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引きこもりのプロセスと心理 №268

2019-08-24 09:53:10 | 心理
 私たちの悩みの多くは対人関係にあります。ですから、人との関わりを断つことができれば、その悩みはなくなります。不登校や引きこもりは、様々な対人関係を断つことで、自我を守る行為ともいえるかもしれません。
 ただ、何らかの庇護がないと、引きこもりや不登校の状態を継続することはできません。いつかは、自立していくことを促されるか、自分で決断しなくてはならない時がきます。
 関東自立就労センターでは、引きこもりのプロセスを、「混乱期」、「安定期」、「ためらい期」、そして「動き出しの時期」という、おおむね4つの時期に分けています。そして、引きこもりの心理を、次の10段階に分けています。
①不安「僕の将来は、どうなるんだろう」
②怒り「今の自分は自分の責任なのか、それとも親の責任なのか」
③取引「まだわかってくれないのか」
④拒絶「いくら話してももう無駄だ!」
⑤重圧・圧迫感「孤島で静かに生きたい、どうしてこんな行動をしてしまうのか」
⑥休息(受容)「子どもに親を殴らせないでくれ」
⑦自己否定(嫌悪)「迷惑ばかりかけて」
⑧夢探し動き出し「僕でもまだ大丈夫ですか」
⑨同世代復帰「あいつ、今ごろ何してるかな」
⑩仕切り直しの旅立ち「あの街で生まれ変わりたい」
 引きこもりのプロセスという観点からこれらを見ていくと、①「不安」から⑤「重圧・圧迫感」までが、「混乱期」です。 さらに⑦「自己否定」もそうです。また、⑥「休息(受容)」はほぼ安定期の出来事です。⑧「夢探し動き出し」、⑨「同世代復帰」はた「めらい期」の気分と言うことができます。⑩「仕切り直しの旅立ち」が引きこもりのゴールということになりそうですが、 引きこもり状態から先に進むためには、今の自分を肯定することから始めなくてはなりません。今のダメな自分をいったん葬り去って、再度別人として生まれ変わりたい、すなわち今の自分自身を否定し、別の自分にすげ替わりたいという願いに他なりません。
 やっぱり自分には無理だとならないように、そこからどのように適切に支援していくか、それほど簡単なことではありません。

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