=自由権規約委員会第7回日本政府報告審査に向けて"List of Issues"に「日の君問題」=
◎ 「10・23通達」が、国際社会で注目を浴びる(パラ23,パラ26)
2017年11月24日付けで国連自由権規約委員会は、30項目の日本政府向け"List of Issues"を発表した。
日本政府はこれらの質問に、1年以内に回答しなければならない。
その中の2項目が、「東京・教育の自由裁判をすすめる会」がNGOレポート(リンク)として申し立てた、東京の学校における「日の丸・君が代」の強制に関わる質問だった。
パラグラフ23は、「公共の福祉」に関する質問(板橋高校卒業式事件関連)。
パラグラフ26は、「10・23通達」に関する質問(国旗国歌起立斉唱強制関連。)
<思想、良心および宗教的信念の自由、および表現の自由(規約第2、18、19、および25条)>
<Freedom of thought, conscience and religious belief and freedom of expression (arts2,18,19and25)>
23.前回の総括所見(パラ22)に関連して、「公共の福祉」というあいまいで無制限な概念を明確化し、思想、良心、および宗教の自由または表現の自由への権利に対する制約が、自由権規約18条および19条それぞれの第3項が許容する限定的な制約を超えることがない事を確保するために講じられた手段について、ご報告願いたい。
23. In reference to the previous concluding observations (para.22), please report on steps taken to clarify the vague and open-ended concept of “public welfare” and to ensure that it does not lead to restrictions on the rights to freedom of thought, conscience and religion or freedom of expression beyond the narrow restrictions permitted in paragraph 3 of articles 18 and 19 of the Covenant.
26.2003年に東京都教育委員会によって発出された10.23通達を教員や生徒に対して実施するためにとられた措置の自由権規約との適合性に関して、儀式において生徒を起立させるために物理的な力が用いられており、また教員に対しては経済的制裁が加えられているという申し立てを含めて、ご説明願いたい。
26. Please explain the compatibility with the Covenant of measures taken to enforce against teachers and students Directive 10.23 issued by the Tokyo Board of Education in 2003, including alleged application of force to compel students to stand in ceremonies and financial sanctions against teachers.
私たちは、前回2014年第6回日本政府報告審査にも、カウンターレポートを提出しており、その時は『最終見解』で、パラグラフ22の勧告を得ていた。
○板橋高校卒業式事件から「表現の自由」をめざす会、が訴えたこと
藤田さんが開式前の保護者席に呼びかけた「表現行為」を、「表現の自由」よりも「公共の福祉」を優先させて刑事罰を科したことは、規約19条(表現の自由)違反である。
○東京・教育の自由裁判をすすめる会、が訴えてこと
学校行事の際に、国旗国歌への起立斉唱を拒んだために、教職員が減給・停職・解雇を含む制裁を受けたことは、規約18条(思想・良心・宗教の自由)違反である。
○私たちのレポートに応えて、自由権規約委員会が採択した「勧告パラ22」
《「公共の福祉」を理由とした基本的自由の制約》
22 本委員会は、「公共の福祉」の概念は、曖昧で、制限がなく、規約の下で許容されている制約を超える制約を許容するかもしれないという懸念を改めて表明する(2条、18条、19条)。
委員会は、以前の最終所見(CCPR/C/JPN/CO/5、パラ10)を想起し、規約18条・19条のそれぞれ第3項に規定された厳しい条件を満たさない限り、締約国が、思想・良心・宗教の自由や表現の自由の権利に対していかなる制約を課すことをも差し控えるように強く要請する。
この「勧告パラ22」にも関わらず、政府当局は何の手も打たず、放置してきた。
勧告から今年に至る3年間、私たちは様々な場面で関係省庁や都教委に、勧告の即時実行を要請してきたが、
各省庁は「パラ22は一般的・抽象的な勧告である」、
都教委は「日本政府の見解について答える立場にない」と、
各々身勝手な解釈で、一切の対応を怠ってきた。
それに対して、国連から突きつけられたのが、今回の「List of Issues23,26」である。
前回のパラ22が、2つのテーマ毎に独立して、より強力かつ具体的に日本政府に対応を迫っている。
今度こそ、日本政府には、人権理事国の名に恥じない、真摯な対応をなすべきである。
裁判所も、人類普遍の原理である人権の理念に忠実に、国内において世界水準の人権保障を実現すべく、勧告を尊重し自由権規約を裁判規範として即時適用すべきである。
東京都の「10・23通達」は、自由権規約審査の洗礼を受けることとなった。
大阪府の「国旗国歌条例」「職員基本条例」も、憲法にとどまらず、自由権規約の適法性の審査を受けるべきであろう。
