どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

まじょかもしれない?

2022年01月19日 | 創作(日本)

    まじょかもしれない?/服部千春・作 かとうようこ・絵/岩崎書店/2019年

 ナナちゃんは、おむかいのおうちの モモコさんが、いちばんすきでした。

 前歯が2本無いモモコさんは、「まじょのモモコさんなのさ」と言いましたが、ナナちゃんは、うそだとおもっていました。
 モモコさんは、「まじょは ずうとながいきで、まじょのおばあさんといえばといえば、歯抜けって きまってるもんさ」といいます。

 ナナちゃんが、まじょには、おとものクロネコがいるんだよ」といっても、「わたしはねぇ、もう三百歳なんだ。おとものねこは、みーんな、わしよりさきにしんでしまう。このまえのネコがしんだときは、そりゃあ もう かなしくて、かなしくて・・。だから、いまは、つぎのおともをどうしようかと なやんでいるところなんさ。」

 あるひ、乳歯が抜けてしまったナナちゃんが、「わたしも まじょになれる?」と聞くと、モモコさんはいいました。「ながーいながーいあいだ、たくさんのしゅぎょうを して、やっとまじょに なれた。ナナちゃんの歯は、そのうちおとなの葉がはえてくる。まじょの歯は、そういうもんさ」。
 まじょにはなれそうにない ナナちゃん。

 ところが、クロネコのかわりに、くろいイヌが モモコさんの あたらしい おともになりました。それには、こんなわけがありました。

 ある日、おくの家のサイトーさんが引っ越して、家がこわされた空き地には、くろいイヌが残っていました。きんじょの人が こえをかけても、いぬはおこって 歯をむきました。ところがモモコさんが、声をかけると、イヌはじっと モモコさんのかおを、みました。

 モモコさんは、イヌに 「サイトーさん」となづけ 家においてやることにしました。

 ナナちゃんは、モモコさんが やっぱり ほんとうの まじょみたいと、おもいました。なぜって、「犬のサイトーさんは、ほかのだれにもなつかなかったのに、モモコさんにだけは ちがったもの」。

 

 ナナちゃんは、素敵に年齢を重ねるおばあさんに とても ひかれていたのでしょう。ほんとうにまじょとおもっていたのかな?


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