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心の傷をどのように癒すのか

2012-08-02 15:11:33 | インポート
 ある本に、カンボジアで「未来の光という」孤児院を運営しているヌオン・パリーさんという女性の紹介がありました。彼女は、ポル・ポト時代(1975から1979年)に娘を殺され、自らの命も危険にさらされながら強制労働をさせれらていました。
 彼女は、自分と同じく過酷な経験から心の傷を負った女性のために、サイコ・セラピーセンターを開所して何人もの女性を救ってきました。いったいどのような方法により救ったのでしょうか。
 彼女はどの女性からも3時間かけて、それぞれの体験をじっくりと聴きました。場合によっては定期的に訪問して傾聴を重ね信頼関係を結びました。その後に、三段階のステップにより立ち直らせ、社会復帰に導くのです。
 まず第1が「忘れること」。刺繍や楽器の演奏、テレビの視聴などをしながら、過酷な経験を忘れる練習をするのだといいます。
 第2段階は「働くこと」。掃除や子どもの世話、あるいは専門的な職業に至るまで、なんでもかまいません。それは人間としてのプライドを回復するために必要なことだといいます。
 第3段階が「愛すること」。蒸し風呂をつくり、清潔な身なりになってもらい、お互いにマニキュアやペディキュアをしたり爪の手入れをする方法を教えます。自分がきれいだという感覚をもってもらいたいという理由です。また、お互いの身体に触れたり、ケアしたりすることで肉体的な孤立感から救いだし、感情的な孤立感を崩し、おしゃべりをしながら、少しずつを他人を信じることを覚えることをさせるといいます。
 最後に、「一番大事なこと」は、忘れること、働くこと、愛することが、3つの別々な技術ではなく、大きな全体の部分であり、それらは同時に、他の一部分として実践していくことで、再び世界へ飛び込んでいく準備が整うのだといいます。