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防衛省次官人事に関する感想

2007-08-16 14:40:15 | 時事問題
小池百合子防衛相が、守屋武昌事務次官を更迭させることをめぐり、守屋次官が巻き返しを図っているという報道が続いている。第二の田中真紀子問題だという声もあるが、問題の根は深いと思う。

16日の朝日新聞社説は、小池氏と守屋氏に対して喧嘩両成敗的な態度をとる。
「人事にしろ、政策にしろ、政治家が官僚機構を統括するのが行政本来のあり方だ。大臣の判断にいかに不満があろうとも、事務方の次官がこのような形で抵抗するのは政治主導の原則に反する。
 だが、そうはいっても、小池氏のやり方にも疑問がある。次官を交代させたいなら、手順を尽くして本人にきちんと説明すればいいことだ。小池氏は手続きの途中で人事がもれたと説明しているが、この混乱ぶりを見れば進め方に問題があったのは明らかだ。
 部下を掌握できず、説得もできない。閣僚としての資質、力量に欠けると言われても仕方あるまい。」
さらに朝日社説は、官邸の無策を批判し、最終的には首相に対して混乱を収めることを求める。

15日の日経社説では、基本的に認識は上記の朝日社説とはそれほど異ならないが、しかし自衛隊に対するシビリアン・コントロール(文民統制)を重く見て、守屋氏の行動に対してヨリ批判的である。
「事務当局の最高首脳が政治家に抵抗するのを見た自衛官たちは、政治家による軍の統制という意味でのシビリアンコントロールのあり方に疑問を持ちかねない。大臣・次官という序列の軽視は、上官命令を内容によっては無視できるとする空気を自衛隊内部に醸成しかねない。
 守屋氏の抵抗の背景に政治家の存在があるかどうかは明確ではない。仮にあるとすれば、自衛官たちに一部の政治家と結んで要求を実現する道もあると教える。戦前の軍部がとった危険な手法に近い。」
内閣改造を控えたこの時期に次官を更迭するというタイミングに大いに問題あるとは思うが、やはり次官が自らの進退をめぐり大臣に楯突くというのはまずいと思う。
コメント
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