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愛が憎しみにかわるとき  №176

2013-03-16 00:06:27 | インポート
 本当に相手のことを愛していたら、たとえ自分を犠牲にしても相手の幸せを願うのが本来の在り方だといわれますが、愛情のもつれによる殺人事件や傷害事件が時折報道されるのをみると、なかなかそのような心境になれない人が多いのではないかと思います。
 今まで愛していた人の態度が急に変わったからと言ってなぜそこまで憎むことができるのでしょうか。恋愛というのは、義理でも人情でも理性で割り切れるものでもありませんから、愛がさめたり、他の人に気持ちが移ることは仕方のないことです。
 しかし、相手の気持ちが離れていったのを知ると、悲しみと同時に嫉妬心がわき、自尊心が傷つきます。傷ついた自尊心を修復するためには、もともと自分には向いていなかったのだと自分に言い聞かせて諦めるか、相手を憎むことによって自分を正当化していかなければなりません。
 愛が憎しみにかわるのは、相手が自分の思い通りにならなかったことによる恨みからではないでしょうか。自分がこれだけ相手のことを思っているのに、相手が自分の気持ちを無視するのは許せないと思うのです。ストーカー事件によく見られるように、相手が迷惑だと思っているのにもかかわらず一方的に好意を寄せてつきまとい、相手が自分の気持ちを無視しているのが許せないと傷つけたりします。そこには、相手に対する思いやりの気持ちはありません。自分の思い通りにいかないことに対する怒りがあるだけで、きわめて自己中心的なものです。
 マザー・テレサは「愛の反対は憎しみではなく無関心だ」といいました。とすれば、憎しみの中には、まだ、いくばくかの愛が残っていると考えてもよいのでしょうか?


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