日々雑記

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トリインフルエンザのことーー基礎的なこと

2013-04-05 14:00:09 | 日記

 

 

最近また鳥インフルエンザが話題になっています。中国で数人の死者が出たせいです。それで少し調べてみました。

インフルエンザの話は難しいですね。H*N*と言われると何の事かと思ってしまいます。それにA型、B型という分類もあります。

少し整理しましょう。人間に感染するインフルエンザはA,B,Cの三つの型があります。しかしC型は小児期にかかることがありますが、普通に言われるインフルエンザとは少し違います。それで普通はA型とB型の二つの型があると考えてよいでしょう。

A型は遺伝子がよく変化します。このため一度A型にかかっても免疫が長く続きません。遺伝子が大きく変わると免疫を持っている人がほとんでいないので、大流行になってしまいます。これに対し、B型のほうは遺伝子が大きく変わることはないので、一度かかると免疫が長く続きます。

A型の遺伝子の違いを表すのがH*N*という記号です。Hは1から16まで、Nには1から9まであります。1977―1978年に流行した「Aソ連型」はH1N1です。1918-1919年のスペイン風邪もH1N1です。「A香港型」はH3N2です。ヒトが感染するウイルスとしてはH1N1、H3N2のほかにH1N2、H2N2が知られています。

「H」とか「N」とかいう記号の由来について少し触れておきましょう。どちらもウイルスの表面にあるたんぱく質の名前で「ヘマグルチニン」、「ノイラミニダーゼ」を省略したものです。どちらのたんぱく質もウイルスが咽喉の細胞にくっつくときに大事な役目を果たします。「ノイラミニダーゼ」の方は細胞の中で増えたウイルスが放出され他の細胞に散ってゆく時にも、大事な役目を持っています。ややこしい話はこれ位にして、「H」や「N」という記号にも意味があるということだけを分かってください。

トリインフルエンザではHが1~16、Nが1~9のすべての組み合わせがあります。細胞の性質とウイルスの構造には相性があり、通常はトリインフルエンザのウイルスがヒトに感染することはありません。しかし遺伝的な変異を起こすと、ヒトに感染するようになります。
またブタはトリインフルエンザにもヒトのインフルエンザにも感染するので、豚の体内で、トリのウイルスがヒトに感染するウイルスに変化することがあります。ヒトのインフルエンザウイルスはもともとトリインフルエンザウイルスから変化してきたものだと考えられています。
トリインフルエンザにはもう一つ大事な性質があります。トリではインフルエンザは呼吸器ではなく、腸の病気なのです。だから感染したトリのふんはウイルスを沢山持っています。

今回中国で発生したトリインフルエンザ、H7N9、ヒトに感染して死者も出ています。しかし、中国の発表によるとヒトに感染しやすい性質を獲得してはいないようです。トリと濃厚な接触をして、大量のウイルスを取り込んだ人が感染したのではないかと言われています。じじつ発表された限りではそのような職業の人たちが感染しているようです。
一安心というところでしょうか。 


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