日々雑記

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日本の残業は「過労死ライン」を超えている。これ以上増やしてはならない。

2016-06-28 11:15:59 | 政治

医者をやっているとびっくりするようなことに出会うことがあります。

なかでも勤務時間の問題はすごい。生活時間を尋ねると夜は10時過ぎに帰る人はざらだし深夜になる人も少なくありません。それでも朝の出勤時間が遅いわけではありません。医者としては大丈夫かとハラハラしてしまいます。実を言うと、こういう人は実際に病院に来ることはまれです。来ても1、2回で来なくなります。このような生活では通院すること自体無理なのです。

 

そんなことを考えている折も折、国会の様子が伝わってきました。日本の代表的企業が労使協定で結んでいる残業上限協定の問題です。厚労省が定める過労死ラインが月間80時間であることを頭において次のデータを見るとすごいことがわかります。

 

共産党の調査(2014-15年)によると、月間残業時間の上限を150時間にしている会社がNTT東日本、三菱化学、135時間が王子製紙、133時間が日立製作所、ウシオ電機、東芝、120時間が丸紅、JXエネルギー、武田薬品、リクルートキャリア、100時間が東レ、三菱商事、伊藤忠、90時間がJR東日本、日本郵船、アサヒビール、三菱地所、80時間が三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、三菱重工業、新日鉄住金、トヨタ自動車、ローソン、LIXIL、日本生命、ANA,経営共創基盤、日産自動車などとなっています。日本の名だたる会社が過労死ラインを超えた協定を結んでいます。とんでもないことです。

国会でこの数字が出た時に安倍首相は「実際に80時間を超えることは少ない」と企業を弁護しました。しかし問題は「超えることは少ない」ことが問題ではなく、過労死ラインの80時間は「絶対に越えてはならない」のです。過労死を避けようと思えば150時間などという上限は無意味なのです。そのような上限協定が存在すること自体に問題があります。

 

そればかりか安倍内閣は選挙後の国会で「残業代ゼロ法案」を準備しているということです。もしこの法案が制定されれば「残業時間」という概念自体がなくなります。そうして日本中が総ブラック社会になるでしょう。

このようなとんでもない国になるのを避けるためにも参議院選挙で自民党を少数に追い落とすことが必要でしょう。

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