《教科書ネット21ニュースから》
◆ 9年目育鵬社採択阻止 あたりまえの要求が尊重される採択に
◆ 教科書の運動は、あたりまえの要求
藤沢では、ようやく歴史、公民とも育鵬社不採択となりました。
2011年「この子どもたちにふさわしい教科書を使いたい」という要求は、先生方がまったく支持しなかった育鵬社教科書採択で、つぶされました。だれの目から見てもあたりまえの要求、それがとおることに9年もかかるなんて。
この私の手で、侵略戦争美化の育鵬社教科書を手渡すときの光景と震え、なさけなさを、今も忘れることはありません。
◆ 先生方とのつながり
2011年の採択を受けて、地域の教職員組合は、社会科の教科書研究の教研組織を立ち上げ、中学校の社会科の教員を中心に、元高校の教員など市民も有志で加わり、月1回の育鵬社の教科書研究が始まりました。
学校で育鵬社教科書の問題をどうしたら共有でき、子どもたちへの影響を食い止められるのか、資料提供をし、一緒に考えていく道を模索していきました。
2018年12月~2019年2月に現場の先生たちへのアンケート(ニュース既報・樋浦敬子さん「藤沢の教科書・採択問題にとりくむ会」HP参照)はその流れの中で、取り組んだものです。
◆ 先生方や市民の意向が届いていない
先生方による「教科用図書調査書」が綴じたまま、教育委員会に簿冊一冊しかないことは驚きでした。
調査書のまとめがない、採択審議委員会の答申は議事録だけ、市民の意見書も綴じたまま、これでは先生方や市民の意向は、わかりづらいし、教育委員に伝わりません。
教育委員は恣意的に採択ができてしまうことなのでした。
そこで、教育委員会事務局へ、よりわかのやすい資料提供を要求していきましたが、「教育委員が要求すれば用意する」という受け身の姿勢でした。
2015年も教育的論議を尽くさず、育鵬社採択が強行されました。
◆ 資料を公開すればするほど不当な採択が見えた
教科書問題の世論はいっそう高まりました。採択にとりくむ市民団体は、地域で学習会をたくさん開きました。
教育委員会事務局へ要望、懇談を重ね、2017年以降、採択の公開性、透明性は大きく前進しました。
調査書や教科書展示会での意見書がまとめられ、さらに審議会も審議のまとめをつくり、答申としました。
各校から出された調査書まとめからは、学校の先生方の評価が読みとれます。それらは参考資料として教育委員に届けられました。
そして2015年の異常な採択は、白日の下にさらされました。
2019年の採択審議委員は、(教員に聞き取りをして)「教科書によっては使いづらさがある、ということでした」と発言しました。
2020年、市民団体が共同で取り組んだ「先生方や保護者の意向尊重」署名は、38000筆を超えました。
2020年7月31日、採択当日。
「(現場の先生方からの)調査書について、先生方の貴重なご意見なので大切な資料として参考にさせていただく」、
「市民の皆様から多くの意見をいただき、ありがとうございました。これらを参考にして、採択したい」と表明しました。
審議では育鵬社の名は、一切出ず、先生方の評価の高かった教科書が、つぎつぎ採択されました。
当たり前の要求が尊重された採択でした。(「みんなの教育・ふじさわネット」のHP参照)https://mkfnet.com/
『子どもと教科書全国ネット21NEWS 133号』(2020年8月26日)
◆ 9年目育鵬社採択阻止 あたりまえの要求が尊重される採択に
持田早苗(もちださなえ・藤沢「みんなの教育・ふじさわネット」)
◆ 教科書の運動は、あたりまえの要求
藤沢では、ようやく歴史、公民とも育鵬社不採択となりました。
2011年「この子どもたちにふさわしい教科書を使いたい」という要求は、先生方がまったく支持しなかった育鵬社教科書採択で、つぶされました。だれの目から見てもあたりまえの要求、それがとおることに9年もかかるなんて。
この私の手で、侵略戦争美化の育鵬社教科書を手渡すときの光景と震え、なさけなさを、今も忘れることはありません。
◆ 先生方とのつながり
2011年の採択を受けて、地域の教職員組合は、社会科の教科書研究の教研組織を立ち上げ、中学校の社会科の教員を中心に、元高校の教員など市民も有志で加わり、月1回の育鵬社の教科書研究が始まりました。
学校で育鵬社教科書の問題をどうしたら共有でき、子どもたちへの影響を食い止められるのか、資料提供をし、一緒に考えていく道を模索していきました。
2018年12月~2019年2月に現場の先生たちへのアンケート(ニュース既報・樋浦敬子さん「藤沢の教科書・採択問題にとりくむ会」HP参照)はその流れの中で、取り組んだものです。
◆ 先生方や市民の意向が届いていない
先生方による「教科用図書調査書」が綴じたまま、教育委員会に簿冊一冊しかないことは驚きでした。
調査書のまとめがない、採択審議委員会の答申は議事録だけ、市民の意見書も綴じたまま、これでは先生方や市民の意向は、わかりづらいし、教育委員に伝わりません。
教育委員は恣意的に採択ができてしまうことなのでした。
そこで、教育委員会事務局へ、よりわかのやすい資料提供を要求していきましたが、「教育委員が要求すれば用意する」という受け身の姿勢でした。
2015年も教育的論議を尽くさず、育鵬社採択が強行されました。
◆ 資料を公開すればするほど不当な採択が見えた
教科書問題の世論はいっそう高まりました。採択にとりくむ市民団体は、地域で学習会をたくさん開きました。
教育委員会事務局へ要望、懇談を重ね、2017年以降、採択の公開性、透明性は大きく前進しました。
調査書や教科書展示会での意見書がまとめられ、さらに審議会も審議のまとめをつくり、答申としました。
各校から出された調査書まとめからは、学校の先生方の評価が読みとれます。それらは参考資料として教育委員に届けられました。
そして2015年の異常な採択は、白日の下にさらされました。
2019年の採択審議委員は、(教員に聞き取りをして)「教科書によっては使いづらさがある、ということでした」と発言しました。
2020年、市民団体が共同で取り組んだ「先生方や保護者の意向尊重」署名は、38000筆を超えました。
2020年7月31日、採択当日。
「(現場の先生方からの)調査書について、先生方の貴重なご意見なので大切な資料として参考にさせていただく」、
「市民の皆様から多くの意見をいただき、ありがとうございました。これらを参考にして、採択したい」と表明しました。
審議では育鵬社の名は、一切出ず、先生方の評価の高かった教科書が、つぎつぎ採択されました。
当たり前の要求が尊重された採択でした。(「みんなの教育・ふじさわネット」のHP参照)https://mkfnet.com/
『子どもと教科書全国ネット21NEWS 133号』(2020年8月26日)
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