パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

◆ コロナ「5類移行」反対し、文科省及び大阪府・大阪市に対する緊急要望書を提出

2023年03月31日 | 暴走する都教委と闘う仲間たち

 ◆ マスク問題以外の感染症対策を学校に丸投げの文科省に抗議(教育研)

 政府は、科学的根拠や生活・医療・福祉・教育の観点からではなく、統一地方選やG7サミットという政治スケジュールを優先したコロナ「5類移行」を決定しました。
 文科省は、政府決定に基づく通知を3月17日に発出しました。しかし、その内容は、感染症対策を学校現場に無責任に丸投げするものでしかありませんでした。
 政府・文科省の対応に対する緊急要望書を大阪府(3月28日)及び大阪市(3月29日)に提出し、1ヶ月以内の文書回答と回答を踏まえた再質問と協議を行うよう要求しました。

 ◆ 無責任の極みの政府対応

 政府は、5月8日に新型コロナ感染症の感染症法上の分類を「2類相当」から「5類」へ引き下げるに先行する形で、3月13日からマスク着用を「個人の判断」としました。
 さらに、4月1日以降、学校では「マスク着用を求めないことを基本」と通知しましたが、これは、新学期を口実に、「5類移行」への世論誘導を学校と子どもたちに強制するものです。

 今、最優先すべきなのは、8波にわたる感染拡大で顕在化した問題点をすべて洗い出し、現場の意見を反映した、十分な対策を予算と人員の確保を図った上で具体化するです。
 しかし、岸田首相は、未だに、5月8日までに具体策を提示する」と無責任な対応に終始しています。
 文科省は、3月17日に通知を出しましたが、マスク問題以外は、5月8日以降の対応を指示する政府決定を待って「規則」「マニュアル」を改訂するのだとしています。無責任極まりないのではないでしょうか。

 ◆ 現場の声を聴いて! 大阪府・大阪市に要求

 教育研は、大阪府・大阪市と各教育委員会に対して、府・市独自でも可能な施策を洗い出し、その内容の是非を保健・医療・福祉・教育の現場と市民に広く問う形で整理し、子ども、保護者、教職員の切実な声の代弁者として、対政府要求を強めるよう要求しました。

 「5類移行」で、法的には、陽性者が出ても「濃厚接触者」の特定も出席停止措置も行動制限もなくなります。児童・生徒は、濃厚接触となっても、また感染不安があっても、「出席停止」措置は適用されなくなります。登校しなければ欠席扱いです。
 何とか現場でやりくりしてきた「時間差給食」「少人数分散」などの感染防止対応もできなくなると思います。
 教職員は、家庭内や学校で濃厚接触となったり、感染を疑う症状が出ても、コロナ陽性と判定されない限り出勤か有給休暇取得が迫られます。無理な出席や出勤によって、学校が家庭・地域への感染源となる可能性が高まるのではないでしょうか。

 この3年間、子どもたちは、学習面、生活面で追いつめられ、遅刻や不登校も増えています。子どもたちが安心して生活し、学べる環境作りが最優先です。
 しかし、2021年度の全国の公立学校教職員の精神疾患による病気休職者数5897人にのぼり、過去最多を更新しています。
 全国の小・中学校の教員未配置は、21年度当初時点でも2086人にも達し、臨時的任用教員が学級担任となる比率は小学校で11.49%、特別支援学校で23.69%に及んでいます。
 臨時的任用職員の配置もできないまま、児童を他の学級に振り分けて統合するケースも各地で報告されています。

 教員不足は、コロナ感染や濃厚接触による療養による短期の休職によってさらに拍車がかかり、もはや学校の業務が回らなくなるほど深刻な状態になっています。
 コロナ禍が教員不足と長時間勤務問題を深刻化させ、上意下達の競争主義教育推進のための膨大な業務の継続がさらに教職員を追い込んでいます。

