裸のヤコブ

・・・ ・・・・

【S】 small axe

2006年09月26日 | small axe

 丹波哲郎氏が死後の世界へと旅立ったということを気にする人もいる。幼稚園児の散歩中に車が突っ込み、2名の幼い天使が空に舞い戻っていったことも大問題だ。そして安倍晋三政権。今日はちっぽけな斧が大木に立ち向かってみようと思います。(こんなカテゴリーなのにまじめな話ですよ)。お題は「教育」。





 安倍晋三氏の、政権公約の柱は教育改革。その改革の中で英国サッチャー政権の過激な学校作りを模倣しようかな…と考えているらしいのです。サッチャー政権時代の教育っていうのを簡単に書くと、学校の独自性を廃し(国が管理)、国の権力の元、学校を調査し、学校の評価を公表…というもので、その結果「基礎学力の低下」「教育機会格差の拡大」「退学者の続出」「彼らによる犯罪の増加」という結果をたどっていったらしいのです(いろいろなところに書いてありましたが、因果関係については調査中)。なんだか、今現在の“学校=子供たちの現状”とあまり変わらないように思えますよね。このような状況をイギリスの真似事で切り抜けられるとは到底思えないのです。イギリスではサッチャー時代の反省を元にブレア首相が社会保障費を削ってまで教育予算を3割増やし、「落ちこぼれを出さない教育」に力を注いでいるそうです。


それなのに!です。


 入閣が確実と思われる某政治家は、あるTV番組でこんなことをのたまっていました。

「公務員、特に教師の給料を大幅に削減すべきだ!」と。

 そこで終われば「何だと~!」と攻撃の対象になるのですが、そこが政治家!「削減した分を子供達のために使うようにしなければならない!」と逃げ口上をしっかりと用意していたのです。これを見たあまり真剣に子供達の将来を考えていない親達は「そうだそうだ!先生なんて給料泥棒なんだからその分をうちの子達に使ってよ!」などと思ったことでしょう。

こんなことで良いのでしょうか。

 私はこう考えるのです。真剣に子供たちのことを考えるなら、教育はとても大切だと。その教育を担うべき先生の給料を減らすと、なりたいと思う人が減っていき、結局、教師に“しか”なれなかった人が子供を教えるようになるのです。採用される教師全員が無能だといっているのではありませんが、そうなると当然全体的な質が落ちてくるのは目に見えています。現にバブル期には「バブル採用」と言われるようにあまり苦労せず教師になれた人が多いらしく、その結果がTVで騒がれている学校(教師)問題につながっているじゃないですか。

 北海道では何年も前の「食の祭典」の大赤字や、新幹線の建設のための赤字がかさみ、北海道職員(教師を含む)の給料が大幅に削減されているそうです。しかも一人年間100万円近く。

 こんなので良いのでしょうか。これが「日本を大切にする」政策なんでしょうか。金を目的にした人材が良いというのではなく、有能な人間を集めるためにはある程度優遇しても良いのではないか言いたいのです。教師に“しか”なれなかった人にではなく、どうしてもなりたかった人に子供たちを任せたいな、と。

 昔、ある有名小説家が書いた本(雑誌かな?)で読んだことがあります。ロックは「学校なんてくそ食らえって音楽」で、レゲエは「学校を作る音楽」だと。これはジャマイカのラスタマンが学校を自分達のお金で作って、できの良い先生を雇って子供たちに勉強を教えてもらっている、という事実を受けての発言だったと記憶しています。映画「ロッカーズ」の中でもホースマウスが「教育は大事だ」と言っていたじゃないですか!


 子供たちに光を与える。いや、子供たちに光の見つけ方を教えてあげることが教育ではないのですか?政治家の皆さん。



ONE LOVE





【R】 ジャマイカ以外のレゲエ~Silly Walks~

2006年09月22日 | REGGAE


 何を買うでもなくCD屋さんに行ったとき、なんだか気になって手にとってしまうCDがある。当然財布の中が寂しいときは「へ~」と思いつつもあきらめてしまい、次に行った時にそのCDが無かったとしてもあまり気にせず「いつか会えるべ~」と楽観的に考えてしまう。今までそんなことが何度もあった。でも、このCDに関しては「そうならなくて良かった~」と心の底から思えるほど、当たりCDでした。

  SILLY WALKS MOVEMENTというドイツのサウンドクルー(?)がPATRICEというルーツシンガーを迎え入れて作ったアルバムだそうです。SILLY WALKSというのはドイツで最も有名なサウンドのひとつで、ドイツレゲエ界の立役者的な存在というようなことをライナーに書いてありました。シンガーのPATRICEについてはまったく何者かわかりません。そんな何者かもわからない、情報の少ないCDですが、大好きです!特にPATRICEの声や歌い方が。調子の悪いホレス・アンディとキノを足して2で割る時にソーセージでかき混ぜたような、そんな歌声なんです。おそらく、本当はきれいな声(所々そうなっている部分アリ)なのに、レゲエマナーにそった歌い方を工夫して出しているのだと思うのですが…。アコースティックギターをバックに歌う1曲目Truly Majestic からそうとやられます。6曲目のEveryday Goodなんかは日本でも大人気になりそうな、あたたかいポジティブソングです。良いです!ルーツ好きな方はぜひ!


