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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

いじめの本質的な解決策

2012年10月06日 | こども危機
  『東京新聞』【ミラー】から
 ◆ 教員を教育に集中させて
会社経営 小浮正典 43(東京都中央区)

 大津市の中学校でのいじめ問題発覚後、小・中学校への風当たりが強くなっている一方、本質的な解決策はあまり論じられていない。私は、教員が子どもの教育に集中できなくなっていることに本質があると考える。
 小中学校の教員は一日ぶっ通しで仕事をしている。
 朝八時に出勤すると朝礼に始まり、午前と午後の授業。昼休みは給食と清掃活動の指導。昼の十五分の休みも取れるはずもない。
 午後に授業のない日は文部科学省の通達で、校内などの各種委員会への出席。午後四時の職員終礼後、やっと三十分の休憩。これも休めず、翌日の授業準備や宿題・試験の採点。さらに会議の報告書作成に追われる。
 学校を出るのが午後七時を回るのは日常茶飯事。しかも残業代は出ない。
 また、土・日曜のクラブ活動指導も、四時間以上続けて二千五百円程度支払われるだけ。休校期間にも登校担当日があって、研修に追われるのだ。
 この状況下で、教員は保護者からのクレーム対応や地域との協働活動にも時間を割かれる。ほとんど異常だ。
 これを新人教員がいきなり体験すれば、精神的にまいって当たり前だ。
 もし若者が、ドラマの熱中先生や金八先生に憧れて教員になっても、現実には会議とクレーム対応に追われ、子どもと正面から向き合う時間は取れない。
 学校現場では、教員が子どもへの教育に集中できる体制が何より必要とされている。今のままでは大津市の悲劇が繰り返される。
 医療と同じで、優秀な人材を教員として確保できなくなる。

『東京新聞』(2012/10/4【ミラー】)

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