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パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

音楽大学の教職課程で行われている「君が代」の思想統制

2021年11月28日 | 日の丸・君が代関連ニュース
  《週刊金曜日【風速計】》
 ◆ こけのむすまで?
   崔善愛
(チェソンエ)


 学校の音楽教師になりたいと大学で教職課程を取った。
 が、1980年代まで国籍条項があり、日本国籍でなければ受験できなかった。文部科学省のホームページによれば、92年度から日本国籍を有さないすべての人にも門戸が開かれているはずだ。
 けれどもし私が公立学校の教師になっても、「君が代」を弾かないことで職務違反になり、処分を受けるだろう。
 ある学生から聞いた話が忘れられない。
 国立(くにたち)音楽大学の教職課程の講義で「この中に『君が代』を弾けない人、いますか?そういう人はこの教室から出てください。教員になれませんから」と担当教員が言った。
 「クリスチャンとして『君が代』は弾けない」と思った彼女は、教員になる道が閉ざされたと泣きながら打ち明けた。
 政府や校長は「どこの国にも国旗国歌があり、敬意を払うのは当然」とマニュアルでもあるのかと思うほど口をそろえる。
 東京都教育委員会の「10・23通達」から18年が経った。この間、「君が代不起立」で処分された東京都の教職員は延べ484人(2020年12月)。同じ理由で再雇用されなかった人は70人を超える。
 近藤順一さん(累積加重処分取消裁判元原告)は言う。「私の不起立・不斉唱は生徒に多様な考え行動を示す原則的な教育行為だった。学校に多様性、相違性、個性のハーモニーを取り戻したい」。
 元家庭科教師の根津公子さんは「不起立」で停職6カ月処分を3回受けた。彼女は18歳のときに日本の加害の歴史を知って、父親に戦地で何をしたのかと問うた。が、何度聞いても父は20年間沈黙。父親は70歳を過ぎたころ、語り始めた。
 -農家で兄弟を養うため徴兵を拒否したが、大陸へ送られたこと。ノモンハンではソ連兵にタバコを渡したり、孤児をかくまったりしたことでスパイ容疑となり、処刑されかけたこと。軍隊手帳には「非国民」を意味する朱印が押されたこと。
 そして「日の丸・君が代」への抵抗について、「公子はまちがっていない」とつぶやいたという。
 今年2月17日、根津さんの「君が代不起立処分取消訴訟」が最高裁で勝訴確定。「停職6カ月処分は東京都教育委員会の裁量権の逸脱濫用であり、違法
 しかし都教委は最高裁判決後も「君が代不起立」の教職員への処分を続ける。
 「こけのむすまで」続けるつもりなのか。

『週刊金曜日』(2021年10月8日【風速計】)


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