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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

村山談話の会、千鳥ヶ淵戦没者墓苑で無名戦士に献花

2016年12月30日 | 平和憲法
 ◆ アジアへこそ慰霊の旅を (東京新聞)
   首相真珠湾訪問の日 都内では全犠牲者を悼む集会


 安倍晋三首相が真珠湾を訪問した28日、東京都千代田区の千鳥ケ淵戦没者墓苑では、アジアを含む全犠牲者を追悼する集会が開かれた。出席者は「日本軍の犠牲になったのは米国人だけではない」として、首相にアジア各国の犠牲者への慰霊も求めた。(沢田千秋)
 ◆ 「米国迎合もういらない」
 集会を呼び掛けたのは有識者らでつくる「村山首相談話を継承し発展させる会」で、約三十人が集まった。
 村山談話は一九九五年八月、当時の村山富市首相が発表した政府の公式見解
 談話は、「わが国は(中略)植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました」とし、「痛切な反省の意」「心からのおわびの気持ち」を表明している。
 会は、過去の侵略を謝罪した村山談話から、安倍政権の姿勢が「後退」していると危ぶんだ学者らが、二〇一三年に設立。安倍首相の真珠湾訪間に合わせ、アジアの人々の犠牲に思いをはせようと献花を呼びかけた。
 今回、真珠湾での演説で安倍首相は、米国民に向け「(戦後)皆さんが送ってくれたセー夕ーで、ミルクで、日本人は未来へと命をつなぐことができました」「日本国民を代表し、米国が、世界が、日本に示してくれた寛容に、改めて、ここに心からの感謝を申し上げます」と謝辞を述べ、日本と米国との和解を強調した。
 この演説について、会の藤田高景理事長は集会で、戦争の責任やアジアへの言及がないことを批判。「太平洋戦争の本質に触れなかった安倍首相の言葉の空虚さにがくぜんとした。アジアを切り捨てた首相の真珠湾訪問は、全ての犠牲者や遺族の心情を政治的に利用するものだ」と断じた。
 共同代衷の高嶋伸欣・琉球大名誉教授は「太平洋戦争は米国の植民地を横取りしようとした日本が返り討ちに遭つた戦争。まるでヤクザの勢力争いで、以後、日本は米国に屈服のあいさつを繰り返し、アジアは眼中にない。米国に頭を下げる首相の追悼の旅がアジアへもつながることを期待する」と述べた。
 出席者は順番に日本やアジアの犠牲者に献花した。
 会のメンバーで主婦の清水忍さん(57)は真珠湾での首相の演説が「太平洋戦争をきれいごとで幕引きしようとしているように思えた」と話す。「日本は米国やアジアのみならず、多くの国と戦った。空襲や原爆で戦争の悲惨さを語り継ぐ動きはあっても、アジアへの侵略は知らない国民が増えた。歴史を直視しなければ国が傲慢になる」
 インターネットの交流サイトで集会を知り、参加した自営業の女性(38)は「首相がアジアへの追悼の意を表さなかったことを責める前に、一般市民として自分が追悼しようと思って来た。今までこうしたイベントに来たことはなかった。首相の真珠湾訪問で逆に追悼の気持ちがわいた」と打ち明けた。
 文筆業の和仁廉夫さん(60)は、八十九歳の母昌さんの手を引き、献花に訪れた。「母は認知症気味だが、元気なころは戦時中の話をよくしてくれた。十年前に亡くなった父は真珠湾攻撃の翌日、高校を繰り上げ卒業し中国で従軍した。『日本軍はひどいことをした』と言っていた。戦争体験者が減る中でも、歴史を歪曲することは許されない」。安倍首相に対し注文を付ける。「米国に迎合するパフォーマンスはもういらない。はるかに大きな犠牲を出したアジア諸国にも目を向けてほしい」
『東京新聞』(2016/12/29【ニュースの追跡】)

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