音楽療法のライブ日記

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認知症発症リスクを低減する音楽療法利用

2023-02-08 06:15:54 | 音楽療法実践
ヤフー・ジャパンのニュース(以下、*参照)において、
2017年(2020年に改訂)に英国ロンドン大学の教授らが世界五大医学雑誌のひとつである
「ランセット(The Lancet)」に掲載された12の認知症リスク因子を紹介しています。
①難聴 ②社会的孤立 ③抑うつ ④喫煙 ⑤大気汚染 ⑥高血圧 ⑦糖尿病
⑧肥満 ⑨運動不足 ⑩頭部外傷 ⑪過剰飲酒 ⑫教育歴(知的好奇心の低さ)

さらに、日本認知症予防学会の浦上克哉さんが、その発症リスクを低減させる「3つの習慣」の
実践とともに、人間らしさの根源である五感トレーニング術を指南されています。
「3つの習慣」とは、①運動 ②知的活動 ③コミュニケーション です。

上記の3つの習慣は、音楽療法の実践においても可能です。
<①運動>は、例えばラジオ体操などに音楽のテンポ、メロディの要素が入ります。
さらに、運動に入る腹式呼吸からストレッチ、口腔体操まで音楽を幅広く利用できます。

<②知的活動>は、脳活動としても利用できます。記憶に関わる音楽、クイズ形式として
楽しむ音楽、デュアルタスク(複数課題)ゲームの音楽、曲の交換歌唱、
音楽の歴史を知る、初めての楽器体験など新奇性のある活動も入ります。

<③コミュニケーション>は、音楽の得意分野といえます。言語ではなく、その時、
その空間に音楽が流れることで共有され、癒されたり、リズム活動によって仲間意識及び
社会性を共有することができます。

ただ、音楽療法を継続してきて思うことは、音楽療法士がいないと何も出来ないのではなく、
日常的な音楽利用としてご家族を始め、医療、看護、介護関係者、行政関係者の皆様に
柔軟に応用されることを願っています。個別性の高い大好きな音楽を聞くこともお薦めです。
音楽療法士には日常利用の方法をお伝えする役割もあると常々考えています。
職員さん始め関係者の誰かが少しでも楽器演奏出来るのであれば、多いに活動される
ことを望みます。ある施設へ伺った時に、看護師さんがハーモニカ演奏しながら、
軽運動から歌唱などの活動をされていました。素晴らしいことです。

気軽に日々の活動に利用できるヒントとして、以下の書籍をご紹介します。
実際に利用できるCDもついていますので、図書館で借りてお試しください。
『脳イキイキ音楽療法』.近藤真由.講談社.2016.

*参照
五大医学誌が発表「認知症発症リスクは40%低減できる」 
                   実現するために必要な「五感トレーニング術」とは
YAHOO JAPAN ニュース 1/28(土) 10:58配信
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