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記憶のアンチエイジング

2012-10-12 22:20:27 | インポート
 私たちの脳は、多少の個人差はあっても、加齢とともに、情報の処理速度が遅くなります。見たり聞いたり触れたりする感覚機能への反応や、言葉による問いかけや、様々な環境へのレスポンス(応答)が遅くなります。とくに、人の名前や事物の名前をなかなか思い出すことができないことが多くなります。また、同時並行的に複数の物事を処理すること(作動記憶機能)ができにくくなってきます。
 しかし、一方で、加齢とともにより高い水準となってくるのが、結晶知能といわれるものです。判断力や思考力、統率力のように、経験と深い思考を積み重ねることで加齢とともに伸びる脳力があります。処理速度は遅くても、困難な問題を解決していくことのできる高度な「知恵」を獲得していくわけです。
 脳トレに励んで、パソコンゲームを孫と競ったり、単純な計算をすばやく行ったりすることで、脳の処理速度の衰えをいくらかは遅らせることはできるかも知れませんが、社会的・対人的な問題の対処には役立たちません。
 むしろ、友達がいない孤独な人や引きこもりがちな人は脳の機能が低下しやすいといいます。一人で脳トレに励むより、様々なことに興味や関心を示し、好奇心を持って多くの人と接したりする方が脳の活性化には効果があるようです。
 また、悩まない人やマンネリ化した日常を生きる人の記憶力も低下するようです。そもそも「記憶」というのは未来の自分の人生のために蓄えるものだといわれています。だからこそ、未来に生きる若者は記憶力が高いともいえます。若者にとって、彼らが体験するすべてのことは、これからの人生にとっての糧であり、リスクマネジメントになるからです。
 未来を志向しない人にとっては、何かを体験してもそれを「記憶」しておく必然性はきわめて低いのです。忘れっぽくなったのではなく、恐らく、最初から「覚えない」のです。
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