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強迫性貯蔵症という病 №201

2013-10-26 12:46:35 | インポート
 あまり必要でもなさそうなモノをため込んで、片づけたり、捨てることができない人がいます。これが高じると、いわゆる「ゴミ屋敷」状態となり、家族や近隣の人たちに迷惑をかけるようになり、本人の健康被害も心配されてきます。
 これは強迫性貯蔵症(ホーディング)という病気で、アメリカではおよそ300万人がこの病気に該当すると言われているようです。強迫性貯蔵症(ホーディング)の人をホーダー(Hoader)といいますが、この人たちがなぜモノをため込み、捨てられないのかについては、以下のように説明されるようです。
①今拾って(集めて)おかないと、後で二度とそのチャンスがなくなるのではないかという強迫観念から、必要もないモノを集めてしまう。
②集めた個々のモノに愛着を持ち、それらに囲まれていることでくつろぎや安心を感じる。
③捨ててしまうことで、そのモノを無駄にしてしまうのではないか、という不安や罪悪感 があって捨てることができない。
 ホーダー(強迫性貯蔵症の人)は、その行為による不安や罪悪感を感じつつも、病気であるという意識が希薄であるために自ら受診するようなケースは少ないようです。ホーディングを行う本人にも、それなりの考えがあるため、周囲の人には、本人の話に耳を傾けるなどコミュニケーション、信頼関係が重要だということです。
 海外ではホーダーを対象にした専門的治療を行っている機関もあるそうですが、日本国内ではまだまだ認知度も低く、現在、そのような溜めこみを対象にした専門治療を正式に行っているところはないと思いますが、最近、金子書房から五十嵐透子上越大学教授の訳でゲイル・スティケティー/ランディ・フロスト共著の「ホーディングへの適切な理解と対応 ~認知行動療法的アプローチ~」という本が出版されました。セラピストガイドの他に、ホーダー(強迫性貯蔵症の人)のためのワークブックも出版されています。

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