音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

「認知レジリエンス」研究

2023-12-18 08:09:51 | 研究関連
3年前の2000年度に認知症研究の学びをさせていただいた研究室より
今年度の修士論文に関するアンケートのご依頼をいただきました

私自身も修士論文時に本論前の予備アンケートを実施した時、ある程度の
人数確保のために見知らぬ人や集団へ声かけをしてお願いしてきました。
まだネット利用も無い頃でしたので直接会う機会から始まりましたが、現代の
研究アンケートはQRコードの連絡をすれば、スマホやパソコンで返送が可能です。
勿論、研究依頼に関する書類と説明文書は丁寧に添付されていますが、
研究環境の変化は凄いです。

高齢者の認知レジリエンスに関する研究内容です。
以下、レジリエンスに関して分かり易く記されていますのでご紹介します。

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「レジリエンスとは?意味と効果、高めるために欠かせない6つの要素を紹介」
2023.02.28更新日

アチーブメントHRソリューションズ
https://achievement-hrs.co.jp/ritori/resilience/

レジリエンス(resilience)とは、「回復力」や「弾力性(しなやかさ)」を意味する英単語です。
レジリエンスが高い人を「レジリエントな人」と呼びますが、そのような人物は困難な問題や
危機的な状況に直面してもすぐに立ち直り、適応していくことができます。
「レジリエンス」とは元々、工学や物理学の世界で使われていた言葉です。
物質や物体に対して外力が加わると変形します。そのときにどれくらいその力を
吸収できるか、また、どれくらいその力を取り除いて元の形に戻ろうとすることができるか、
この一連のやり取りに関係するのが物質や物体の持つ「レジリエンス」です。
レジリエンスはその後、自然や動物の生態環境学や、人間の社会環境システム、
そして心理学でも使われる言葉となりました。・・いずれの分野においてもレジリエンスは、
変形から元の形に戻ろうとする「弾力性」、変化や変動に対する反応としての「復元力」や
「回復力」という意味で使われています。
今回テーマとする心理的レジリエンス(psychological resilience)には、実のところ
一貫した定義がありません。アメリカのシンクタンクであるランド研究所によると、
レジリエンスの定義は122個あるとも言われています。ですが、その中でも最も広く
使われている定義では、「逆境に対する反応としての精神的回復力や自然的治癒力」
「ストレスや逆境にさらされても適応し、自分の目標を達成するために再起する力」と
表現されています。

・・・ハーバード大学医学部によって1938年から続けている
「発達に関するハーバード研究(通称「グラント研究」)」です。
グラント研究で対象となったハーバード大学の学生達の中から、その後の人生において、
心身共に健全な状態で長生きした者、仕事で成功を収めた者など特定していったところ、
健常者や成功者には、いずれも高いレジリエンスが確認されました。
この研究をきっかけに、以前のようにネガティブな出来事の影響を研究するのではなく、
レジリエンスがもたらすポジティブな影響やレジリエンスを高める方法へと研究内容が
シフトして行きました。

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「認知機能を良好に保つ“認知レジリエンス”とは」

2023.06.13更新日
https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/interview/51459

東京慈恵会医科大学附属第三病院 精神神経科教授
布村明彦 先生
ドクターズコラム69

・・認知レジリエンスが高いと、認知機能が保たれる
 「レジリエンス」は、一般的に「復元力、回復力」などと訳されます。
もともとは物理学分野の用語で、外力(外から加えられた力)によって歪みが生じた際に、
その外力に抗って元に戻ろうとする力を意味します。
近年では、心理学の分野で「困難に直面した際にそれを跳ね返す力」の意味や、
「いったん発病した状態から回復する過程」の意味で使用されています。
この魅力的な用語は認知神経科学にも取り込まれ、脳病理が存在しても認知機能を
良好に保たせるメカニズムを「認知レジリエンス(cognitive resilience)」と呼びます。
つまり、脳病理のレベルがあるレベルに達したとき、認知レジリエンスが低い人は認知症に
なってしまうけれども、認知レジリエンスが高い人の認知機能は保たれる、というわけです。
 「認知予備能」、「脳予備能」、「脳維持能」など、認知レジリエンスと類似の学術用語が
いくつか挙げられます。
これらの概念の確立を国際的にリードしている、米国コロンビア大学のスターン教授らは、
2023年の最新の論文において、これら類似の概念を包括する用語として
認知レジリエンスを提案する、と述べています。・・

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<図書紹介>
 『レジリエンス ーこころの回復とは何か』
 セルジュ・ティスロン著 阿部又一郎訳 白水社.2016

尚、『「認知レジリエンス」に関する研究アンケート』に関する依頼は、認知症高齢者を含む
高齢者医療に関する多職種協働の経験者(医師、看護師、薬剤師、リハビリ療法士、
臨床心理士、ソーシャルワーカー、介護支援専門員など)の方々を対象に年内まで
実施されており、お知り合いの該当者の皆様に依頼メールを転送することも
可能になっています。アンケートの中の職業として音楽療法士も入っています。

もし、アンケートにご協力していただける方は、
件名に「アンケート」と記して、PCアドレス[onen@iris.eonet.ne.jp]へご所属とご氏名を
教えていただけましたら、アンケートの転送をさせていただきます。
アンケートは無記名式であり、個人を特定する情報の収集及び、
個人を色別できる情報が漏洩することはありません。
所要時間は15~20分を想定されています。

ご協力いただけましたら幸いです
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