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野球特待制度緩和雑感

2007-05-12 13:53:37 | 時事問題
高野連は結局のところ野球特待制度を持つ高校への処分を緩和した。「経済的事情で転校または退学が懸念される生徒」の場合は、高校は独自の裁量で救済できるとし、野球部長も1年間の謹慎が1ヶ月に短縮された。この背景には全国約400校、約8000人という処罰対象の予想外の大きさがあった。

大手各紙とも社説でこの問題を取り上げていた。各紙とも基本認識は同じであり、特待制度自体は問題なく、その運用方法が問題である。であるから特待制度を原則禁止している学生野球憲章の見直しが必要であるということだ。

ところで、産経新聞で高野連が持つ特権意識を「アマチュア」との関連で次のように指摘しているが、勉強になった。

「高野連が強調するアマチュアなる言葉が歴史に登場するのは1839年、英国のボートレースの参加規定とされる。「職工、労働者、陸海軍の下士官はアマチュアにあらず」との条文は、貴族階層が肉体を使う職業の人々と一緒にスポーツをすることを嫌ったためだといわれる。そこには特権階級による差別意識があった。
 明治初頭、欧米から輸入された近代スポーツは帝大や一高など高等教育機関、いわばエリート層が受け皿となった。付随するアマチュア思想が日本に違和感なく受け入れられる土壌だ。そして学校教育を揺り籠に、差別的な意識は金科玉条の精神に育っていく。
 高野連の視線にどこか特権意識がのぞくのは、こうした背景があるからかもしれない。特待制度はむしろ、エリート層のスポーツ独占に風穴をあける働きがあったのではないか。」
(「野球特待制度 拙速ではない論議重ねよ」、産経新聞、5月12日付社説)


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