◎ 「10・23通達」が、国際社会で注目を浴びる(パラ23,パラ26)
2017年11月24日付けで国連自由権規約委員会は、30項目の日本政府向け"List of Issues"を発表した。
日本政府はこれらの質問に、1年以内に回答しなければならない。
その中の2項目が、「東京・教育の自由裁判をすすめる会」がNGOレポート(リンク)として申し立てた、東京の学校における「日の丸・君が代」の強制に関わる質問だった。
パラグラフ23は、「公共の福祉」に関する質問(板橋高校卒業式事件関連)。
パラグラフ26は、「10・23通達」に関する質問(国旗国歌起立斉唱強制関連。)
<思想、良心および宗教的信念の自由、および表現の自由(規約第2、18、19、および25条)>
<Freedom of thought, conscience and religious belief and freedom of expression (arts2,18,19and25)>
23.前回の総括所見(パラ22)に関連して、「公共の福祉」というあいまいで無制限な概念を明確化し、思想、良心、および宗教の自由または表現の自由への権利に対する制約が、自由権規約18条および19条それぞれの第3項が許容する限定的な制約を超えることがない事を確保するために講じられた手段について、ご報告願いたい。
23. In reference to the previous concluding observations (para.22), please report on steps taken to clarify the vague and open-ended concept of “public welfare” and to ensure that it does not lead to restrictions on the rights to freedom of thought, conscience and religion or freedom of expression beyond the narrow restrictions permitted in paragraph 3 of articles 18 and 19 of the Covenant.
26.2003年に東京都教育委員会によって発出された10.23通達を教員や生徒に対して実施するためにとられた措置の自由権規約との適合性に関して、儀式において生徒を起立させるために物理的な力が用いられており、また教員に対しては経済的制裁が加えられているという申し立てを含めて、ご説明願いたい。
26. Please explain the compatibility with the Covenant of measures taken to enforce against teachers and students Directive 10.23 issued by the Tokyo Board of Education in 2003, including alleged application of force to compel students to stand in ceremonies and financial sanctions against teachers.
私たちは、前回2014年第6回日本政府報告審査にも、カウンターレポートを提出しており、その時は『最終見解』で、パラグラフ22の勧告を得ていた。
○板橋高校卒業式事件から「表現の自由」をめざす会、が訴えたこと
藤田さんが開式前の保護者席に呼びかけた「表現行為」を、「表現の自由」よりも「公共の福祉」を優先させて刑事罰を科したことは、規約19条(表現の自由)違反である。
○東京・教育の自由裁判をすすめる会、が訴えてこと
学校行事の際に、国旗国歌への起立斉唱を拒んだために、教職員が減給・停職・解雇を含む制裁を受けたことは、規約18条(思想・良心・宗教の自由)違反である。
○私たちのレポートに応えて、自由権規約委員会が採択した「勧告パラ22」
《「公共の福祉」を理由とした基本的自由の制約》
22 本委員会は、「公共の福祉」の概念は、曖昧で、制限がなく、規約の下で許容されている制約を超える制約を許容するかもしれないという懸念を改めて表明する(2条、18条、19条)。
委員会は、以前の最終所見(CCPR/C/JPN/CO/5、パラ10)を想起し、規約18条・19条のそれぞれ第3項に規定された厳しい条件を満たさない限り、締約国が、思想・良心・宗教の自由や表現の自由の権利に対していかなる制約を課すことをも差し控えるように強く要請する。
この「勧告パラ22」にも関わらず、政府当局は何の手も打たず、放置してきた。
勧告から今年に至る3年間、私たちは様々な場面で関係省庁や都教委に、勧告の即時実行を要請してきたが、
各省庁は「パラ22は一般的・抽象的な勧告である」、
都教委は「日本政府の見解について答える立場にない」と、
各々身勝手な解釈で、一切の対応を怠ってきた。
それに対して、国連から突きつけられたのが、今回の「List of Issues23,26」である。
前回のパラ22が、2つのテーマ毎に独立して、より強力かつ具体的に日本政府に対応を迫っている。
今度こそ、日本政府には、人権理事国の名に恥じない、真摯な対応をなすべきである。
裁判所も、人類普遍の原理である人権の理念に忠実に、国内において世界水準の人権保障を実現すべく、勧告を尊重し自由権規約を裁判規範として即時適用すべきである。
東京都の「10・23通達」は、自由権規約審査の洗礼を受けることとなった。
大阪府の「国旗国歌条例」「職員基本条例」も、憲法にとどまらず、自由権規約の適法性の審査を受けるべきであろう。
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