 こんなにはまったヨーロッパのレゲエは初めてです。ジャマイカの気温やなんともならない生活苦などを笑い飛ばすような匂いは薄いですが、日本のレゲエに比べると、いや比べられないほど重いです。これはREGGAEです。誰がなんと言おうと。


 ここであーだこーだ言うよりも、ぜひ聴いてみて欲しいです。ここで試聴できます。正体不明ということは問題ありません。我が家に続いてあなたの部屋でもでヘビーローテーション間違い無しでしょう。自分も他のアルバムを入手してやろうと計画中です。


 レゲエ好きな方でSILLY WALKSやPATRICEに詳しい方がいましたら教えてください。ジャマイカンなのかドイツ人なのかもわかりません…。



ONE LOVE



何だか、今日の文章はまとまりがありませんね。ごめんなさい。

【R】 お祭り音楽について

2006年09月21日 | REGGAE
 昨日、「レゲエのある生活」のkaneshilohさんからいただいたコメントにあった“お祭り音楽であって娯楽的要素が大きく大衆性が強い音楽”という部分を見て、ちょっと前に購入したあるCDを思い出しました。それがこれです。

◆Take me to Jamaica


1950年代に録音された「メント」を24曲集めたコンピレーションアルバムです。ここでちょびっと「メント」について書かせてもらいます。出展はちょっと前にここでも紹介した「カリブ海の音楽」という本です。


メント
 カリブの島々に奴隷として連れてこられた人々が、故郷であるアフリカの宗教や儀式を元に、ヨーロッパ(特にキリスト教)の影響を受けて発展させたものの中で、ジャマイカで今のレゲエに匹敵するほどポピュラーだった音楽、それが、メントである。カリプソと酷似しており、バンジョーやギターなどの弦楽器を用いた演奏であるが、中でも「ルンバBOX」と呼ばれる巨大親指ピアノがベースの代わりに低音部分を演奏するのが特徴である。その歌詞はユーモラスで猥雑なものが多かった。1950年代に入るとラジオの民営放送が始まり、新たな娯楽として急速に普及した。その反面、ラジオからは島内の放送のみならずマイアミやニューオーリンズの放送も受信できたことからR&Bやジャズといったアメリカ音楽が輸入され、メントやカリプソを演奏していたミュージシャンは徐々にそちらの音楽家へと変わっていき、スカの誕生へとつながっていった。

カリブ海の音楽P98、ジャマイカの音楽の前半を要約するとこんな感じです。



 文章だけ見ると実感が湧かないですが、音を耳にするとその音楽性をうかがい知ることができます。それは「過酷な労働条件のもと、唯一の娯楽としての音楽」であることや、「老若男女が演奏家が来るのを楽しみにしており、そのときは一番おめかしして現場に向かっていた」であろうこと、「演奏家もお客さんも楽しみ方を知っていた」であろうことなど。それらが音源からあふれ出てくるような音楽なのです。今の音楽に耳がなれてしまっている人にはスカスカで隙間だらけの音楽に聞こえるかもしれません。でもよく耳をすますと、その隙間からたくさんの笑い声が聞えてくるのです(実際に笑い声が録音されているということではありません)。

 自分は“ROOTSもの”が好きで、抑圧される側の人々が発する社会的であったりカルチャラルであったりする歌詞に影響されています。でもそうなればそうなるほど、しかめっ面をしながら、まじめな顔をしながら演奏してしまうことが多いのです。元をたどっていくとこんなにも笑顔があふれている音楽にたどり着くことを忘れがちなのです。

 笑顔の存在を忘れず(笑顔を振り撒くというのではありません)、メッセージを伝えること。いつかそんな歌が歌えるようになりたいものです。


ONE LOVE




レゲエのルーツということで「reggae」にカテゴリーさせてもらいました。

【あ】 穏やかな朝

2006年09月20日 | ある日の戯言


札幌ドームのちょい横の空


 窓が飛んでいきそうな夜の風が嘘のような、穏やかな朝。まったく被害がなかったことに感謝しながら目を覚ましました。この写真は通勤途中の車窓から。やや強い日差しが差し込み始め、薄い雲からぱらつく雨粒がキラキラと光りながら降っていました。楽園のような景色。BGMはJustin Hinds。2005年3月19日にこの空の向こうへ旅立ってからずいぶん経ちますが、この雲の隙間を上から覗き込む彼と目が合った気がして、ちょっと良い気分。



 各方面にご心配をおかけしましたが、何の事故もありませんでした。ありがとうございます。








 たまにはこんな文章だけってのもいいですよね。いつも字が多いし。



ONE LOVE


【R】 レゲエ・ムービー・コレクション ~レゲエ・イン・バビロン~

2006年09月19日 | REGGAE



 ずいぶんと時間がたってしまいましたが、レゲエ・ムービー・コレクション3作目、「レゲエ・イン・バビロン」です。はっきり言います。このシリーズを買うのならば絶対BOXセットで購入しましょう(BOXのみこのDVDがついてきます)。それくらいすばらしいDVDでした。簡単に言うと「イギリス版 ROOTS ROCK REGGAE」なのですが、はっきりいって英国レゲエに詳しくない私はかなりの衝撃でした。なぜならば…

 まず、第1に「アスワド」。この人たちについては初期の頃は“ウェイラーズ・マナーでかっこいい”という認識はあったのですが、ドラムの人が歌っているとは知りませんでした。しかも単純な8ビートを叩いているわけじゃなく、あのレゲエ・ドラム(ハイハッとが複雑)を叩きながらすばらしい歌声を披露しているのです。演奏全般でいうと荒削り…というか音源とは違ってまだまだへたっぴでしたが(若かったからでしょうか?)、いい匂いがしそうでした。

