日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(283)「コンニャクは太らない。」の「対偶」の「述語論理」。

2019-06-30 15:35:25 | コンニャクは太らない。

(01)
① コンニャク太らない。
② ∀x{蒟蒻x→∃y(人間y&食yx&~太y)}。
③ すべてのxについて、xが蒟蒻であるならば、あるyは人間であり、yはxを食べ、yは太らない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(02)
(ⅰ)
1   (1)∀x{蒟蒻x→ ∃y(人間y&食yx&~太y)} A
1   (2)   蒟蒻a→ ∃y(人間y&食ya&~太y)  1UE
 3  (3)       ~∃y(人間y&食ya&~太y)  A
13  (4)  ~蒟蒻a                   23MTT
1   (5)  ~∃y(人間y&食ya&~太y)→~蒟蒻a  34CP
  6 (6)   ∃y(人間y&食ya→ 太y)       A
   7(7)      人間b&食ba→ 太b        A
   7(8)    ~(人間b&食ba)∨太b        7含意の定義
   7(9)    ~人間b∨~食ba ∨太b        8ド・モルガンの法則
   7(ア)    ~(人間b&食ba&~太b)       9ド・モルガンの法則
  6 (イ)    ~(人間b&食ba&~太b)       67アEE
  6 (ウ)  ∀y~(人間y&食ya&~太y)       イUI
  6 (エ)  ~∃y(人間y&食ya&~太y)       ウ量化子の関係
1 6 (オ)                   ~蒟蒻a  5エMPP
1   (カ)   ∃y(人間y&食ya→ 太y)→~蒟蒻a  6オCP
1   (キ)∀x{∃y(人間y&食yx→ 太y)→~蒟蒻x} 1UI
(ⅱ)
1   (1)∀x{∃y(人間y&食yx→ 太y)→~蒟蒻x} A
1   (2)   ∃y(人間y&食ya→ 太y)→~蒟蒻a  1UE
 3  (3)                    蒟蒻a  A
 3  (4)                  ~~蒟蒻a  3DN
13  (5)  ~∃y(人間y&食ya→ 太y)       23MPP
13  (6)  ∀y~(人間y&食ya→ 太y)       5量化子の関係
13  (7)    ~(人間b&食ba→ 太b)       6UE
13  (8)  ~[~(人間b&食ba)∨太b]       7含意の定義
13  (9)   ~~(人間b&食ba)&~太b       8ド・モルガンの法則
13  (ア)     (人間b&食ba)&~太b       9DN
13  (イ)      人間b&食ba &~太b       ア結合法則
13  (ウ)   ∃y(人間y&食ya &~太b)      イEI
1   (エ)   蒟蒻a→∃y(人間y&食ya &~太y)  3ウCP
1   (オ)∀x{蒟蒻x→∃y(人間y&食yx &~太y)} エUI
従って、
(02)により、
(03)
① ∀x{蒟蒻x→∃y(人間y&食yx&~太y)}
② ∀x{∃y(人間y&食yx→太y)→~蒟蒻x}
に於いて、両者は「対偶」であって、それ故、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
① すべてのxについて、xが蒟蒻であるならば、あるyは人間であって、yはxを食べ、yは太らない
② すべてのxについて、あるyは人間であり、yがxを食べたとして、yが太るのであれば、xは蒟蒻ではない
に於いて、両者は「対偶」であって、それ故、
①=② である。
従って、
(04)により、
(05)
① コンニャクは、それを食べても、人間は太らない。
② それを食べた人間が、太るのであれば、コンニャクではない。
に於いて、両者は「対偶」であって、それ故、
①=② である。
従って、
(05)により、
(06)
① コンニャクは              太らない。
といふ「日本語」は、
① コンニャクは(、それを食べても、人間は)太らない。
といふ、「意味」である。
(07)
② コンニャク(に限って、それを食べても、人間は)太らない。
であれば、
② コンニャク太らない。
であって、「述語論理式」は、
② ∀x{蒟蒻x→∃y(人間y&食yx&~太y)&∃y(人間y&食yx&~太y)→蒟蒻x}
である。
(08)
③ コンニャク(に限らず、それを食べても、人間は)太らない。
であれば、
③ コンニャク太らない。
であって、「述語論理式」は、
③ ∀x{蒟蒻x→∃y(人間y&食yx&~太y)&~[∃y(人間y&食yx&~太y)→蒟蒻x]}
である。
従って、
(01)(07)(08)により、
(09)
① コンニャク太らない。
② コンニャク太らない。
③ コンニャク太らない。
の「論理式」は、順番に、
① ∀x{蒟蒻x→∃y(人間y&食yx&~太y)}
② ∀x{蒟蒻x→∃y(人間y&食yx&~太y)&  ∃y(人間y&食yx&~太y)→蒟蒻x}
③ ∀x{蒟蒻x→∃y(人間y&食yx&~太y)&~[∃y(人間y&食yx&~太y)→蒟蒻x]}
である。


