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中国では飼料にメラミンを混入するのは公然の秘密

2007-05-01 01:26:34 | 時事問題
先頃アメリカで半生タイプのペットフードを食べた犬猫が16匹あいついで死ぬという事件が起きた。もちろん16匹の死以外に、多数の病気になったペットがいることは言うまでもない。この原因として中国が浮上している。産経新聞の記事「米ペット中毒死 強まる「中国原因説」」(http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070423/usa070423001.htm)によると次の通りである。
「FDA(米食品医薬品局)は4月初旬、問題のペットフードの原料に使われた中国から輸入した小麦グルテンに肥料や樹脂に使われる化学物質メラミンが多量に混入していたと発表、中国からの輸入を禁止した。4月中旬には、別の業者が中国から輸入しペットフード用に販売したコメ製品にメラミンが含まれていたことも分かった。
 FDAは「メラミンを含んだ小麦グルテンがペットの体調悪化の原因かどうか」の特定に全力を挙げている。「汚染された小麦グルテンが人の食品用に供給された証拠はない」という。」

メラミンが犬猫の死の直接的原因かどうかは、今後の研究に待つということであるらしい。しかしともかくプラスチックの原料になるようなものが、ペットフードに大量に含まれているのはおかしいので、小麦グルテンの中国からの輸入禁止ということになったのであろう。

なぜ小麦グルテンにメラミンが混入したのか?同じ記事によれば、次のように説明されている。
「米紙ニューヨーク・タイムズは、小麦グルテンを製造した中国江蘇省・徐州の業者がタンパク質の含有量を増やすためメラミンを意図的に混ぜた疑いがあると報道。「中国のずさんな食品安全規制は問題」と警鐘を鳴らした。」

そしてまた30日にニューヨーク・タイムズの続報があった。「中国では飼料の中のまぜものは公然の秘密(Filler in Animal Feed Is Open Secret in China)」というセンセーショナルなものである(http://www.nytimes.com/2007/04/30/business/worldbusiness/30food.html)。

続報では、山東省章丘市での取材で、次のようなことが明らかにされている。

・飼料にメラミンを混ぜるのは、試験のときに窒素の値を高め、あたかもタンパク質を加えたかのように見せるため。もっともプロテインではないので栄養はない。
・メラミンは安価であり、混入することで利益をたたき出す。
・少々メラミンを混入しても害はないという意識がある。
・メラミンが混入された飼料は中国全土で使われ、アジア近隣諸国に輸出されている。

中国における食の安全に対してまた一つ疑問が提示された。

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