パーフェクトワールド

現在はゆっくりの更新ですがよろしくお願いします。

★「ゴッドアーミー(プロフェシー)

2009-10-20 20:44:40 | ●JW的エンタメ
「ゴッドアーミー」

ちょっと怖いシーンもありますが元JWには喜んでみてもらえそうな一押し映画です。

公開されたものにいくつかのバージョンがあるようなんですが、アメリカ公開版のものが日本でDVD化されています。(ちょっと訳が古く、意訳がたくさん使われているのが難。)


1994年の作品で少し古いですが出演者がクリストファー・ウォーケンやエリックストルツ、エリアス・コーティアスと今じゃ考えられないほど豪華です。


私はこの映画を現役時代に見ました~

この映画では「新しい天地の後には新しい書が付け加えられる」という聖書の言葉通りに

「新しい書が加えられている聖書」

が出てくるんですよ~。


ちょっと皮肉なところで聖書に忠実なところも大好きでした。


なによりも

サタンがイケメン

という忠実さはやっぱりファンダメンタル系クリスチャンには譲れないところなわけで。。。



しかも

ヴィゴ・モーテンセンです。


ストーリーは:

 主人公トマス(エリアス・コーティアス)は幼い頃から信仰の道を歩み神父になるが、恐ろしいヴィジョンに悩まされるようになり教会を去り刑事になる。

 ある日彼の前に不思議な男(エリック・ストルツ)が現れサイモンと名乗り、「君が見たヴィジョンは本当に起こった。」と告げる。

一方トマスが担当した事件で上がった死体が解剖の結果人間ではないと判定され、その死体は2世紀当時の聖書を所持していた。

 その聖書には「天で第二の戦争が起こった」と記されていた。


 かつて神父だったトマスは残酷な「神の軍隊」である天使たちを疑問視する論文を出版したことがあり、

 死体についていたマークから密かにその死体は人間ではなく天使ウジエルではないかと結論する。


 トマスが調べた文献によるとウジエルはガブリエルにつかえる天使であるとわかる。

 その日、ウジエルの死を知った天使ガブリエル(クリストファー・ウォーケンいぇ~い)が地上に舞い降りた。


と、

さわりはこ~んな感じですよ?



どぉ?うふ


その第二の天の戦争の原因が

「イエスとともに人間が支配の座につき、天使が人間に仕えるようになることへの反発」


だってぇ~


なるほどねえ。そういえば天使はさあ、

ものみの塔とかではさあ、

イエスと一緒に支配する14万4千人だかを支援するとか書いてあったけど、

ふつ~に考えれば「なんだ人間のくせに」ってなりますよね~。




ここで出てくる天使サイモンは人間を助け神の意思を遂行しようとする良い天使。

ガブリエルは人間への嫉妬に狂う悪い天使として描かれています。


こう書くと漫画みたいですが、一度クリスチャンだった者から見ると身につまされるセリフがいっぱいで、最近見直して神妙な気持ちになってしまいました。


主人公トマスは聖書の中の天使の残酷さや神の残酷さに影響され、恐ろしいヴィジョンを見るようになるのですが、彼の

「人は聖書を知らないから信仰を失うというが、知りすぎて信仰を失うこともある」

というセリフなんか、妙に共感しました。


またまたこんなセリフもあります。

天使ガブリエルは劇中、探している魂が少女の体に隠されていることを知り
 
「私は少女を簡単に引き裂ける。私は母親の見ている前でその赤ん坊を引き裂ける」

と言うのですが、そういえば聖書では女も子供も初子も天使に殺されていましたよね~。



でも、これは反キリスト教映画ではないのです。

それどころか非常にまじめに信仰の回復をうたっています。


そこのところは今、全く信仰がない私には理解しにくいところでもありますが、すなおに耳をかたむけてみると

少しだけ主人公に共感しました。


「あなたは神の計画の一部だと信じますか」という天使サイモンの言葉に信仰を失った主人公は「それは込み入った質問だ」

と答えますが


サイモンはシンプルに「いいえ、それは簡単な質問だ」と言い残します。


心を閉ざしたままのトマスは映画の最後で

人間をあざける天使ガブリエルに

「あなたの気持ちはよくわかる。ないがしろにされ、忘れられるのがどんな気持ちか。」と言った時に、同時に自分の気持ちと対面し

「怒りを感じるなら、なぜそれを神に話さないのですか」

とガブリエルに問いかけるのですが、


ガブリエルは「神はもう私と話されない」と言います。


「地獄とは神から疎外された状態」だというサタンに、自分はまだ神と話せるのだと悟るトマスは

たぶん信仰を回復したように見えます。


映画のほうは3部作らしいのですが、私はこの第1作しか見たことがありません。


聖書を読むとみつかい―天使とは一体何かと考えてしまうことが多かったのですが、今考えてみると天使と人間の関係は地上での人間と動物の関係のようなものなのかなと思いました。

人間は時に動物をかわいがるけれど、一方で何のとがめもなく殺したりもする。と。

そんな感じでしょうか。








★「1984」考再び。。。

2009-10-15 23:05:48 | ●2世問題

「1984」と言えば、村上春樹さんの「1Q84」の続編が出るみたいですね~。

読後「え、これで終わり~?」と思ったのでなんとなく納得です。


それはそうと!

ジョージオーエルの「1984」の記事を書いたあとにもう一度「1984」を読む機会ができました。

(前回のジョージ・オーエルの「1984」の記事はこちら。)


読んでとても引っかかったのが主人公が惹かれる女性ジュリアの描き方でした。


主人公は体制に不満を持っているので、体制の中で活動的なジュリアを憎んでいます。

彼はジュリアと一度も話した事がないのに「ああいう女が自分のような人間を密告する」とか「自分を怪しんでいる」とパラノイアに近い憎悪を抱いています。

ついには次にあったら(自分を守るために)彼女を殺してやるとまで決心するのですが、

はじめてジュリアとすれ違った時彼女からメモを渡され


意外にもそのメモには「好きです」と一言書かれていた。


それであっさり主人公は彼女を好きになってしまうのです。


彼女が主人公の周りをうろついていたのは彼を密告するためではなく単に好きだったからなのですが

彼女も自分がレジスタントだと告白します。


しかし彼女はエホバの証人でいう「ニュータイプ」二世みたいな人だったのです。


「悪いこと」(セックスなど)はしたいので「良いこと」(「1984」の中では政治活動)を沢山してそれを覆い隠す。

自分が熱心に活動していれば周りは自分をほうっておいてくれるから良い活動はたくさんするのだと。

心から信じて活動をしているのでも、やりたいから活動するのでもなく、自分がしたい事ができるように良い活動をするのだと。

そういう事をあっさり言ってのけるのです。



一方主人公は「1984」の中のイデオロギーにまじめに抵抗し、疑問を感じ、人間はこうあるべきではないと葛藤する。

それを聞いてジュリアは「どうでもいい」とか「よくわからない」といって関心を示しません。


ジュリアという登場人物は本当にエホバの証人の中のニュータイプそのものなので、読んでゆくにつれ


社会主義のような体制の中では人が変化するパターンのようなものがあるのかな?と思ってしまいました。