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知能とは何か №256

2017-07-20 15:16:40 | 日記
 知能の定義には様々な考え方がありますが、一般的に考えられているのは、①抽象的思考能力が優れている。②学習能力が高い。③新しい環境への適応力が高いということです。つまり、「経験から学んだり、抽象的な言葉で考えたり、環境に効果的に対処する能力」が知能だという考え方です。
 ただ、これでは音楽にすぐれた才能を発揮する人やスポーツで高いパフォーマンスを示す人たち等の能力が評価されていないのではないかと考えたのが、アメリカの心理学者ガードナー(1943年生れ~)です。彼は、知的障害のある人が特殊な領域において優れた能力を示すサヴァン症候群や脳損傷患者などの研究を通じて、人には複数の独立した知能が存在し、それらが協調的に働いていると考える「多重知能論」(Multiple Intelligence : MI理論)を提唱しています。 MI理論による8つの知能は以下の能力です。
1 言語的知能:話しことば・書きことばへの感受性、言語学習・運用能力など
2 論理数学的知能:論理的な分析、数学的な操作、科学的に究明する能力
3 音楽的知能:リズムや音程・和音・音色の識別、音楽演奏や作曲・鑑賞のスキル
4 身体運動的知能:身体全体や身体部位を、問題解決や創造のために使う能力
5 空間的知能:空間のパターンを認識して操作する能力
6 対人的知能:他人の意図や動機・欲求を理解して、他人とうまくやっていく能力
7 内省的知能:自分自身を理解して、セルフコントロールする能力
8 博物的知能:自然や人工物の種類を識別する能力
ガードナーは、紙と鉛筆だけで測るテスト知能だけではなく、それ以外の知能にも目を向けるべきだと主張しています。人には複数の独立した知能が存在しそれらが協調的に働いていると考えました。物理学者とスポーツ選手を単純に比較するような物差しは意味がありません。それぞれの能力が多様であるからこそ、豊かな社会があるのではないでしょうか。
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