おならのしゃもじ/文・小沢正 画・田島 征三/教育画劇/2003年
いつもおなかをぺこぺこさせた、とってもまずしい若者。
おみやにいって、おいのりをしたかえり、みちばたに落ちていた二つのしゃもじをみつけます。
赤と黒いしゃもじ。
どこからか こえがきこえてきます。
おしりだ おしり
あかい ほうで なでろ
くろい ほうで なでろ
なんのことだろうと、茶店につながれている馬のおしりを、あかいしゃもじで、おしりを つるん とすると おなら。いつまでたっても、おならは やみません。
若者が、ためしにくろいほうのしゃもじで、おしりをつるんとすると、おならは、ぴたりと やみます。
なるほどなるほどと、うなずいた若者。
次は、小僧の首をよこせと、わめいていたおさむらい。
その次は、ちょうじゃどんの、ひとりむすめ。
なにしろ、このおなら強烈そのもの(といっても臭くはなさそう)
田島さんの絵もぴったり。
若者は長者の娘と一緒になり、幸せになりますが、気になるのはしゃもじのゆくえ。
おならのリズムも
おいもと ごぼうが どんどこどん
かぼちゃと らっきょが どんどこどん
きなこと おもちが どんどこどん
とありますが、深くは考えない方がよさそうです。
読み聞かせでは、このおならの音は、どんなふうに読んでいるか興味がわきました。