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Nosmoking/John Abercrombie & Andy LaVerne

2011-10-10 10:23:06 | 日記
私はジャンルを問わず、どんな楽曲に対しても自分のスタイルで、
ガチの勝負をしている人が好きだ。

したがってパット・メセニー、ジョン・スコフィールド、ジョン・アバークロンビー
らは心から尊敬している。

以前、Youtubeでジョンスコがどこかの楽器屋さんのデモでテレキャスターを手にして
ブルースを演奏しているのをみて、全身がシビレた。
それこそ、ブルースマン顔負けのガチ・ブルースだ。そしてそういう中でも
彼のテイストがしっかり表現されており、彼はブルース・ギタリストとしても
唯一無二のすごい人だと感心した。

また、ジョン・アバークロンビーのレコード、CDはかなり沢山持っていて、
別にコレクターというわけではないが、好きが高じて、アバクロ(洋服のブランド、
ジョン・アバークロンビーとは何の関係もない)のキャップ(帽子)を被って
一人悦に入っていたのだが、誰も気がついてくれなくてがっかりし、そのうち
どこかの銭湯に置き忘れてしまった(笑)。

パット・メセニーといえば、コンサートを観にいくくらいのいれようで、
レコード、CDともかなり沢山もっている。

そういうわけで今回紹介するのはこれ、


『Nosmoking/John Abercrombie & Andy LaVerne』

友人の堀江君から紹介してもらった。
タイトルのとおり、アバークロンビーとアンディー・ラバーンのDuoのアルバム。
アンディーはあまり日本で知られていないのかしら? よくは知らないが、
とてもハーモニーがきれいなピアニストだ。

アバークロンビーというとロック・テイストギンギンで凶暴に、直線的に
ギュィーンと弾きまくる印象、あるいは北欧のテイストでリリカルにそして
アトモスフェリックに繊細なサウンドの両極を巧みに表現にとりいれている
ギタリストという印象があるが、このアルバムでは「ジャズ」を演奏している
(一応、彼はジャズ・ギタリストのカテゴリーに入る人なのであたりまえといえば
あたりまえの話だが…)。
アンディー・ラバーンとのコラボは非常に多く、数枚のアルバムを出している。
そういう中でもこのアルバムは特にジャズっぽい。

ジャズのアドリブ演奏はいくつかのポールをタッチしながら、ゴールに向かう動きに
例えられるのだが、アバークロンビーの場合、そのタッチが実に巧妙である。

少々専門的だが、ジャズで一番重要なポールとされるII-V-I進行のポールをすっとばして、
次の代理コードのポールを狙いにいく(タッチする)ということをよくやる。
実に巧妙なので、我々がコピーしたフレーズを弾いていても、曲の流れを往々にして
見失ってしまうことがある。

ちなみにジョン・コルトレーンという人は、ロングトーンの扱いが非常に
巧みだった上に、超高速フレーズですべてのポールをタッチするという
驚異的な離れ業をいともたやすくやってのけるすごい人だった
(たとえばGiant Stepsはその典型)。

話をもとにもどすと、ギターという楽器はポジショニングである程度、
そのミュージシャンの意図を判断することができる楽器である。

実際の映像をみても、そのアーティキュレーションから推測してもアバークロンビー
は非常にホリゾンタルな動きをする(その対極にヴァーティカルがある)。

アバークロンビーのギターをきいていると、水面を自由に駆け回る「あめんぼう」
を想像する。まったくもって、ひどいたとえだけど(笑)。

ギタリストの演奏を聴くときは、そのポジショニングを想像しながら聴くと楽しい。
今はやりの3D体験を味わえるぞ!


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