立春をむかえ 三寒四温。といっても2月はまだまだ寒い季節です。数日前は暖かで 梅の花がほころびはじめたかと思うと 昨日、今日は風も冷たくてブルブル。。。でも庭の木々も芽吹きはじめ、ミツマタや沈丁花の蕾も日ごとに膨らんで もういくら寒くても「余寒」というのだそう。
♪谷の鶯歌は思えど 時にあらずと 声も立てず 時にあらずと 声も立てず~♪
こんな日はあたたかなお雑煮が食べたくなります。お正月からもう一ヶ月もたってしまったけれど、節分で黒豆茶を飲んで、お餅が恋しくなったなぁ。。。なんて思っていたら、近所のお店で美味しそうな 京野菜のこぶりの海老芋(静岡 磐田産)と 庄内産の丸餅を見つけました。思わずカブと人参、椎茸、絹さや、菜の花も買って 西京味噌で白味噌仕立てのお雑煮を作りました♪
お正月の我が家のお雑煮はおすましなのですが、ここ数日、村瀬明道尼さんの「ほんまもんでいきなはれ」と「ある小さな禅寺の心満ちる料理のはなし」という二冊の本を読み返していたせいか、「海老芋」をグッドタイミングに発見したとたん やっぱり今日は京風に西京味噌!と決めました♪
海老芋はきれいに洗って先を少し落とし厚めに皮を6面にむ き水にさらしたあと 米のとぎ汁で柔らかくなるまで15分ほど炊き、形がくずれないように洗って水にさらして冷まします。そのまま冷ましたものをお雑煮に。残り半分のお芋は お雑煮のだしに使った昆布と椎茸の切り落としたところとい石づきの柔らかいところも刻んで 椎茸昆布の佃煮を作る過程を利用して煮つめる前に冷ました海老芋をさっと煮て味をふくませて煮汁につけておきます。(お芋を取り出した後、椎茸昆布はそのまま煮詰めて佃煮にすると材料が無駄になりません)
だし汁に塩少々とみりん、酒を入れて人参とカブを煮ます。煮立ったところへ絹さやをさっと色よく茹で、とりだし 人参も柔らかくなったら形が崩れないように取り出しておきます。椎茸は普段は干し椎茸を使いますが 今回は生椎茸にして 油揚げや丸餅と一緒に網焼きにして焦げ目をつけて香りを楽しむようにしました。それぞれの材料ができたら カブだけ入ったままのだし汁に西京味噌を濃いめに溶き入れて味を整え、お椀にお餅と野菜を入れておつゆをかけ 仕上げに柚子とからしをのせてできあがり♪ 私はおすましの時はネギをいれますが 白味噌仕立ての時は使いません。
お雑煮を作りながら 椎茸昆布で炊き上げ冷まして味がしみたお芋をもう一度あつあつにしてとりだし 熱い間に片栗粉をつけよくはたいてから油でさっと揚げ出し、アツアツのままいただきます。
菜の花もさっとゆでて からしと白ごま、薄口醤油少々で和えて添えます。おつけものはしば漬けとべったら漬け♪市販の黒胡麻豆腐も添えて♪
今回はアソビゴコロがふたつ♪ ひとつは生椎茸を焼いたことと もうひとつはお雑煮だけでは食べきれない海老芋を お雑煮で使った椎茸と昆布の佃煮を作りながら一緒に煮て なんと!胡麻油で揚げたことです♪ 胡麻油といっても関根の胡麻油は 胡麻油とは思えないほどさっぱりしているのに香りもよくお気に入りの胡麻油なのです。 また、お雑煮のお野菜が余ってしまっても それぞれ炊いたり焼いたりしてあるので 小皿に盛れば ちょっとした炊き合わせのおばんざい風になります♪
★柚子は必要なたびに毎回購入しても大変ですし、一度に使いきることもできず、使いかけをそのまま保存してもダメになってしまうので よく洗って皮を適度にそぎ落とし 保存容器に入れて冷凍にしておき、使うときに調理用のハサミで切って使うと香りも損なわず重宝します。おろして薬味に使うショウガもいたみやすいので 皮をむいて適当な大きさに切って保存容器に入れて冷凍にしておき、湯豆腐やショウガ焼きなどに使う時にそのまますりおろすと、無駄にしてしまうことがなくて経済的です。もちろんどちらもフレッシュなままなのが一番ですが。。。
♪春と聞かねば知らでありしを 聞けば急かるる胸の思いを
いかにせよとこの頃か いかにせよとこの頃か~♪
柔らかな食感で優しい色や、繊細な香りの春野菜の季節ももうすぐ。八百屋さんに行くのが楽しみになります。、村瀬明道尼さんは 春の野菜はまさに春の息吹、息をしている子どもを食べ始めるようなもの。そこに喜びがあるのではないでしょうか。と書いておられ、本を読むと旬の野菜のうたが聞こえ 大切に扱い、お料理も「君がため」のこころで愛情をこめて作らなければと思うのです★
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