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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

都立高学校新聞言論弾圧問題が、日刊ゲンダイで取り上げられた

2018年11月23日 | 暴走する都教委
  《二極化・格差社会の真相(日刊ゲンダイ)》
 ◆ 陰惨な事態…高校生の「言論の自由」が脅かされている衝撃
斎藤貴男(ジャーナリスト)

 東京都立SY高校で陰惨な事態が進行中なので報告する。
 生徒のI君(18)が先月6日、学校説明会に来た来年の受験生らに同校の特色や問題点をまとめたビラを公道で配布していたところ、生活指導の教員や副校長に妨害され、無断で撮影された。都教委も学校側の行為を問題視している。
 I君は自ら立ち上げた「自治委員会」の議長だ。校内では学校新聞「Yジャーナル」電子版の編集長と言った方が通りがいい。
 本人や関係者の証言によれば、学校側との対立は昨年6月、校内で使用済みの避妊具が発見された騒動や、生徒の物騒なツイッターが警察沙汰になった事件を報じて、削除を求められたのを機に深まった。
 「覚悟はできてるんだろうな」などと退学を仄めかす恫喝が繰り返され、ついには校長以下数人の教員に軟禁されて、“誓約書”への署名を余儀なくされた。
 I君本人は内容を理解していないと言う。実効性などないものの、精神的に追い詰められた彼は不登校に陥った――。
 さて、賢明な読者ならご推察の通り、SY高の事態には前段がある。
 「Yジャーナル」の前身・紙媒体の「Y新聞」時代にも一昨年2月、やはり学校側の介入で削除された2本の記事があったのだ。
 1本は「Y高入試、内申比率7:3に」
 もともと他校の中退者や不登校生らの救済機関として発足した同校にとって、内申点の重視は学校の存在意義に関わる。都教委のHPに載った情報の裏を取っての報道だった。
 もう1本は“社説”「ボランティアの必修化より生徒の自主性に任せよ」である。
 見出しの通り、“奉仕活動”が強要される公立高校の実態を告発すると同時にボランティアの本質を論じたもので、2020年東京五輪を控えた昨今の動きを予期していたわけではない。
 いずれにせよ学校側は、これらや生徒会の会則配布されていないことを批判したH編集長(当時)を警戒し続けた。
 やがて彼が卒業し、後継者となったI君が今日のような立場になっている。

 学校側にとって彼らは“かわいくない”生徒なのだろうなとは思う。だが選挙権年齢が18歳に引き下げられた現在、高校生にも表現の自由が保障されるのは当然だ。
 何者かへの服従を強いられなければならない“主権者”などあり得ない。

 SY高の校長には、「個人情報に関わるので」と取材を拒否されたが、この問題は簡単には終わらない。いずれ複雑な詳細を改めて報告する機会もあろう。
 ※ 斎藤貴男ジャーナリスト
 1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。
『日刊ゲンダイ』(2018/11/21)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/242043
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