<転送歓迎>(重複ご容赦)
・「都教委包囲首都圏ネットワーク」・「千葉高教組」・「新芽ML」の渡部です。
本日(6月20日)、東京地裁で、第二次再雇用拒否裁判第8回弁論がありました。
最初に弁論に立った村田良介弁護士は
①公立学校教職員であることをもって、思想・良心の自由を制約する根拠になりえないこと。
②子どもの学習権を中核とした憲法上の保障、教師の教育の自由が、10・23通達によって侵害されたこと
を述べました。
①では次のように述べました。
「被告(都側)は、自由な意思で公立学校教職員という特別な法律関係に入ったことが思想・良心の自由を制約する根拠になるという主張をしています。しかし、これは、特別権力関係理論を持ち出すことに他なりません。これでは、公務員に対する人権は、実質的に保障されないことになります。(以下略)」
②では次のように述べました。
「10・23通達等の一連の仕組みは、『日の丸』や『君が代』に敬意の念を表明しない教師を教壇から排除する目的で組み立てられたものとしか考えられません。・・・決して、真に、子どもの学習権を充足させる目的で組み立てられた仕組みではありませんから、教師の教育の自由を侵害しており、違憲というほかありません。
また、『内心の自由の説明』が禁止され、生徒らの不起立を教師の指導力不足として問題視していることや、都教委は、生徒にすら、自由な議論の機会を与えずに有無を言わさず強制的に国旗に向かって起立し、国歌を斉唱せざるを得ない状況を作っています。・・これは子どもの学習権を充足するために、不必要であるばかりか、有害ですから、この点からも、違憲と言うほかありません。」
次に原告2人の意見陳述でした。
まず、<Hさん>の意見陳述からです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「私の父は、硫黄島の生き残りでした徴兵検査で甲種合格し、最強と言われた関東軍2等兵として意気揚々と満州に渡ったそうです。やがて戦局の悪化に伴い硫黄島へ送られ塹壕堀の毎日を過ごし、肋膜炎を患い、米軍が上陸する半年位前に内地に強制送還されました。
・・祖父は、病室に入るなり他の患者や見舞い客の前で、いきなり私の父を『この非国民が』と詰ったそうです。・・当時の社会がそう言わせたのでしょう。
そして私の妻の父はポーランド人ですが、1939年9月、ナチスドイツのポーランド侵攻後、19歳で地下活動に加わったそうです。
しかしワルシャワでナチスの人間狩りに遭い、ドイツのフロッセンブルグ収容所に送られ、腕に番号を刺青され、露天掘り石切という苛酷な強制労働を強いられました。幸い生き延びることができましたが、私が彼の左腕の5桁の数字の刺青を目にした時のショックは、言葉では言い表せません。・・
レマルクの小説『西部戦線異状なし』では、カントレック先生が生徒を前にながながと講演をし、徴兵区司令官の所に引率して躊躇する生徒に出征志願をさせる件があります。
また、レマルクは作中で、ある古参兵を通して『教育というものは、人を愚かにする』と言っています。
日本にも70年程前には、たくさんのカントレック先生がいました。
・・・カントレックは、私の反面教師です。私は世界中の教師が、カントレックを反面教師にしてほしいと願っています。
1930年代の日本やドイツがそうであったように、為政者が教育に介入し一定の方向に舵を取った時、教育の独立が失われ悲惨な戦争に突入しています。
民主主義は万能ではありません。ナチスはドイツで合法的に政権を取ったとされています。だからこそ、教育は国家権力に支配されたものであってはならず、教育の独立と政治的中立は保障されなければなりません。政治の僕であってはならないのです。(以下略)」
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次に<Aさん>の意見陳述からです。
Aさんは、生徒は教員が自由で多様であるからこそ、「自分で判断する力」、「自分たちのことは自分たちで決定するという”自治”の精神」を養うことができるとし、この間都教委がそれを破壊してきたとを糾弾し、次のように述べました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「このまま進めば、東京の教育が戦前の教育のように、国など行政が決めたことをそのまま子どもに伝えるだけになってしまうのではないか。東京で行われればそれは全国に波及するのではないか、という危機感を抱きました。
40秒だけ我慢していれば良いという問題ではありません。『立つ』『立たない』は外面的行為であるから教員の内心とは関係ないと言うことはできません。私たちの『不起立』は教員としての良心をかけた行為なのです。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いずれの意見陳述にも大きな拍手が起きました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『最高裁判決糾弾・大阪府条例反対7・24集会(仮)』
(都教委包囲首都圏ネットワーク主催)
<日時> 2011年7月24日(日)13:30~16:30
集会終了後デモ
<場所> 文京区区民センター
<内容>・最高裁判決の批判・分析(東京都退職教員)
・大阪府条例反対闘争の報告(大阪「日・君」ホットラインの方)
・東京における不起立闘争の報告(入学式での不起立の方)
・福島原発事故現地からのアピール(福島県教組郡山支部の方)
・その他
<資料代> 500円
*********************************************************
「都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
http://kenken.cscblog.jp/
「千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
http://homepage3.nifty.com/hinokimi/
