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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

子どもの貧困の根絶に向けて(1)

2010年11月02日 | 格差社会
 《10・20日弁連院内集会》から
 ★ 子どもの貧困の根絶に向けて(1)


《10・20日弁連院内集会》から

 ★ 当事者の声① 母子家庭・定時制高校生

 定時制高校に通っています。昼間は授業,夜はほとんど毎日5時から10時過ぎまで100円ショップでバイト生活です。
 高校2年に進級するときに赤点が解消できなくて中退し,今の定時制高校に入りました。それから6年間バイトが中心の生活です。高校は好きだったけど周りの友達が次々に辞めていってその子たちと付き合っているうちに欠席日数が増えてレポートが遅れたり,勉強がわからなくなって赤点が目立つようになりました。
 小学校中学年のときに両親が離婚して、母親と公営住宅に住んでいます。父は中卒で大工をやっています。仕事が減ったり,仕事上のトラブルが重なったりしてギャンブルに入れ込んで母親に暴力を振るったのが離婚の原因だと思います。
 母親が一生懸命働いて生活を支えてくれています。昼は事務手伝い,夜は飲食店で働いていました。体を壊して,今は飲食店だけです。それだけ働いても1か月の給料は12万~13万円で,15年間同じ生活をしています。
 私もバイトの給料は全額母親に渡しています。つい最近まで食費は2人で1日1000円でした。納豆とご飯だけが3日続いたこともあります。母親は何も食べずに仕事に行った日もあります。
 今一番心配なのは,母親の健康です。心臓に持病があるので無理をさせられません。私自身,交通事故の後遺症で毎日必死です。早く高卒の資格を取って定職に就き,母親を楽にしてあげたいです。
 勉強は小学校中学年の頃からついて行けなくなりました。特に算数はだめで,少数・分数はほとんど分かりません。8歳のときから,夜は1人で過ごしていました。
 母親は昼間の仕事が終わると帰宅して,夕飯の準備をしてまた飲食店の仕事に出かけ,帰るのは深夜です。私は1人で夕飯を食べ,宿題をして,明日の準備をして,お風呂に入って寝る生活でした。宿題が分からなくなっても教えてくれる人が周りにいませんでした。1人でいると,宿題をやらなくてはと思っても,ついついテレビを見てそのまま寝たりしてしまいます。子どもが1人で夜を過ごすのは皆さんが想像するよりも大変なことです
 中学校に入って,似たような境遇の友達と仲良くなって夜遊びをするようになりました。変な言い方ですが,「授業をさぼって遊ぶ仲間」が出来てひとりぼっちの生活から抜け出せたことが,その時の私には孤独感から解放されたという喜びでした。
 学校をさぼったり,中退する子は,それぞれいろいろな事情を抱えています。本人の責任もあると思いますが,それだけではないと思います。親のトラブルに巻き込まれたり,自分ではどうしようもできない大人の問題でストレスを抱えて落ち着いた生活を送れなかったことが原因で生活が乱れ,退学になってしまう子も多いです。その子だけを責めないでください
 私の願いは次のようなことです。
1 母親のようにパートで働いている人の給料をもう少し上げてください。大人が10年以上働いても時給800円台でそれ以上に上がらないというのはひどいと思います。健康を害しているのに,病院にも満足にかかれません。
2 高校を中退した友達はほとんどバイト生活です。風俗で働いている友達もいます。中卒では働けるところがあまりないのが現状です。この子たちが働けるような仕事を増やしてほしいです。お金もなく,勉強が遅れていて自信がない子が多いので,その子たちを助けてあげられるようなことをしてください。
3 高校中退を増やさないためには,高校から手を打っても遅いです。小学校のときから,孤立した子どもを早く見つけ,助けることが何より大切です。放課後の勉強を見たり,遊べる育成室を小学校6年生まで行けるようにしてください。

 最後に,人間にとって一番怖いのは,ひとりぽっちになることです。孤立してしまうことです。そのような子がいたら,ほっとかないで手を差し伸べてください。

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