(282)「象は鼻が長い。」の「鼻が」は「補語」ではない。

2019-06-30 11:27:32 | 「は」と「が」

(01)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念館、私理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(01)により、
(02)
① 私理事長です。
理事長は、私です。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
②「」は「1人しかゐない」。
従って、
(03)により、
(04)
② 理事長は、私(1人)です。
と言ふのであれば、
③ 私以外は理事長ではない
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① 私理事長です。
理事長は、私です。
③ 私以外は理事長ではない
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(06)
① 私理事長です。
と言ふのであれば、
② 私理事長である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① 私理事長です。
② 理事長は、私です。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(01)(07)により、
(08)
① タゴール記念館は、私理事長です。
② タゴール記念館は、私は理事長であり、私以外は理事長ではない
に於いて、
①=② である。
然るに、
(09)
① タゴール記念館は、私理事長です。
② タゴール記念館は、私は理事長であり、私以外は理事長ではない
に於いて、
 タゴール記念館=象
       私=鼻
     理事長=長い
といふ「代入(replacement)」を行ふと、
① 象は、鼻長いです。
② 象は、鼻は長いであり、鼻以外は長いではない
従って、
(08)(09)により、
(10)
① 象は、鼻長い。
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)~(10)により、
(11)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
といふ風に、「言ひ換へ」ることが、出来る。
といふことを、認めるのであれば、
① 象は、鼻長い。
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない
に於いて、
①=② である。
といふことを、認めざるを得ない
従って、
(11)により、
(12)
三上章先生は、
① 象は、鼻長い。
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない
に於いて、
①=② である。
といふことを、認めざるを得ない
然るに、
(13)
学校文法は単純な英語文法からの輸入で、主語・述語関係を単純に当てはめたものだ。そのため、「象は、鼻が長い」という単純な文でさえ、どれが主語だか指摘できず、複数主語だとか、主語の入れ子だとか、奇矯な技を使う。これに対して三上は、日本語には主語はない、とする。「象」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する(この場合は「長い」までをスコープとする)。また、「鼻が」は主格の補語にすぎなく、数ある補語と同じ格であるとする。基本文は述語である「長い」だけだ(三上文法! : wrong, rogue and log)。
従って、
(14)
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
といふ「文」は、
(ⅰ)象
(ⅱ)鼻
(ⅲ)鼻以外
といふ、「3つ主題」を、含んでゐる。
然るに、
(15)
1つの文」に、「3つ主題」が有る。といふことは、おそらくは、ヲカシイ
然るに、
(16)
③ バラは棘が鋭い≒Rosae(属格)spina(主格)acuta(主格)est(動詞・三人称単数).
であれば、
③ spina(主格) は、
③ acuta(主格) の「主語」であって、
③ acuta(主格)  は、
③ spina(主格) の「補語」である。
従って、
(17)
① 象は、鼻が長い。
であれば、
①    鼻が(主格) は、
①       長い(主格) の「主語」であり、
①    長い(主格) は、
①       鼻が(主格) の「補語」である。
従って、
(13)(17)により
(18)
① 象は、鼻長い。
に於ける、
①「鼻」は主格の「補語」にすぎなく、
ではなく、
①「鼻」は主格の「主語」である。
と、すべきである。