・「都教委包囲首都圏ネットワーク」・「千葉高教組」・「新芽ML」の渡部です。
本日(6月20日)、東京地裁で、第二次再雇用拒否裁判第8回弁論がありました。
最初に弁論に立った村田良介弁護士は
①公立学校教職員であることをもって、思想・良心の自由を制約する根拠になりえないこと。
②子どもの学習権を中核とした憲法上の保障、教師の教育の自由が、10・23通達によって侵害されたこと
を述べました。
①では次のように述べました。
「被告(都側)は、自由な意思で公立学校教職員という特別な法律関係に入ったことが思想・良心の自由を制約する根拠になるという主張をしています。しかし、これは、特別権力関係理論を持ち出すことに他なりません。これでは、公務員に対する人権は、実質的に保障されないことになります。(以下略)」
②では次のように述べました。
「10・23通達等の一連の仕組みは、『日の丸』や『君が代』に敬意の念を表明しない教師を教壇から排除する目的で組み立てられたものとしか考えられません。・・・決して、真に、子どもの学習権を充足させる目的で組み立てられた仕組みではありませんから、教師の教育の自由を侵害しており、違憲というほかありません。
また、『内心の自由の説明』が禁止され、生徒らの不起立を教師の指導力不足として問題視していることや、都教委は、生徒にすら、自由な議論の機会を与えずに有無を言わさず強制的に国旗に向かって起立し、国歌を斉唱せざるを得ない状況を作っています。・・これは子どもの学習権を充足するために、不必要であるばかりか、有害ですから、この点からも、違憲と言うほかありません。」
次に原告2人の意見陳述でした。
まず、<Hさん>の意見陳述からです。
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「私の父は、硫黄島の生き残りでした徴兵検査で甲種合格し、最強と言われた関東軍2等兵として意気揚々と満州に渡ったそうです。やがて戦局の悪化に伴い硫黄島へ送られ塹壕堀の毎日を過ごし、肋膜炎を患い、米軍が上陸する半年位前に内地に強制送還されました。
・・祖父は、病室に入るなり他の患者や見舞い客の前で、いきなり私の父を『この非国民が』と詰ったそうです。・・当時の社会がそう言わせたのでしょう。
そして私の妻の父はポーランド人ですが、1939年9月、ナチスドイツのポーランド侵攻後、19歳で地下活動に加わったそうです。
しかしワルシャワでナチスの人間狩りに遭い、ドイツのフロッセンブルグ収容所に送られ、腕に番号を刺青され、露天掘り石切という苛酷な強制労働を強いられました。幸い生き延びることができましたが、私が彼の左腕の5桁の数字の刺青を目にした時のショックは、言葉では言い表せません。・・
レマルクの小説『西部戦線異状なし』では、カントレック先生が生徒を前にながながと講演をし、徴兵区司令官の所に引率して躊躇する生徒に出征志願をさせる件があります。
また、レマルクは作中で、ある古参兵を通して『教育というものは、人を愚かにする』と言っています。
日本にも70年程前には、たくさんのカントレック先生がいました。
・・・カントレックは、私の反面教師です。私は世界中の教師が、カントレックを反面教師にしてほしいと願っています。
1930年代の日本やドイツがそうであったように、為政者が教育に介入し一定の方向に舵を取った時、教育の独立が失われ悲惨な戦争に突入しています。
民主主義は万能ではありません。ナチスはドイツで合法的に政権を取ったとされています。だからこそ、教育は国家権力に支配されたものであってはならず、教育の独立と政治的中立は保障されなければなりません。政治の僕であってはならないのです。(以下略)」
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次に<Aさん>の意見陳述からです。
Aさんは、生徒は教員が自由で多様であるからこそ、「自分で判断する力」、「自分たちのことは自分たちで決定するという”自治”の精神」を養うことができるとし、この間都教委がそれを破壊してきたとを糾弾し、次のように述べました。
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「このまま進めば、東京の教育が戦前の教育のように、国など行政が決めたことをそのまま子どもに伝えるだけになってしまうのではないか。東京で行われればそれは全国に波及するのではないか、という危機感を抱きました。
40秒だけ我慢していれば良いという問題ではありません。『立つ』『立たない』は外面的行為であるから教員の内心とは関係ないと言うことはできません。私たちの『不起立』は教員としての良心をかけた行為なのです。」
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いずれの意見陳述にも大きな拍手が起きました。
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『最高裁判決糾弾・大阪府条例反対7・24集会(仮)』
(都教委包囲首都圏ネットワーク主催)
<日時> 2011年7月24日(日)13:30~16:30
集会終了後デモ
<場所> 文京区区民センター
<内容>・最高裁判決の批判・分析(東京都退職教員)
・大阪府条例反対闘争の報告(大阪「日・君」ホットラインの方)
・東京における不起立闘争の報告(入学式での不起立の方)
・福島原発事故現地からのアピール(福島県教組郡山支部の方)
・その他
<資料代> 500円
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http://kenken.cscblog.jp/
「千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
http://homepage3.nifty.com/hinokimi/
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