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パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

第11回「日の丸・君が代」問題等 全国学習・交流集会 報告資料〔全国④ 愛知〕

2021年08月06日 | 日の丸・君が代関連ニュース
  =愛知・名古屋からの報告=
 <名古屋市『育鵬社』歴史・公民教科書採択阻止、「表現の不自由展・その後」中止・県知事リコール問題、大阪・東京での展示会攻撃(「表現の自由」への行政権力の介入)の現在>
小野政美(憲法と教育を守る愛知の会;愛知・教科書市民の会)

 1.2020年夏の名古屋市中学校教科書採択の特徴
   ~「日の丸・君が代」強制、「表現の不自由展・その後」展示攻撃、「学術会議会員6名任命拒否」等を「思想・表現の自由」攻撃として総体的に捉える視点

 名古屋市では、2021年8月5日、名古屋市中学校「歴史」教科書再採択が、「自由社」と昨年採択の「教育出版」を比較して行われる。
 2020年7月29日の名古屋市採択では、「歴史」は、学校現場の声や専門調査委員報告書での評価が高いなどとして、教育出版を押す大学教員の委員3名と育鵬社支持の委員2名の論議後8月7日に再審議・採択となり、8月7日の「歴史・公民」の審議では、教育出版と育鵬社が無記名投票で3対3になった場合、教育長採決権限で、育鵬社になる可能性が大きくなった。
 戦争肯定・人権より義務重視の「育鵬社」歴史・公民教科書を採択しないで下さいという多くの要請書・要望書・意見書などが、FAX・電話・メールなどで名古屋市教委に対して送られ、8月7日の再審議・採択では前回の採択状況とは一転、前回「育鵬社」支持の2人を含め、全員一致で「教育出版」に決まった。
 名古屋市の「育鵬社・歴史公民教科書」採択運動の特徴は、「南京虐殺否定・日本軍慰安婦制度否定」の河村名古屋市長・行政と2019年夏の『あいちトリエンナーレ2019』・「表現の不自由展・その後」展への攻撃・ヘイト・抗議運動、河村名古屋市長による「あいちトリエンナーレ」分担金不交付及び裁判、河村市長を首謀者とする「大村愛知県知事リコール運動」と、日本会議の流れを酌む高須クリニック院長・百田・竹田などの「ヘイトスピーチ」・「下からのファシズム」の「共同戦線」であることである。
 2.「表現の不自由展・その後」攻撃・県知事リコール問題
   ~「思想・表現の自由」への行政権力の介入


