2019年7月28日の蓮の開花報告がつづきます。
巨椋池大黒です。京都にかつてあった巨椋池(おぐらいけ)に因んだ蓮は、巨椋系と呼ばれますが、これら京都の蓮たちは見本園の一角を占めています。
巨椋池大黒の蕾です。ふっくらしていて明日にも咲きそうです。
干拓される前の巨椋池の白黒写真です。なんとも風流な、蓮見舟に乗った女性たちが蓮の花や葉を採る一場面。(京都花蓮研究会のサイトから。)
巨椋池大島です。蓮の花は4日の命、咲いている間は昼過ぎにいったん花弁が閉じて明け方に再び開きます。この花は、開花1日目のあとに雨に打たれて閉じきれなかった花弁が2枚。
巨椋の曙です。巨椋池産としては、珍しい爪紅種で、花弁の先端がほのかにピンク色。
天使の羽衣のような巨椋の曙です。和辻哲郎が、「われわれの祖先が蓮花によって浄土の幻想をつくり上げた」と随筆『巨椋池の蓮』につづったのが頷けます!
請所(うけしょ)も巨椋系の品種です。条線(花弁を縦に流れるピンク色の線)がきれいです。
同じく京都の蓮である淀姫は、京都伏見区の淀城で発見された品種だとか。雨の雫が清涼さを際立たせています。
梅雨が明けて、淀姫の花弁がうつくしく広がるのが楽しみですね。
今年6月と7月の低温と長梅雨のせいで、いくつかの花芽が枯れてしまった淀姫です。今年の見本園には、このように成長しきれなかった、黒く枯れた花芽が散見されます。
小倉西の大きな蕾です。巨椋系の蓮がつづきます。農林水産省のサイトによると巨椋池は、かつては800ヘクタールに及ぶ広大な池だったらしいので、多くの種類の蓮が咲いていたのでしょう。
小倉西は背の高い品種です。咲いたらまたレポートします。
巨椋の炎は、今年は咲きそうにありません。浮葉だけのさみしいマスに、来場者が別の蓮の散り落ちた花びらを飾っていました。
今日は雨風でしょげているように見える東観世です。でも見本園では、大型の花を咲かせる注目の品種です。巨椋系。
開花レポートがつづきます。
(担当: れい)