裸のヤコブ

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【R】 お祭り音楽について

2006年09月21日 | REGGAE
 昨日、「レゲエのある生活」のkaneshilohさんからいただいたコメントにあった“お祭り音楽であって娯楽的要素が大きく大衆性が強い音楽”という部分を見て、ちょっと前に購入したあるCDを思い出しました。それがこれです。

◆Take me to Jamaica


1950年代に録音された「メント」を24曲集めたコンピレーションアルバムです。ここでちょびっと「メント」について書かせてもらいます。出展はちょっと前にここでも紹介した「カリブ海の音楽」という本です。


メント
 カリブの島々に奴隷として連れてこられた人々が、故郷であるアフリカの宗教や儀式を元に、ヨーロッパ(特にキリスト教)の影響を受けて発展させたものの中で、ジャマイカで今のレゲエに匹敵するほどポピュラーだった音楽、それが、メントである。カリプソと酷似しており、バンジョーやギターなどの弦楽器を用いた演奏であるが、中でも「ルンバBOX」と呼ばれる巨大親指ピアノがベースの代わりに低音部分を演奏するのが特徴である。その歌詞はユーモラスで猥雑なものが多かった。1950年代に入るとラジオの民営放送が始まり、新たな娯楽として急速に普及した。その反面、ラジオからは島内の放送のみならずマイアミやニューオーリンズの放送も受信できたことからR&Bやジャズといったアメリカ音楽が輸入され、メントやカリプソを演奏していたミュージシャンは徐々にそちらの音楽家へと変わっていき、スカの誕生へとつながっていった。

カリブ海の音楽P98、ジャマイカの音楽の前半を要約するとこんな感じです。



 文章だけ見ると実感が湧かないですが、音を耳にするとその音楽性をうかがい知ることができます。それは「過酷な労働条件のもと、唯一の娯楽としての音楽」であることや、「老若男女が演奏家が来るのを楽しみにしており、そのときは一番おめかしして現場に向かっていた」であろうこと、「演奏家もお客さんも楽しみ方を知っていた」であろうことなど。それらが音源からあふれ出てくるような音楽なのです。今の音楽に耳がなれてしまっている人にはスカスカで隙間だらけの音楽に聞こえるかもしれません。でもよく耳をすますと、その隙間からたくさんの笑い声が聞えてくるのです(実際に笑い声が録音されているということではありません)。

 自分は“ROOTSもの”が好きで、抑圧される側の人々が発する社会的であったりカルチャラルであったりする歌詞に影響されています。でもそうなればそうなるほど、しかめっ面をしながら、まじめな顔をしながら演奏してしまうことが多いのです。元をたどっていくとこんなにも笑顔があふれている音楽にたどり着くことを忘れがちなのです。

 笑顔の存在を忘れず(笑顔を振り撒くというのではありません)、メッセージを伝えること。いつかそんな歌が歌えるようになりたいものです。


ONE LOVE




レゲエのルーツということで「reggae」にカテゴリーさせてもらいました。