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「ポジィティブシンキング」という強迫観念!

2012-10-30 17:48:01 | インポート
 人は、健康で仕事にも家庭にも友人にも恵まれていると、幸福感に満たされ、長生きをするように思いますが、病気がちで、仕事も上手くいかず、家庭や友人に見放されても、考え方一つで長生きできるのだという研究もあるようです。
 アメリカの尼僧180人が1930年代に書いた手記からポジティブな言葉とネガティブな言葉を抽出して数値化し、健康状態や寿命と対照した結果、同じ修道院で暮らし、同じ食事をし、同じように規律正しい生活を送っていたにもかかわらず、ごきげんな尼僧はそうでない尼僧に比べ、約9年も長生きしていたという結果が出たそうです。
 つまり、ものごとをポジティブに考える人とネガティブに考える人で、寿命が違ってくるというのです。アメリカで提唱されているポジティブ心理学は、こうしたことを前提に、人間の健康面・人間の強みなど側面に焦点をあわせて、科学的検証も行い。豊かな潜在能力、人間の美徳、肯定的感情、幸福感、楽観、時間、未来志向など探求するなどの、元アメリカ心理学会会長セリグマン氏が提唱した心理学のようです。
 簡単にいうと「病は気から」、「笑う門には福来たる」ということを真剣に研究してみようということなのでしょうか。適度な運動と、正しい食生活、そして「心のエクササイズ」としての良かった探しが提唱されています。
 ただ、いくら「ポジティブ」に考えようとしても、過酷な職場環境などにより「うつ状態」になることもあります。仕事や家庭環境、友人関係に不満を抱え、憎しみや悲しみ、怒りといった感情をもったりすると、それはあなたの考え方が「ネガティブ」だからと、自己責任の問題にされかねません。社会の抱えている様々な矛盾や問題が、個人の問題にすり替えられる恐れがないわけではありません。
 どんなときでも「ポジティブ」にという強迫観念にとらえられると、「弱音」を吐けない社会になり、かえって疲れそうです。
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