 2021年夏、「表現の不自由展」が東京、名古屋、大阪で開催される予定だが東京・大阪・名古屋、大阪で開催への妨害が起こっている。
 『「あいちトリエンナーレ2019」・「表現の不自由展・その後」』展示中止に至る8月1日開幕直後、展示への「電凸(でんとつ)」と呼ばれる電話での集団抗議が殺到した。
 「何で韓国の高級売春婦なんか出さなきゃならないの?日本で。あなた韓国人?」「在日?」。「ふざけんじゃね一ぞ。ぶっ殺すそ、この野郎」、「お前の名前をネットに挙げるぞ」、「お前の母親の写真を燃やすそ」、「日本人なのか?」、「力ずくでやるしかない」。
 電凸抗議の5割は『平和の少女像』、4割は昭和天皇を描いた版画を燃やすなどの映像を含めて構成されていた大浦信行映像作品『遠近を抱えてPartⅡ』だった。
 「不自由展」への抗議電話は1カ月で3996件、メールは6050件、ファックス393件。9月以降も続き、3日間で2900件。「不自由展」関連ツイートは、約957万件。
 8月3日に「安全確保」を理由に企画展中止を発表。ネットの炎上をあおった勢力の狙い通りになった。
 攻撃の本質には、日本社会は現在もなお、「天皇制」を自由に表現できないこと、植民地支配・日本軍「慰安婦」・南京大虐殺等への歴史修正主義・歴史捏造がある。
 「表現の不自由展・その後」中止は、電凸攻撃や脅迫、「安全」・「秩序維持」・「反日」によって中止に追い込めるという前例や自主規制を誘導する右翼的勢力の「成功体験」を与えた。
 「不自由展」中止の背景には、「嫌韓」ヘイトスピーチの執拗な攻撃、「反日日本人・マスコミ」等、週刊誌・雑誌・新聞など「反日」という言葉が浴れかえる現実がある。ガソリンを撒くそという「京アニメ」事件を匂わせたファクスを契機とした中止決定は、「ネトウヨ」や「普通の日本人」の抗議を誘引した。
 河村名古屋市長などによる権力の介入に呼応して展示中止を求めて攻撃した人々と「不自由展」再開後の会場に抗議に来た人々の多くは、「右翼」とともに、50代・60代70代の「普通の日本人」だったことは当時の現場で対応・対処してきた私の記憶に鮮明である。
 大村秀章・愛知県知事に対するリコール署名の偽造事件で、名古屋地検は6月29日、運動団体事務局長で元県議の田中孝博容疑者と次男の雅人容疑者を地方自治法違反(署名偽造)の罪で起訴。孝博容疑者から佐賀での署名偽造作業を請け負ったとして、名古屋市の広告関連会社の山口彬・元社長も在宅起訴した。
 愛知県の大村秀章知事へのリコールを巡る不正署名で、運動団体事務局長の田中孝博容疑者らが地方自治法違反(署名偽造)の疑いで逮捕、送検された。
 県選管は提出署名の8割にあたる約36万人分に無効の疑いがあるとし県警に告発していた。
 リコールは住民が首長らの解職を直接請求できる制度であり、署名偽造は民主主義をゆるがす異常事態と言える。
 起訴状によると、孝博容疑者ら3人は共謀し、2020年10月下旬、佐賀市でアルバイト計3人に、愛知県内の有権者計71人分の氏名を署名簿に書き写させ、偽造したとされる。
 河村たかし名古屋市長が主導的に呼びかけ、運動団体の会長は美容外科医の高須克弥氏だったが、河村市長と高須院長は偽造への関与を否定するが、運動をけん引した責任は重いにもかかわらず、愛知県警の捜査から逃れている。
 今回、政治プロセスに、警察権の介入を招いたことも問題である。愛知県警は今回、署名簿を差し押さえたが、思想信条に関わる情報を警察が押収したのは大きな問題である。警察や検察に追及を委ねる風潮が強まれば、民主主義の自壊にも繋がる。
 リコールは住民が首長らの解職を直接請求できる制度であり、署名偽造は民主主義をゆるがす異常事態と言える。
 7月6~11日開催の名古屋市所管施設での「表現の不自由展」は予定通り開催されるが、同じ会場で「反移民」・ヘイトスピーチなどを行う「在特会」関係の「トリカエナハーレ展」もを開催される。
 大阪府の施設「エル・おおさか」(大阪市中央区)を会場とする予定だった「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の出展作品を集めた大阪市内での展覧会「表現の不自由展かんさい」は、施設の指定管理者が6月25日、抗議の電話やメールが相次いでいることなどを理由に承認を取り消したことをめぐり、実行委員会は大阪地裁に処分取り消しを求めて提訴し、同時に処分の執行停止を申し立てた。
 吉村洋文知事は26日、記者団の取材に対し、指定管理者の決定に「賛成する」として「法的措置が取られれば徹底的に対応する」と語った。
 東京都内でも6月25日から「表現の不自由展・東京」の展覧会が予定されていたが、会場となるギャラリーの辞退が相次ぎ、日からの開催を予定していたについて24日、実行委員会は会見を開き、延期すると発表しました。実行委が延期を決めた。
 当初予定されていた新宿区のギャラリーでは、開催の告知直後から大声で中止を求める抗議活動が周辺で相次いだほか、別に確保した会場も「近隣に迷惑がかかる」として提供を取りやめた。
 萩生田光一文科相は、「不自由展」再開後すぐ、「申告すべき事実を申告しなかったという手続き上の理由」で、「あいトレ」補助金約7800万円を不交付にした。事実上の「事後検閲」であった。
 文化庁所管の日本芸術文化振興会は、「公益性の観点から不適当」の判断で助成金支給を取り消す可能と要綱を改めた。
 その後、川崎市での日本軍「慰安婦」論戦ドキュメンタリー映画『主戦場』中止、「伊勢市美術展覧会」で、市・教育委員会が「平和の少女像」の写真を使った作品を展示不許可にした。ウィーンで、日本との国交150年記念事業の芸術展についても日本大使館が公認を取り消した。
 学校現場での教職員・子どもたちへの「日の丸・君が代」強制に対し不服従で闘ってきた私たちは、「日の丸・君が代」強制、「表現の不自由展・その後」中止・県知事リコール問題(「表現の自由」への行政権力の介入)、大阪・東京での展示会攻撃の現在を、文科省の「検定(検閲)制度」・「採択制度」の改悪による「教科書記述改悪」、「日の丸・君が代」強制、「表現の不自由展・その後」攻撃、多くの現場での「表現の自由」攻撃、「学術会議会員6名任命拒否」、朝鮮学校差別、ヘイトスピーチ、市民運動・労働組合・ユニオン弾圧など「思想・表現の自由」攻撃として歴史的・総体的に捉える視点こそが重要である。
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