音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

「あそび」の本

2024-01-21 06:49:55 | ひとりごと
今日は一冊の本をご紹介します。
読んでいて気付かされること、思わず笑ってしまうこと、これからのこと・・・。

『あそびの生まれる時』 ~「お客様」時代の地域活動コーディネーション~
著者:西川正 発行:ころから 発行日:2023年3月1日 価格:2000円+税
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〇はじめに
私たちはいま、結果のみを重視する社会に生きている。
最短で結果を出すことを求められ、自分たちなりの模索=失敗が許容されなくなった。
みんなでわいわいと嗜好錯誤する時間を持つことが難しくなった。
しかし、結果に至る苦労と工夫こそが「遊ぶ」ということなのだ。

遊ぶ、すなわち「何かをしてみよう」と思えること、人の気持があたたまっていくには
何が必要なのか、どんな環境を用意すればいいのか。
私自身のささやかな経験と、全国各地で展開されている実践をもとに考察した。

〇スマホ相談会
住んでいる団地の自治会の文化祭の企画で『中学生によるスマホ相談会』を開催した。
相談者は団地の高齢者。「相談員」は地元の中学生たち。・・・
開始時刻前からスマホや携帯を手にした70代、80代の人々が次々に集まった。

出会ったばかりの相談員と相談者が頭をくっつけんばかりにスマホの画面をのぞいている。
・・・あたたかい風景だった。
スマホへの買い替えを勧められ買ったが、・・・使えない高齢者。
「毎日スマホばかりいじって」と怒られているであろう彼・彼女らに
力を貸してもらえないか、と地元の中学校を通じて中学相談員を募集した。

嗜好錯誤しながら対応するのがすごく楽しかった。
思っていたより100倍ボランティアは楽しかった。
「ケア」の本質は「聴くこと」「そばにいること」だ。

〇もちより音楽cafe
公民館の会場をあけると、正面には本格的なスピーカー、レコードプレーヤーと
音楽用のアンプを備えた「DJブース」があり、高齢者が自分のとっておきのレコードや
CDを持ち寄り、「私の一曲」を紹介する。そしてみんなで耳を傾ける
「公民館の予算は減る一方。でもお金がないからこそできることもあるかなと。
高いお金を出して、有名人に来てもらうという発想は、本来の社会教育じゃないですよね」
と公民館の館長。

〇中学校の赤ちゃん
中学校で定期的に子育て広場を開いているグループがある。
休み時間のチャイムと同時に、制服姿の生徒たちが次々にやって来た。
手を消毒すると、早速そばにいた赤ちゃんに笑いかけ、
手を広げて、「おいで~」と声をかけ、優しく抱き上げている。
中学生と赤ちゃんとの、かけひきなしのまっすぐな心のやり取りに、
毎回心が“浄化”されます。

〇大人の悩み相談室
この人生相談、【相談】は保護者と先生から、(回答)は中学生。
大人の悩みに中学生が答えるもの。
【相談1】夫が地下アイドルにはまってしまっています。どうしたらいいでしょうか
(回答①)夫さんがオフ会から帰ってきた時に、玄関でコスプレをしてお出迎えをしたら
     どうでしょう!
(回答②)アイドルを一度好きになるとやめられないものです。・・・
     だんなさんの気持がよくわかります。誰かを好きになってみては。

【相談2】息子からババアと言われてショックをうけています。
     どうしてそんなことを言うんでしょうか
(回答①)ただの反抗期だと思います。そのうちなおると思うので、ネチネチ小言を
     いわないように。ほっといてあげるといいと思います。
(回答②)ババア=本当はすきだけどっていう意味なんです!
 
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かって音楽療法士の研修を受講していた時に、世代間交流として地域の高齢者と
幼稚園の子ども達との交流のひと時に参加したことを思い出しました。
コロナ禍で難しくなっていた様々な交流が復活していくことを願いながら・・


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