賛は本人が受け取ってよいことを知るようになると、その後は結構うまく行くようです。
自分の持っていた組織への疑問に気づくようになると、今度は「旅支度」(組織を離れること)を本人が考えるようになる時期。
親、友人、今までしてこなかった教育とか職歴とかとJWでいることを天秤にかけるようになる。ここで大抵は一度圧倒されてしまい、やはりいまのままでいようとする停滞期がある。
そこで焦らせないこと。何年かかって悩んでも良いと肯定する。(実際にはマイコンが解けた時点で組織には居れなくなるので脱出に要する期間は短い。)
決定や教理を調べることはあくまで本人の仕事。そうすることでしかマイコンは解けないから。
(ここがものみの塔の責任逃れの「個人の決定」
とは意味が違うところですね。)
脱JWで何か困った事があれば応援する、力になるという事を日々言っておく。
(実際はJW本人がほとんどの問題を自分で解決できる。マイコンが解ける心の準備が出来る前は前代未聞のことなので、怖がったりパラノイア的になるので、そういう「援助の約束」は心理的に安心させる効果大)
最後に私が感銘を受けた部分ですが、彼はJWを脱マイコンさせるという態度や気持ちがないらしいです。信仰はすべての人の権利だから、JWがいいと思う人はJWでいて良いし、嫌な人は辞める権利がある。それだけのこと、だとか。
ただし、子供から青年にかけて大切な時期に自分で考えること(組織の肯定している答え以外の答えを出すことの禁止)や教育の制限などは社会的に大きな害があると思っている、と話してくれました。