 教育研は、こうした観点から、以下の要求を行いました。

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2023年3月28日

大阪府知事  吉村洋文様
大阪府教育長 橋本正司様

◆ 教育・教育現場に関わる新型コロナ感染症についての要望書

子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会

 政府は、5月8日をもって、新型コロナ感染症の感染症法上の分類を現在の「2類相当」から「5類」へ引き下げると決定しました。先行する形で、3月13日からマスク着用の扱いを「個人の判断」に移行させました。また、4月1日以降の新学期における学校教育活動では「マスクの着用を求めないことを基本とする」として、まず学校を通じて、子どもたちからマスクを外させるよう指導するよう指示いました。
 文科省は、3月から4月に行う卒業式・入学式では、「君が代」や校歌の斉唱等の場面を除いて「マスクを外すことを基本」とすると通知しています。これは、卒業式や新学期という「節目」を口実に、学校に「脱マスク」への社会的雰囲気作りを担わせ、「5類移行」に向かう世論誘導に子どもたちを利用することになるのではないでしょうか。

 私たちは、何よりも、十分な根拠と相応の対策もなく、スケジュールありきの「5類移行」決定に強く抗議します。

 新型コロナ感染症は、季節性インフルエンザとは異なる特徴を持つ疾患です。特効薬も未開発です。この感染症は、学校での感染拡大による教育活動への深刻な困難をもたらしてきました。
 最優先すべきなのは、8波にわたる感染拡大で顕在化した問題点をすべて洗い出し、第9波、第10波となった場合でも、現場の意見を反映した十分な対策を具体化することです。また、そのための予算と人員の確保も必須です。

 しかし、政府・文科省は、「決定」から1ヶ月以上経った今でも、「5月8日までに具体策を提示する」などという無責任な対応に終始し、「マスク外せ」の圧力だけを先行させています。
 3月17日の文科省通知は、マスク着用以外の感染症対策については、政府による5月8日以降の5類引き下げ開始に向けた指示を待って、「学校保健安全法施行規則」や「衛生管理マニュアル」を改訂する予定だと言っているだけです。
 子ども、保護者、教職員の命を預かる文科省の対応として、きわめて無責任と言う他ありません。

 大阪府・市および教育委員会は、大阪府・市独自で可能な施策を洗い出し、その内容の是非を保健・医療・福祉・教育の現場と市民に広く問う形で整理し、子どもたちと保護者、教職員からの具体的な声の代弁者として、対政府要求を強める必要があります。

 「5類移行」によって、児童・生徒または家庭内で陽性者が出ても、「濃厚接触者」の特定も出席停止措置どころか行動制限もなくなります。無症状の感染者から他者への感染の可能性は格段に高くなります。
 児童・生徒は、濃厚接触となって感染の可能性があっても、「出席停止」措置は適用されず登校しなければなりません。感染不安で出席できない場合も欠席扱いです。給食喫食時の少人数分散など、感染防止のための特別の対応も難しくなります。
 教職員は、家庭内や学校で濃厚接触となったり、感染を疑う症状が出ても、コロナ陽性と判定されない限り出勤するか有給休暇を取得しなければならなくなります。無理な出席や出勤の結果、校内感染が広がり、学校が家庭・地域への感染拡大の元凶となる可能性も否定できません。

 この3年間、子どもたちは、学習面、生活面で追いつめられ、遅刻が増加し、不登校も増えています。これらに対する対応が求められます。まず、すべての児童・生徒が安心して生活し、学べる環境作りが最優先でなければなりません。

 しかし、2021年度の全国の公立学校教職員の精神疾患による病気休職者数は5897人にのぼり、過去最多を更新しています。文科省が昨年1月に公表した通り、全国の小・中学校の教員未配置は、21年度当初時点でも2086人にも達していました。
 臨時的任用教員が学級担任となる比率は小学校で11.49%、特別支援学校で23.69%に及んでいます。その数は年度中に拡大して臨時的任用職員の配置もできないまま、当該学級の児童生徒を他の学級に振り分けて統合するケースが全国各地で報告されています。
 教員不足は、コロナ感染や濃厚接触による療養による短期の休職によってさらに拍車がかかり、もはや学校の業務が回らなくなるほど深刻な状態となっています。そもそもの教員不足と長時間勤務、上意下達の競争主義教育推進のための膨大な業務が教職員を疲弊させ、コロナ禍がそれに追い打ちをかけました。