  
ASWAD 1st?    STEEL PULSE
           (何枚目ですか?これ)

 第2に、「スティール・パルス」がかっこいい!自分の生まれて初めてのレゲエ体験は「ボブマーリーのライブ」と「スティールパルスのファースト(タイトル忘れました)」だったのですが、あまりにも昔過ぎてここまでリアルなバンドだとは知りませんでした。顔の形はまったく違うのに、歌声がボブマーリーそっくり。デニムシャツを着込んでいるところを見ると、自覚あっての歌声なのでしょう。

 そして第3に、「レゲエが真実を語るがゆえに、ラジオ界から締め出されていた」ということ。やっぱりイギリスでもそうでした。妻曰く「レゲエとマリファナがきっても切れないのはわかるけど、そのマリファナを(政府が)悪者にしているのは、レゲエに悪い印象を与えて真実を伝えさせないようにしているのではないだろうか?」といっていましたが、そう考えてしまうほど邪魔者扱いされていたようです。(まぁ、誰かがその植物で大儲けして、そしてまた誰かがそのおこぼれをもらっていい思いをしている限り、そのシステムを変えるはずはありませんよね。サッカーと同じで「うまくいっているときは動かすな」ですよ。)



 このDVDの中で「ジャマイカのレゲエとイギリスのそれとの違いは?」との問いに「違いはひとつだけだ。イギリスで作られたモノというだけだ。」といった内容のことが語られていましたが、聴いているこちらからすると他にも違いはたくさんあるように感じます。このDVDを見た後、本家 ROOTS ROCK REGGAEを見るとまったくの別物でした。やはり作られた場所、もしくは育った場所によって同じようなことをしても別物になってしまうのですね。


 その違いを感じとることができた、そのくせたいへんお気に入りのCDがあるのですが、その話はまたの機会に。



英国レゲエもきちんと聴いてみようかなと思う今日この頃なのでありました。



ONE LOVE



北海道 本日台風上陸予定。
雨はまだですが
南から運ばれてきた風が生暖かく、湿度が高いです。

心配いただいているDR.ZEEさん。
まだ大丈夫ですよ。


【R】 レゲエ・ムービー・コレクション ~ハーダー・ゼイ・カム~

2006年09月14日 | REGGAE

超B級作品のあとは、ROCKERSと並ぶレゲエ映画2大巨頭の一つ、「ハーダー・ゼイ・カム」です。


ごめんなさい。またぶれてしまいました

 実はこの作品に関して触れる前に、サウンドトラックのほうのお話をしたいと思います。

 もうかれこれウン十年前、うら若きロック小僧(ギター少年)だった自分はレゲエという得体の知れない音楽の存在を知り、あるLPを借りました。(それをカセットテープにするためです。若い方は想像もつかないでしょうが、当時貸しレコード屋なるものも存在していましたが、今回の話は知人に借りたものです。)そのLPこそ、「ハーダー・ゼイ・カム」のサウンドトラックでした。なぜこのLPを借りたのかと言うと、ストーンズのキースが「ハーダー・ゼイ・カム」をカバーしており、その原曲を聴いてみたかったからです。

 「なんだ、これ。すっかすっかだなぁ・・・。ギターなんかチャカチャかいってるだけで誰でも弾けそうだし・・・」と、まぁギター少年がレゲエを体験して一発目に誰もが持つであろう感想を持ったのです。(後にそのチャカチャカの奥深さにはまり、腱鞘炎になるほど練習する青年になるのですが、そのことをこの少年は知る由もありません。)しかし、やはり「ハーダー・ゼイ・カム」。キースのバージョンとはまったく違うものの曲の魅力に取り付かれてしまい、しばらくそればかり聴いていました(裏を返すとそれ以外の曲を好んで聞くことがなかったということです)。

 そして、時はたち、ロック少年は様々な黒い音楽を聴きつつ徐々に成長を遂げ、レゲエを選び取るまでに成長しました。どっぷりROOTS ROCKが大好きになった青年ではありましたが、少年時代の印象が濃かったせいか、なかなかこのサウンドトラックを聞き返すことはありませんでした。ふと「久しぶりに聞いてみようかな」とテープを探しても見つからず、CDを購入。そして…♪you can get it if you really want♪です。「お~~~なんてすばらしいのだ!なんてポジティブなんだ!」と感じたわけです。ストーンズなんか♪you can't always get what you want♪だったのですから。(これもまたかなり昔の話です。今はレゲエ親爺になりつつあるのが現状です)





 まぁ、そんなことを思い出しながら今回のDVDを見ていました。




まず第1にジミー・クリフ、かっこいい!
第2に、画面がきれい(画質が良い)!

