今週はちょっと走り過ぎました。毎日研修や見学に出かけて、帰宅後夜中まで仕事したのに片づかず。放課後連in京都は行けなくなりました。残念。
今夜もまだまだ仕事が続くけど、ちょっとブレーク。公約通りの龍馬伝批評をします。自分なら演出家としてこうするという視点で。
第1話 下士仲間が上司に斬られる場面があったが、その人物との交流がなにも描かれなかったので、龍馬とどういう関係なのかわからず、仲間を失った悲しみや悔しさに同調できなかった。「坂の上の雲」では秋山真之が部下を失うが、その部下が真之を慕っていたことをほんの5分描写したことで、真之の深い苦悩にシンクロすることができた。
第2話 川に堤防を作る仕事を命じられたが、農民たちは龍馬の言うことを聞かない。最後までうまくいかず、雨の中で号泣してたら、農民たちが戻ってきて突如協力し始めた。え、ここで?なんで?と思わずにいられない、必然性の弱い流れだった。
第3話 江戸へ向かう龍馬に、偽造手形を持って弥太郎が勝手についてきたが、偽造がばれて失敗に終わった。友情が描かれたわけでもなく、いつも通り悪態をついて終わる弥太郎。完全にいらないエピソードだった。
第4話 千葉さな子が龍馬を想っていたのは歴史の事実だが、45分の話だけであそこまでいくのは不自然で必然性が弱すぎ。回を追うごとに近づいていく機微があるべき。キャスティングも悪い。あの俳優と福山ではガリレオコンビのイメージが強く、千葉道場の跡継ぎと思えない。
先週の話 家族で海岸へ遊びに行き、砂に世界地図を描いた龍馬が、家族を乗せた船で世界を旅したいと夢を語る。ここは中国、ここはインド、次はアフリカ。そこには像やキリンや珍しい獣がいて、まだまだ次はヨーロッパ・・・もういい、と思った。当時の人には最先端の知識でも、TVを見てる者には幼児並みの説明でしかない。たとえ昔の知識だったとしても、そこに、現代人もはっとさせる何らかの思想が語られてこそ、意味を持つシーンとなる。ただ世界地図を説明しただけだったことに逆に驚いた。
最後にひとつ。香川照之の演技は素晴らしい。問題は脚本演出。確かに人を見下す人物だったようだが、それだけの人間が成功者になれるはずがない。何か深い思想があったはずである。その隠された何かを描かずに卑屈な姿ばかりでは、不愉快でさえある。退廃的なBGMも不快。弥太郎目線で描くのは悪くない狙いだけど、人物像が失敗している。
今後も期待感は低いが、司馬遼太郎が2万枚に及ぶ原稿はこのシーンを描きたいために書いたのだ、というあのシーンと、龍馬を生涯の師と仰いだ陸奥宗光が、西郷よりも大久保よりも木戸よりも、坂本先生が世界一だと感動したというあのシーンの演技を、見届けたい。
福山に罪はない。
今夜もまだまだ仕事が続くけど、ちょっとブレーク。公約通りの龍馬伝批評をします。自分なら演出家としてこうするという視点で。
第1話 下士仲間が上司に斬られる場面があったが、その人物との交流がなにも描かれなかったので、龍馬とどういう関係なのかわからず、仲間を失った悲しみや悔しさに同調できなかった。「坂の上の雲」では秋山真之が部下を失うが、その部下が真之を慕っていたことをほんの5分描写したことで、真之の深い苦悩にシンクロすることができた。
第2話 川に堤防を作る仕事を命じられたが、農民たちは龍馬の言うことを聞かない。最後までうまくいかず、雨の中で号泣してたら、農民たちが戻ってきて突如協力し始めた。え、ここで?なんで?と思わずにいられない、必然性の弱い流れだった。
第3話 江戸へ向かう龍馬に、偽造手形を持って弥太郎が勝手についてきたが、偽造がばれて失敗に終わった。友情が描かれたわけでもなく、いつも通り悪態をついて終わる弥太郎。完全にいらないエピソードだった。
第4話 千葉さな子が龍馬を想っていたのは歴史の事実だが、45分の話だけであそこまでいくのは不自然で必然性が弱すぎ。回を追うごとに近づいていく機微があるべき。キャスティングも悪い。あの俳優と福山ではガリレオコンビのイメージが強く、千葉道場の跡継ぎと思えない。
先週の話 家族で海岸へ遊びに行き、砂に世界地図を描いた龍馬が、家族を乗せた船で世界を旅したいと夢を語る。ここは中国、ここはインド、次はアフリカ。そこには像やキリンや珍しい獣がいて、まだまだ次はヨーロッパ・・・もういい、と思った。当時の人には最先端の知識でも、TVを見てる者には幼児並みの説明でしかない。たとえ昔の知識だったとしても、そこに、現代人もはっとさせる何らかの思想が語られてこそ、意味を持つシーンとなる。ただ世界地図を説明しただけだったことに逆に驚いた。
最後にひとつ。香川照之の演技は素晴らしい。問題は脚本演出。確かに人を見下す人物だったようだが、それだけの人間が成功者になれるはずがない。何か深い思想があったはずである。その隠された何かを描かずに卑屈な姿ばかりでは、不愉快でさえある。退廃的なBGMも不快。弥太郎目線で描くのは悪くない狙いだけど、人物像が失敗している。
今後も期待感は低いが、司馬遼太郎が2万枚に及ぶ原稿はこのシーンを描きたいために書いたのだ、というあのシーンと、龍馬を生涯の師と仰いだ陸奥宗光が、西郷よりも大久保よりも木戸よりも、坂本先生が世界一だと感動したというあのシーンの演技を、見届けたい。
福山に罪はない。