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パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

人生を左右する就活より、オリパラが優先される?

2021年08月18日 | 日の丸・君が代関連ニュース
  《被処分者の会通信から》
 ◆ まだ“パラ”がある!
   オリパラ学校連携観戦、現場からの報告

大能清子(葛西南・定)

 GW明け、オリパラ学校連携観戦の競技会場下見に大勢の教員が集められた。
 そもそもこの連携観戦は2019年あたりに各校の希望が打診されたものだが、うちの学校では管理職が体育の教員に意向を聞いただけで校長が参加を決め、パラリンピックのシッティング・バレーボール(8月31日)が割り振られていた。
 下見に行った副校長に聞いて、コロナ対策で「密を避けるため」に無理な対応を求められていることがわかった。
 会場の有明アリーナへの往路は最寄りの「国際展示場」ではなく「豊洲」から指定のルートを歩かされ、帰りはさらに遠回りで50分位かかったという。
 また、本校は16:30~20:00を観戦時間帯と指定されたが、試合の途中から入り途中で退出させられる。それでは、試合の始まりも結果もわからない。こんなことは一般の観客には要求できない。
 しかも生徒は「行きたい」などとは言っていない。教員が生徒を“指導する”という前提があるからこそ可能なのだ。
 そこには熱中症対策も含めた生徒の安全・安心への配慮も、観戦したいか否かの生徒の意向を尊重する姿勢もない。
 その構造には「10・23通達」と通ずるものがあると感じるのは、私だけだろうか。
 6月12目の本部委員会の後の支部打ち合わせで各校の状況を聞いたところ、多くは年間行事予定表に日程が入れられていた。
   校長が「帰宅時刻が遅くて危険だから生徒を行かせられない」と判断して断った学校、
   学年で反対が多く不参加となった学校、
   「行きたい」と答えた生徒の人数だけの参加となった学校
 など、対応はさまざまだった。

 翌週、校長交渉をしたが、校長は「目下のところ全く決められない。感染状況が予測できない、都教委の指示を待っている。」としか答えなかった。
 私はオープンな議論に付し、少なくとも就活時期に重なる4年生を行かせるのは進路主任として困ると伝えた。感染したら2週間は隔離され、9月の就活にハイリスクだからだ。
 ちなみに去年はオリパラのために予めハローワークの合同企業説明会の日程がずらされ、会社見学の日程も配慮しろと言われていた。
 人生を左右する就活よりオリパラが優先されることが腹立たしかった。

 また、うちの生徒は全日制の生徒より「怖い」という感性が強い。
 少人数なので教員は6月に体育祭を実施するつもりだったが、実行委員の生徒たちが感染を恐れたため9月に延期したほどだ。
 元不登校の生徒が多く、精神的に不安定になりやすい彼らのことを考えると、自分は「行きたい」同僚も「生徒引率」には消極的だった。
 その後、6月22日の「赤旗」で「組織委が学校観戦の参加やキャンセル意向を各都県に求めていたにもかかわらず、都教委は区市町村・学校に意向確認をしませんでした。」と報道された。
 管理職に確認すると、やはり「調査は下りてきていない」と答えたが、都教委に打診を始めた。
 終業式が迫っても都教委から回答はなかったが、ついに校長はキャンセルを決断した。
 4度目の緊急事態宣言発令を受けてオリンピックが無観客となったことで、オリンピックを観戦する予定だった学校は自動的に連携観戦もなくなったが、パラリンピックの方はまだ学校連携観戦に生徒が動員される可能性が残っている。
 さらに、都教委は急遽パブリック・ビューイングをする学校を募集すると通知してきた。
 都教委は何が何でも子どもを集めて観戦させ、“感動した”と言わせたいのだろう。

『被処分者の会通信 第134号』(2021年8月5日)


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