 画質は「カントリー・マン」を見た後だったからかもしれませんが、ジミークリフのかっこよさったらなかったです。RRRにもありますが、あのレコーディング風景は格別です。そしてどの曲もかっこよかったです。内容はドラマや映画になりがちなものでしたが、「きっとあの時代の若者は、夢や希望や野心を抱きかかえて上を目指していたのだろう」と簡単に想像ができるほどできの良い映画でした。その中で聞く”you can get it if you really want”はやはり重みが違います。


「手に入れられないのは欲しいと思う気持ちが足りないんだな」と考えながらこれからの生活をしていこう」と再確認することができました。



総評としては難しく考える必要はないほど、一家に1本あってもいいDVDだと思いました。あのジャケットも最高にかっこいいですし。




まとまりがありませんが、今日はここまで。


ONE LOVE


【R】 my name is Gyptian

2006年09月13日 | REGGAE


1 BENG BENG
2 MA MA
3 BEAUTIFUL LADY
4 YOU NEVER KNOW
5 AROUND THE WORLD
6 SERIOUS TIMES
7 TAKE ME HIGHER
8 THROUGH THE VALLEY FEAT.ROUND HEAD
9 WOMAN I LOVE YOU FEAT.TEFLON
10 SCHOOL GIRL
11 TAKE MY MONEY
12 KEEP ON KNOCKING
13 WHAT ARE WE FIGHTING FOR
14 STOP THE FUSSING AND FIGHTING
15 HOLIDAY FEAT.KEISHA



自分としたことが、まったく予想せずに聞いてしまった…



 昨日9月13日、あのジャマイカでの日々と現在とを結び付けてくれているGyptianの1stアルバム「my name is Gyptian(Mは小文字でした。細かい。)」が発売されました。残念ながら輸入盤でのみの発売で、歌詞やその他についての情報がまったくないのですが、待ちに待った(来日中止騒動も記憶に新しい)Gyptianということで早速閉店間際の深夜営業CD屋で購入しました。国内盤の発売を待つのも手だったのですが、あれだけ売れている「Freedomblues(Jah Cure)」さえも国内盤が発売されていないことを考えると、Gyptianのものが発売される可能性が薄く感じて購入へと踏み切ったわけです。まぁ踏み切ったと言っても1700円強なのですが…。

 余談ですがRichie Spiceの国内盤はわかります。PVを見ても若手(年齢じゃなく)の中であそこまでオーラをまとっているのはJr.ゴングくらいしかいませんから。でもI-Wayneの国内盤って…。彼の歌は個人的に好きです。Natural、Simple、Easyと連呼するその姿勢も。ですがJah Cureほど日本人に支持されているとは思えないのです。もしこれでGyptianの国内盤が出ることになれば、やっぱり「塀の向こうからの音楽」ということが問題だと思わざるを得ません。

 まぁ、それはそれとしてGyptian。
購入後、我慢できない私は早速車の中でCD開封、聞き始めたのです。曲目を見ると7インチで持っているものもいくつかあったのですが、よほど舞い上がっていたのでしょう。これがアルバムであることを忘れ心の準備をせずに聞き始めてしまったのです。

 BENG BENGが始まってBEAUTIFUL LADYあたりまで、「お~、良い音だ~。やっぱノイズ少ないね~」などとCDが出始めのときのような感想を持って聞いていたのですが、曲が進み、あの名曲、灼熱のジャマイカのラジオから、TVから、街角で、そして帰国後に7インチで聞き倒していたSERIOUS TIMESが始まったとたん、「????? 忘れてた! これはアルバムじゃないか!」と。どういうことかというと、かの有名な黄金トラックSpritual Warの録り直し。新しいトラックになっていたのです。まぁ当然と言えば当然です。アルバムですから。しかし、ぶつぶつとノイズに混じって聞えてくるあの温かみのある音に慣れていた私は諸手を挙げて「やっぱり最高!」と言うことができないのです。アレンジはほとんど同じなのですが、コーラスの質感や微妙なライン、ギターやベース、ホーンの音とフレーズ、そしてビンギドラムの音…すべてが美しく整理されているのです。きっとウエイラーズがキャッチアファイヤーを出した時、ジャマイカンも似たようなことを感じたと思われる感覚、それが車内を包み込んでしまったのです。これが世界戦略というものなのでしょうか。確かに質は上がったと思います。「これってミストーンくさくない?」と思われる部分もなくなりました。と同時に、ジャマイカのあの暑さに似た感覚も無くなってしまっていました。セレクターの方々が7インチにこだわるのはこんなところにも理由があったのかもしれません。
おかげでそれ以降の曲は色眼鏡をかけて聴いてしまい、本質を聞き分けることができずにいます。


 自分の思い込みやこうであって欲しいという希望、そして思い出などを拭い去って、本当のGyptianの姿が見えてくるまで何度も何度も聴き込んでやろうと思っています。だって私は彼の声が大好きなのですから。


 追伸。デビュー時のPVのボールドヘッドとはちがい、ちびのロックスがかわいいくなっていました。でもボールドヘッドの頃の方が育ちがよさそうな匂いがして、裏ジャケの写真を見ると今はまるでゲットーユーツそのものな感じです。



ONE LOVE

【R】 レゲエ・ムービー・コレクション ~カントリー・マン~

2006年09月12日 | REGGAE

 さっそく9日発売の「レゲエ・ムービー・コレクション」について書こうと思います。やっぱりまずは、ジャマイカの空港でVHS版を手に入れそびれたことを後悔し続けていた「カントリー・マン」から。



 ひとことで言うと…「超B級映画」。そりゃぁ日本では公開されないよなぁ…といったところです。内容はまったくの別物ですが、荒い画質も含めてインドのカルカッタ(今は、カルカタ?)の映画館で見た大衆映画と質感がそっくりでした。「うわ~、超B級」と思っていると遠くから聞こえてくるあの曲、そう、ボブマーリーの「ナチュラル・ミスティック」が聞こえてきて物語は始まります。妻と一緒に見ていたのですが「ボブマーリーの歌が入るだけで、映画の質が上がるよねぇ」と彼女は言っていました。同感。