 こうした観点から、以下、要望いたします。要望事項についての貴職の対応および考え方について、早急に回答をいただけるようお願いいたします。

 【要望事項】

1 国に対し、5類への引き下げの中止または延期を要望すること。5類移行の場合も、感染者に対する無償の医療保障と療養支援、生業・生活支援について、2類相当の体制の継続を要望すること。

 国が5類への引き下げを行った場合でも、大阪府及び大阪府教育庁は、所管する府立学校園、市町村立小中学校及び私立学校での2類相当の措置を継続すること。

①当面、2類相当の措置として実施されてきた発熱・咳症状など感染を疑う症状がある場合、校内外・家庭で濃厚接触またはその疑いがある場合、感染への不安で出席できない場合も「地域の実情」等種々の条件をつけるのではなく「出席停止」の扱いを継続すること。学級閉鎖、学年閉鎖、学校閉鎖等の扱いも同様とすること。

②十分な感染対策を取りながら教育活動が行える条件を整えること。全教室への空気清浄機やサーキュレーター等換気装置の設置、給食等感染可能性が高まる活動を少人数で行うための条件整備、スクールサポートスタッフ等教職員業務や児童生徒の学習支援員を行える人員配置等を継続し拡充するための措置を講ずること。

③重症化リスクの高い生徒について、十分な対応が取れる条件を整えること。

3 国に対し、学校教育活動では「マスクの着用を求めないことを基本とする」との文科省通知の撤回を要望すること。学校と子どもを利用した「5類移行」に向かう世論誘導に抗議すること。マスクの着脱を含む「5類相当への引き下げ」に関わる学校園での感染防止対策を変更するのであれば、その科学的根拠を子どもたちに分かる形で説明すること。マスクを外す圧力等によって強制や差別的な事象が起こらないよう細心の注意と対策を行うこと。

 8波にわたるコロナ禍で顕在化した教育行政と学校における問題点を総点検し、学校及び児童生徒及び教職員と保護者からの要望を集約し、その内容に基づいて必要とされる教育条件整備のための総合的な施策を立案すること。必要な法整備と予算確保は国への要求を強め、少なくとも以下の緊急を要する施策については、府立学校園で独自に実施し、小中学校及び私立学校で実施できるよう対策を行うこと。

①少人数学級推進と教員定数改善のテンポを早めること。感染拡大が起こった場合でも、すべての学校で少人数指導が可能となる30人以下学級を進めること。緊急時の感染対策と少人数指導を無理なく実施するための加配教職員の追加配置を行うこと。

②必要なスクールサポートスタッフや学習支援員の配置拡充に加え、すべての学校へのスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置を大規模に拡大すること。

③学校で感染者が発生した場合には、必要な児童生徒と教職員へのPCR検査が無料で直ちに行える措置をとること。

④「5類引き下げ」の場合も、多くの子どもたちとの接触を避けられない教職員の職務特性に鑑みて、濃厚接触や感染疑いの場合の勤怠の扱いを特別休暇とすること。時差出勤やリモートワーク等の措置を引き続き認めること。

⑤感染対策に必要な物品が各学校園に遅滞なく配布される体制を恒常的に維持すること。

 国に対し、今後も感染拡大が起こった場合、保護者への休業補償や子どもたちの居場所を保障する体制の確立を要求すること。

①国の施策が遅延・不足しても、保護者が安心して休業できる体制を独自に整備すること。また、困窮する家庭へ経済援助、食料援助など緊急支援策の拡充を行うこと。

②生活保護基準と連動した就学援助基準の切り下げることなく、就学援助対象者の拡充をはかること。また、コロナ禍による一時的な収入減少家庭に対する就学支援策を具体化すること。受給可能世帯には積極的なアウトリーチを行い申請の促進をはかること。

