日野市神明 kei's ピアノ教室 ブログ【エンジョイピアノ♪】

小さなお子さんは音楽で遊び耳を育てることから。アンサンブルで音楽がもっと好きに。ピアノが一生の友になるようお手伝いします

梨木香歩「裏庭」

2008年10月02日 | レビュー(書籍)
梨木香歩さんの「裏庭」を読み終えた。

表面的に読めば、冒険物語としてとても楽しく読め、ひとたび深く読めば、びっくりする程深い内容が含まれていて圧倒されてしまった!!極上のファンタジー作品ってこういうのを言うのかなぁ。この深さや面白さを何て表現すればいいんだろう。

河合隼雄さんは著書で「全ての少女は”庭”を持っている」とおっしゃている。ここでの”庭”は少女の内なる庭、つまり内なる心だとか内界の世界という意味だろうと思う。

その上で、この作品を見てみると、主人公は思春期の少女、洋館の不思議な裏庭とくれば、もう秘密のにおいがプンプンなのだ。

実際は、作品全体で人の死を大きなテーマに扱っているのだけれど、近親者の死をどう受け止めるのか、死を通じて生をどう見つめるのか、現代人が死をどう扱っているかという事もあるし、母娘との関係性、人との関係性、自分の内界への旅といった事が「裏庭」を舞台に多層的に表現されている。

このような作品を書いた作者梨木香歩さんにとても興味がわいた。イギリス留学経験があると知り、とても納得。だからこそ、日本を舞台としながらもまるで外国を舞台としているかのような物語に仕上げる事ができたのかなぁとも思う。

ちなみにこの作品、1995年第一回児童文学ファンタジー大賞受賞作。


梨木 香歩
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