 内容についてはこれから購入される方もいるでしょうから書きません。ので、特典映像を見てびっくりしたことを書きます。なんとタイトルにもなっている「カントリー・マン」は実在の人物でした。しかもその本人が主役を務めているのです。特典映像には30年前のエネルギーの塊ともいえる彼の姿とは違い、白髪が混じっているおじさんが映し出されていましたが、その彼はこの映画と同じような生活をまだしていることにさらにびっくり。

 それから、少数の俳優さんを除いて出演者は現地の素人さんを制作時に集めて出演させたとのこと。このあたりの「リアルさの追求」の仕方は、このブログでも紹介しようしようと思ってもなかなかタイミングが合わない映画「City of God」というブラジルの貧民街を舞台にした映画と同じ手法ですね。やはりどちらも演技ではあらわすことのできない世界なのでしょう。

 カントリー・マン全編を通し、レゲエに関わる人物をフューチャーしていないこと(→ロックスの人は多数出ていますが)、ラスタを興行の目玉にしていないこと、ジャマイカ=ガンジャ(大麻)といった描き方をしていない(そういうシーンは多数ありますが)ことに好感を持ちました。もちろん、「ロッカーズ」や後の「ハーダー・ゼイ・カム」は大好きですが、娯楽映画の中のジャマイカを感じるには最高の映画「カントリー・マン」も面白い映画だとおもうのですが、いかがでしょうか。

 話はそれますが、このDVDにおさめられている音楽は各アルバムのモノとは別バージョンなんでしょうか。何だかバランスが違う気がしました。知っている方がいましたら教えてください。それから、オースチン・ミニがらみで「カントリー・マン」を検索された方々、ごめんなさいね。


では。





本日、Gyptianのアルバム(海外版)発売。日本版の発売予定は今のところないそうです。



ONE LOVE


【R】 レゲエ・ムービー・コレクション~その前に~

2006年09月11日 | REGGAE
(写真)発売前日に購入。嬉しさのあまり、夜に写真をとったので光量不足&ぶれています。ごめんなさい。







  ついに何年越しかの恋が実りました。そう、「ハーダー・ゼイ・カム」「カントリー・マン」を含む「レゲエ・ムービー・コレクション」をゲットしました。おかげでレゲエ好きにはたまらない週末を過ごすことができました。皆さんもおわかりのとおり当然のごとくこのブログで感想を書いていこうと思うのですが、今日はその前に一つだけ書きたいことがあるのでそちらを書いていきます。

 DVDをご覧になった方の中には…

◇カントリー・マンで、墜落した飛行機のパイロットがなぜCIAの手先とされたのか。
◇なぜあそこまで執拗に追跡され、国に関係する職員の命が奪われるほどの事件だったのか。
◇ハーダー・ゼイ・カムの主人公アイバンは、どうしてあんな簡単に銃を入手することができたのか。

と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。もしくは、「政治的なことが原因」ということは知っていても、それがどれほどのものだったのかはっきりしない人もいるでしょう(ちょっと前まで私はこちら側の人でした)。

そこで、「ハーダー・ゼイー・カム」「カントリー・マン」をご覧になる前に、または何度も繰り返し見ようとしている方にお薦めの本があるのです。

その本のタイトルは「ボーン・フィ・デッド(日本語訳のタイトル「死ぬために生まれて」)」。アメリカの女性教授(?)が何度もジャマイカを訪れ、その裏社会を自らの体験をもとに明らかにしていくというドキュメンタリーです。レゲエ好きの間では有名な話、例えば政党同士の対立からゲットーの住民に銃をばらまき、相手政党支持者などを殺させていたといった話をさらに掘り下げ、実際に銃を受け取る側を取材し「銃がばらまかれたとき若者達はどうやってでもその銃を手に入れようとした。なぜなら、銃を手に入れたものがそのあたりを牛耳ることができるから。」「政党のために働いた(殺しをした)若者も、用がなくなれば政党によって殺されてしまう。」等が生々しく描写されています。そして、ゲットーの住民は対立政党というだけで殺され、殺されないように力を得たはずの者もボスに殺され、結局死の恐怖(ゲットーに住んでいること)から抜け出すには「死ぬしかない」と書いています。だからタイトルが“死ぬために生まれて”なのでしょう。ただし、ゲットーのボスとなった男達は、日本で言うところのネズミ小僧のように、ガンジャやコカイン、銃といったものから得た利益を住民に還元していた(道路を整備したり学校を作ったりしていた)ために、地域では名士扱いを受けており、警察に協力するような住民はほとんどいなかったそうです。

 
それから、当時(80年代)のジャマイカの殺人事件の半数ほどは警察による殺人であったとも書かれています。現在のアフリカ諸国における警察官の観光客へのいやがらせ(ゆすり・たかり)が頻繁に起こるように、給料が少なく、生活苦にある上に「拳銃」という凶器を持つことのできる立場にある警官は、ちょっと感覚がずれただけで手におえない猛獣に変容していくのは当然の成り行きなのでしょうか。恐ろしいことです。(知人でアフリカに旅行した際、警察官に因縁をつけられて走って逃げたのですが、袋小路に迷い込み、彼らに銃口を口の中に入れられて「金を出すのか出さないのか!」とやられた人がいます。相手は警察官ですよ!)