③小中学校における給食費の完全無償化制度が全市町村において恒常的に実施できるよう国への働きかけを強化すること。

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2023年3月29日

大阪市長 松井一郎様
大阪市教育長 多田勝哉様

◆ 教育・教育現場に関わる新型コロナ感染症についての要望書

子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会

 (前文は大阪府への内容と同じ)

 【要望事項】

1 国に対し、5類への引き下げの中止または延期を要望すること。5類移行の場合も、感染者に対する無償の医療保障と療養支援、生業・生活支援について、2類相当の体制の継続を要望すること。

2 国が5類への引き下げを行った場合でも、大阪市・大阪市教育委員会は学校現場で2類相当の措置を継続すること。

①当面、2類相当の措置として実施されてきた発熱・咳症状など感染を疑う症状がある場合、校内外・家庭で濃厚接触またはその疑いがある場合、感染への不安で出席できない場合も「地域の実情」等種々の条件をつけるのではなく「出席停止」の扱いを継続すること。学級閉鎖、学年閉鎖、学校閉鎖等の扱いも同様とすること。

②十分な感染対策を取りながら教育活動が行える条件を整えること。全教室への空気清浄機やサーキュレーター等換気装置の設置、給食等感染可能性が高まる活動を少人数で行うための条件整備、スクールサポートスタッフ等教職員業務や児童生徒の学習支援員を行える人員配置等を継続し拡充すること。

③重症化リスクの高い生徒について、十分な対応が取れる条件を整えること。

3 国に対し、学校教育活動では「マスクの着用を求めないことを基本とする」との文科省通知の撤回を要望すること。学校と子どもを利用した「5類移行」に向かう世論誘導に抗議すること。マスクの着脱を含む「5類相当への引き下げ」に関わる学校園での感染防止対策を変更するのであれば、その科学的根拠を子どもたちに分かる形で説明すること。マスクを外す圧力等によって強制や差別的な事象が起こらないよう細心の注意と対策を行うこと。

4 8波にわたるコロナ禍で顕在化した教育行政と学校における問題点を総点検し、学校及び児童生徒及び教職員と保護者からの要望を集約し、その内容に基づいて必要とされる教育条件整備のための総合的な施策を立案すること。必要な法整備と予算確保は国への要求を強め、緊急を要する施策については独自に実施すること。

①少人数学級推進と教員定数改善のテンポを早めること。感染拡大が起こった場合でも、すべての学校で少人数指導が可能となる30人以下学級を進めること。緊急時の感染対策と少人数指導を無理なく実施するための加配教職員の追加配置を行うこと。

②必要なスクールサポートスタッフや学習支援員の配置拡充に加え、すべての学校へのスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置を大規模に拡大すること。

③学校で感染者が発生した場合には、必要な児童生徒と教職員へのPCR検査が無料で直ちに行える措置をとること。

④「5類引き下げ」の場合も、多くの子どもたちとの接触を避けられない教職員の職務特性に鑑みて、濃厚接触や感染疑いの場合の勤怠の扱いを特別休暇とすること。時差出勤やリモートワーク等の措置を引き続き認めること。

⑤感染対策に必要な物品が各学校園に遅滞なく配布される体制を恒常的に維持すること。

5 国に対し、今後も感染拡大が起こった場合、保護者への休業補償や子どもたちの居場所を保障する体制の確立を要求すること。

①国の施策が遅延・不足しても、保護者が安心して休業できる体制を独自に整備すること。また、困窮する家庭へ経済援助、食料援助など緊急支援策の拡充を行うこと。

②生活保護基準と連動した就学援助基準の切り下げを見直し、就学援助対象者の拡充をはかること。また、コロナ禍による一時的な収入減少家庭に対する就学支援策を具体化すること。受給可能世帯には積極的なアウトリーチを行い申請の促進をはかること。

③給食費の完全無償化制度を恒常的な制度として確立すること。

『子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会ブログ』(2023年3月30日)
http://eduosk.cocolog-nifty.com/blog/2023/03/post-be588f.html

 


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