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自殺は、生きることを休みたかったから?

2012-01-18 22:55:16 | インポート
 東日本大震災における死者・行方不明者数は19,295名といわれています。一方で、昨年のわが国の自殺者数は30,584人です。自殺者数に占める20代~30代の割合は、およそ25%です。この年代の死因の第1位は、ここ2002年以来ずっと連続して「自殺」だということです。
 中高年のように、とりたてて生活の困難を抱えているわけではないのに、なぜ若者は自殺するのでしょうか。土井隆義の「友達地獄」(ちくま新書)のなかに、週刊誌に掲載された自殺未遂者の言葉として、「思えば、本当に死にたかったわけではない。ただ、生きることを休みたかった。」と紹介されていました。また、若者の現実世界のリアリティの希薄さを思わせる言葉として、「いまの時代は生活すること自体はそれほどむずかしくはない。どんなバイトをしても生きていける。でも、生きてるだけじゃ、別に生きてなくても同じじゃないかと。死にたいというより、生きたくない気持ちでした。」とありました。
 自分に自信が持てないから部屋に引きこもっているのに、両親がずかずかと部屋に入り込んできて、早く社会に出て働きなさいという。出て行きたくないから、親を抹殺して、引きこもることを選択してしまう。
 やさしさごっこのなかで、真摯に自己と向き合うことを訓練されることなく年齢を重ねていくことは大変なことと思います。でも、生きていることの「休暇願い」は誰が承認してくれるのでしょうか。
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