 
そしてこの本は、ゲットーでの話のみならず、死から逃れるためにアメリカに入国しギャングとなったジャマイカンの話も出てきます。ゲットーでの「いつ死ぬかわからない」生活を考えたら、アメリカではどんなことでもできるそうです。




 
いかがでしょうか。これに加えてジャマイカ楽園の真実 LIFE&DEBT(DVD)なんかも見てみるとわかりやすいかもしれません。




 単純にレゲエ映画としてDVDを見るのも良し。こんな本を読んで「このシーンはこういうことなんだな」と一人納得しながら見るも良し。受け売りの知識をひけらかして一緒に見ている人に煙たがられるのも良し。(自分はこのパターンでした。すまん、妻よ。)「レゲエ・ムービー・コレクション」の楽しみ方を書いてみましたが、これを読まれる方はどんな楽しみ方を見つけているのでしょう。発見などありましたら私Iyahkieにも教えてください。



次回から本格的に感想などを書いていきたいと思います。では。


追伸1。明日、Gyptianのアルバム発売です!



追伸2。5年前の今日という日を忘れることができないでいる。NYから帰ってきてちょうど1ヶ月後だった。あいかわらず泥沼が続いている世の中。

すべての人に光を。
すべての人に愛を。

追悼の意をこめて…。


筆者in NY
5年前の8月撮影







ONE LOVE


【あ】 夏のぬけがら

2006年09月08日 | ある日の戯言


 北海道の夏も終わりを告げたようで、最高気温はまだ20℃を下回ることはないけれど、雲の高さったら手が届かないほどになってしまっている。もう秋だ。夏の間の写真を整理しようとデジカメをいじっていたら、こんな写真を見つけた。家族でさくらんぼ狩りに行ったとき、朝早く起きて見つけたもの。だから今日のブログのタイトルは「夏のぬけがら」。



 この夏にいろいろ行った場所の写真なんかを公開しようと思っていたのですが、「夏のぬけがら」ってタイトルがどこかで聞いたような気がして、検索してみたら真島昌利さんの1stソロアルバムのタイトルでした。何百万年か前に友人の家で聴かせてもらった記憶はあるものの、しゃがれた歌声と「けっこう切ない系の人なんだなぁ」「センスいいなぁ」といった印象しかなく、検索するまで忘れていました。アルバムの中に「夏が来て僕等」という曲があるようで、その歌詞がちょっと気になったので予定を変更して今日はそんな話題を。


夏が来て僕等 
    作詞作曲/真島昌利

夏が来て僕等 アイスクリーム食べて笑った
木に登り僕等 何回目の夏か数えた

うばわれた声に耳を澄まし
自転車で知らない街まで
終わりなき午後の冒険者は
夏に疲れるなんてそれは
とても罪な事

夏が来て僕等 高校野球なんて見ないで
夏草にのびた 給水塔の影を見ていた

裸足ならもっとよかったけど
宿題は机でまってる
誰かがピアノを弾いているよ
みんな誰もが秘密をもつ
汗ばんだ季節だ

八時半広場に集まろう
花火ならたくさん持ってる
スリルあるやつやきれいなやつ
今夜部屋から抜け出してさ
森を見に行こう

夏が来て僕等 成長のドアを足であけた





 さて、いかがでしょうか。自分はこの歌のメロディを知らないので音楽というよりは「詩」として見るしかないのですが、何だか…懐かしいです。自分も少年時代、こんなに無防備で、強いふりをして、だけど泣き虫で、ドキドキがいぱいあって、そんな特別な日常が毎日だったような(実際はそうではないのだが)、そんな記憶がふ~っと風のように通り抜けていきました。

 そしてその頃は、「僕等」だったなぁ、と。今の自分はアイスクリームも木登りもチャリンコでのロングドライブも、「僕」しかいない気がします。(友達がいないとかそういうことじゃないですよ。)

 終わりなき午後の冒険者は夏に疲れるなんてことはまだありません。もうすでに「夏が来ねぇかなぁ。あと1年がまんしなくちゃダメかぁ・・・」などと口にしちゃうほど。そして、これから先もう一度「僕等」と口にできるような、そんな日々を過ごしてやるぜ!とも思っちゃったりしています。


ONE LOVE




書き忘れていてので追加しました(17:10)
※ 明日、DVD「レゲエ・ムービー・コレクション」発売です。やった~!

【あ】 不健康な話

2006年09月07日 | ある日の戯言



 身体に害のあるものは取り入れないようにしたい…そんなことを考えている人は意外に多いと思う。自分も玄米を食べたり(食べさせられたり?)なるべく化学的なものは飲んだり食べたりしないように心がけたりしているのだが、残念ながら説得力が『0』というありさま。何故かというと「喫煙する人」だからだ。「喫煙する人」と書いたが、これはわざとである。愛煙家ではないからだ。自分の信条というか価値観というか、まぁそんなたいそうなものではないにしろ「健康でいることは大切なこと」と考えている自分にとっては「煙草=悪魔の煙」のはず。ああ、それなのにやめられずにいる自分はなんと意思の弱い男なのだろう、と思っているたりしている。

そんなこんなで、今日は不健康な話。


先日、知人と話をしていたときのこと。

自分「休みが終わって、煙草が減ったよ(職場は禁煙)。」
知人「え?俺、なんか煙草増えちゃって・・・」
自分「休み中にいっぱい吸ったからじゃない?」
知人「それはそうなんだけど…なんか、煙草が軽くなった気がするんだよね。1回に連続して2本吸うことが多くなったし。前だったそうやっても2本目はつらくなって途中で消してたんだけど、今は全部吸っちゃうんだよね。な~んか、煙草が値上がりしたと同時に軽くなった気がするんだよなぁ・・・。」

 それを聞いてびっくり。思い当たることがあるのです。自分の部屋で音楽活動をしていると、無意識に煙草に手が伸びることが多いのですが、ここしばらくチェーンスモーク(連続して吸うこと)しそうになって「おいおいおいおい」と自分につっこみを入れていたことが何度もあったとか。

 確かに、煙草は「値上がりします」「20本」っていうのは宣言しているけど、それ以外は保証していないもんなぁ・・・と思い煙草のパッケージを見値上がり前と変わっていないニコチンとタールの量を示す数字が。「ん??? ということは変わっていないのか? それとも数字はそのままに軽くしたのか?」という疑問がわいてきたのです。(つい先走って「消費者をバカにしやがって。金儲けのためにだまし討ちか!」と思ってしまったことをJTの方々にお詫びします。)


さて、真実はどうなんでしょうか・・・どうでもいい話ですが・・・



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【R】 カリブ海の音楽

2006年09月06日 | REGGAE

 前回紹介したDVD「レゲエ・ムービー・コレクション」を予約した時に面白い本を見つけました。平井 雅/長嶺 修 共同編集の「カリブ海の音楽」という本です。レゲエのことについても触れているためにカテゴリーはREGGAEで書かせてもらいます。



 タイトルのとおり、カリブ海全般の音楽について書かれている本ですが、内容は大きく分けて「それぞれの国特有の音楽の説明」と「現在入手できるであろう音源の紹介」になっています。しかも“カリブ海”と銘打っているだけあって、ジャマイカのレゲエ、キューバのサルサ、トリニダートのカリプソなど、私が今まで耳にしたことがある音楽ばかりではなく、国名だけ聞いたらどこにあるのかわからない国の音楽についても書かれており、たいへん勉強になります。

 中でも、音楽の説明をコロンブスのによるカリブの島々の“発見”までさかのぼり、そこから「白人によるアラワク族やカリブ族などのもともといた人たちへの迫害」や「黒人奴隷の輸入~彼らの開放」などの歴史と音楽との関係を詳しく書いてあったり、国々を占拠していた宗主国の言葉(英語・フランス語・オランダ語・ポルトガル語など)の音楽への影響などは、たいへん興味深く読むことができました。

 (下の写真は、わかりづらいですが奴隷の反抗分子=マルーンが白人と和平交渉しているという挿絵です)




 残念ながら、現在の環カリブ海の島々(国々)の状態=治安や経済状態、政治的な話までは言及されておらず、それぞれの国でそれぞれのルーツがどのように発展して現在どのような音楽が主流であるかがわからないのが残念でした。このブログでも紹介しましたが、ドミニカのシンガーNasio Fontaineがなぜあそこまでリアルな歌を歌わなければならなかったのか、その答えは見つからないままです。

 この本を読んでふと思ったのが、ボブ・マーリーやジミー・クリフを代表する「音楽のカリスマ」(一般論です)がジャマイカではなく、他の国に生まれていたなら、クラブでかかる音楽も、自分(Iyahkie)の音楽表現も考え方も、すべて変わっていたのかなぁということ。そうするとジャマイカなどという小さな国に足を踏み入れることもなかったんだろうな、と。そう思うと、こんなちっぽけな日本人の考え方や一生にも、全世界の大きな歴史が関与しているんですよね。


 やっぱり、世界は一つです。



ONE LOVE


【R】 REGGAE DVD 発売ラッシュ

2006年09月04日 | REGGAE



「この国でレゲエが流行りつつある。」
そんなことを思ったのは今年で何度目だろう。


自分のように、毎年毎年年ガラ年中レゲエの人間にはあまり実感がわかないことだが、それはいつも春先からじわじわと来て、夏のCD屋さんで炸裂するんだ。

レゲエのCDコーナーの充実さを見れば「売れている!」ってことが一目瞭然。目立つところに特集が組まれているアーティストもいたりする。「久しぶり!」と声をかけたくなるほどの盛者必衰の音楽業界。

本当に何年ぶりのことだろう。

でも、今年は一味違った。
いや、違っている。現在進行形だ。
今まで切望していたのに
手に入れることがなかなかできなかったものがリリースされ始めている


その第1段が「ROOTS、ROCK、REGGAE」 DVD発売。一部、都会では日本語字幕付映画として上映されていたが、北国の映画館には来るはずもなく、先月やっとDVDの発売。これで何度も繰り返してみることができるようになった。実はこれ、昔友人に借りて洋モノとして見たことがあったのだが、やはり日本語と一緒にゆっくり見ると細かいところまでわかり、充実の度合いが違うのです。特にジョー・ヒッグスがギター1本で唄う“There's a Reward”は、歌詞を理解しながら聴くことができ、鳥肌が立ちました。1時間弱という短い時間ですが、当時(1970年代後半)の匂いがぷんぷんと香り立つ作品でした。


そして第2弾。待ちに待った、本当に心の底から待っていた日がやってきます。9月9日(土)、紀伊国屋書店から「ハーダー・ゼイ・カム」「カントリーマン」のDVD2作品が同時発売。しかもこれらに「レゲエ・イン・バビロン」を加えた3作品がレゲエ・ムーヴィー・コレクションとして発売されるのです。これらのDVD発売の噂は5月ごろに入手していたのですが、そのときの発売予定日は7月上旬。しかし6月末になって店員さんからその予定がキャンセルされ発売のめどは立っていないと教えられていました。「この夏は何を楽しみにすればいいんだ!」と怒り心頭のまま帰路についたのもつかのま、結局9月9日に紀伊国屋からの発売とあいなりました。特典など、内容が違うならバラで買おうと思っていたのですが、店員さんから「内容は同じです。ブックレットもつくのでBOXのほうがお買得だと思いますよ。レゲエ・イン・バビロンは単品での発売予定は今のところないようですし。」といわれBOXで予約をしてしまったのであります。


    
本物         偽物
countryman          bingihmanの挿絵(自画像)


 どこかからの受け売りですが、ここでそれぞれの映画についてちょびっと説明を加えると…「ハーダー・ゼイ・カム」はレゲエを世界に広めたという役割の何割かを果たしていたという映画で、主人公はあのジミー・クリフ。むかし日本でも公開され、レンタルビデオ屋さんにもあったりしたことがあります。「カントリーマン」はボブマーリーが制作に携わっているB級作品。日本未公開。初めて渡JAしたときにVHSで見つけたのですが、規格があうことを知らず「見られないなら買ってもしょうがない」と買わずに大失敗をした、個人的にはどうしても見たかった作品です。ちなみに「ビンギマンと呼ばれた男」の挿絵(私が書いたもの。上図参照)はこのカントリーマンのジャケをパクったモノでした。そして、「レゲエ・イン・バビロン」はUKレゲエのドキュメンタリーだそうです(「ハーダー・ゼイ・カム」「カントリー・マン」共に、サウンドトラックのCDが出ていて、優秀作品・必聴です)。


 詳しい話はDVDが擦り切れるほど見た後でここに書いていこうと思います。
まずは、9日の発売が待ち遠しいIyahkieなのでありました。


追伸:今月は嬉しいことが盛りだくさん。9月12日。ついにGyptianのアルバム発売です。



ONE LOVE


ジャマイカ旅日記「ビンギマンと呼ばれた男」はこちらです。


【R】 ジャマイカ以外のレゲエ~Nasio Fontaine~

2006年09月01日 | REGGAE

 聞き飽きた、いや、見飽きた台詞なのにどうしても気になってしまうものが世の中にはありますよね。自分にとっては「レアモノ」や「生産中止」というのが気になることが多いのですが、それよりも、「どうせ…」と思いつつも必ず手をのばしてしまうフレーズがあるのです。それが「ボブマーリーの再来」(ちなみに前回のブログのMISHKAもデビュー当時は90年代のボブマーリーなどとかかれていました…)。今回もこのフレーズにのせられてCDを購入してしまいました。



それがこれ。
  

 ドミニカ国出身のレゲエ・シンガー
Nasio FontaineのUNIVERSAL CRY。某フリーマガジンで「ボブマーリーの再来」「ルーツ」「ドミニカの現状を歌う」「ラスタ」などなど、興味をそそる言葉の数々を叩きつけられ、購入にいたりました。このCDを買ってから調べたのですが、“ドミニカ”と名前のつく国はドミニカ共和国とドミニカ国2つあって、どちらも北米大陸と南米大陸にはさまれた海(カリブ海)に浮かぶ島にあり、彼の出身国のドミニカ国はキューバの右のもっと右ほうにある、小さい国のほうです。

 

 帰宅後、早速聞いてみました。1曲目から声の深さにやられます。訳詞を読みながら聞いていたのですが、その内容にもやられます。2曲目、やられ具合が続きます。しかし3曲目から衝撃が薄くなってきてしまうのです。そしてようやく7曲目(だったかな?)あたりでやっぱりやられている自分に気がつくのです。ぜんぜん聞き込んでいないので簡単に良い、悪いをここに書くことはできませんが、あまりにもNasio Fontaineの声ならびに感性が深すぎて、しかもその深さが変化することなくず~っと何曲も続いていくためか、たいへん痛々しい印象をもちました。それからバックの演奏がその深さを支えるだけのレゲエになっていないのも気になりました。おそらくロック系のミュージシャンの演奏であることと、昔ボブマーリーがやったような世界戦略を考えてのことだと思います。(レゲエの枠をこえた云々、という言葉に現われています)

 率直な感想を書くと…こんだけ深い人なら、もっと深いレゲエの演奏で聴きたかったな、です。新人というわけではないようなので、探すと昔の音源もあるのかもしれません。それらを聴いてもう一度ブログで紹介した方がよさそうです。それから、ドミニカという場所についてももっと知らなければダメでしょう。歌詞から察するところ、日本とは比べ物にならないほど「タフでなければ生きていけない場所」らしいので。

 めちゃくちゃ太くて黒いレゲエが好きな方は気に入ると思います。シンガーではなく演奏が気になる人には向かないかもしれません。少なくともNasio Fontaine本人はぶっといレゲエ・シンガーに間違いないと私は感じています。


購入しますか?ボブマーリーの再来ですよ。



ONE LOVE





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