小川原湖自然楽校だより

~親子自然体験、環境教育、森のようちえん、防災教育~

第1回 春を探そう

2014-04-30 | 自然楽校
2014年度の事業がスタートしました。
第1回目(4/27)は『春を探そう』です。
今回の参加者はなんと1組!Mさんご一家だけのプライベートレッスンです


まず、こんな問いかけをしてみました。
『あなたにとっての春はなんですか?』
Tくん…サクラ
Hちゃん…花粉症 (この日もマスクは必須それでも楽しみにして来てくれました)

他にはどんな春があるだろう?身近な春を探してみようということで、湖畔の湿地に行きました。
ありました! 春を告げる植物が沢山おがって(育って)います。


ミズバショウ

ザゼンソウ

エンレイソウ

こちらはシロバナエンレイソウ。この辺で白いエンレイソウを見つけるなんて…珍しい!

Tくん何やら見つけました


マムシグサです。パッと見るとマムシのように見えて一瞬ぞくっとします。

キクザキイチリンソウ

冬芽でお馴染みオオカメノキ。
新芽はクシュクシュしていて柔らかそう~。

Tくん、新芽を広げてみたくなりました
興味・関心を抱き、五感で感じようとする子どもたち。
子どもの感性や可能性を感じ、嬉しくなる瞬間です


湖畔から移動し、近くの神社に行きました。ここにはどんな春があるかな?


入口で迎えてくれたのはウメです。少し離れたところにはサクラも咲いています。
ウメとサクラが同時に咲くのは、青森ならではですね


小川に沿って道端に小さな花が咲いていました。

リュウキンカと、

ニリンソウです。

さぁ、今回子どもたちが一番楽しみにしていた“春”さがし。 いるかな~
いました!いました!

トウホクサンショウウオです。
ここは湧水が豊富で、春になると産卵・ふ化し、姿を見せてくれます。

たまご(卵のう)もありました。まだ新しいいのちが誕生しそうです。

ひととおり観察して落ち着いたころ、Hちゃんが一言。
『サンショウウオのおなかってどんな色しているんだろう?見てみたいなぁ。』
自分が見ているものを他の角度から見てみたい。色は? 形は? においは? etc、
そんな疑問を抱けること、それを確かめたいと思えることがすばらしいですね 

そうかそうだね見てみよう
ということで、水槽に移して下から見てみると・・・

上から見たのとまるで違う色のおなかではありませんか
想像以上にきれいな色です。

さらに横から見てみると、なんてチャーミング
正直なところ、トウホクサンショウウオがこんなにチャーミングな生き物だったとは思いませんでした。
両生類が大好き!というわけではなかったのですが、トウホクサンショウウオが大好きになりました

『おなかの色を見てみたい。』と言ってくれたHちゃんに感謝です


Hちゃんの観察スケッチ。足の動きが細かく、わかりやすく書かれています。
この目の付けどころと観察力に彼女の感性が現れています。

帰り道、もう一つ春を見つけました


これも冬芽でお馴染みのアレです

トチノキの芽は触るとベタベタすることがわかったTくん。
さっそく思いつき、即、実験

『一緒に撮って!』そう言われて慌ててシャッターを押したものの、鉛筆は力尽き画面の外に…
しかし…このTくん、一年間で大物になる予感です


最後は楽校に戻って“ふりかえり”です。



見つけた春を振り返りながら、朝と同じ問いかけをしてみました。
『あなたにとっての春はなんですか?』
Tくん…トウホクサンショウウオ
Hちゃん…繁殖(トウホクサンショウウオのたまご(卵のう)が印象に残ったそうです)
様々な植物を見てきましたが、子どもたちの印象に残ったのはやっぱりこれでしたね
私にとっても今回はトウホクサンショウウオが一番でした

わずか1組でしたが、始まりから終わりまで賑やかで笑いっぱなしの第1回でした
Mさんご一家ありがとうございました。

なんだか今年度も楽しい一年になりそうです。
次回の自然楽校は、5月18日(日)『春のブナ林観察会』です。
新緑のブナの葉や木々の観察&アート作品を作ります



入校は随時受け付けています。お気軽にご連絡ください

≪入校募集案内≫
HP小川原湖自然楽校HP
ブログ小川原湖自然楽校だより 『2014年度小川原湖自然楽校 入校募集』








雪体験!スノーキャンプ 3日目

2014-04-28 | 自然楽校
3日目 おもいっきり!雪遊び

この日は子どもたちが楽しみにしていた雪遊びの予定でしたが、朝から小雨がパラパラ
降っていました止みそうな気配もありつつ、天気予報は一日雨

雨が上がるのを祈りながら、白神山地ビジターセンターに行きました。

ここは、世界遺産白神山地の玄関、西目屋村に位置し、ブナと生態系との関わりを学ぶ事が
できる施設で、巨大なスクリーンで白神山地の四季の映像を見たり、ブナの一生、ブナ林の
しくみ、白神山地の生態系や、人間の生活との関わりを学ぶことのできる展示があります。



↑冬芽の模型


『この木は何歳かな?』

様々な展示、コーナーの中で子どもたちに一番人気だったのがこれ

隊長も夢中になっています。一体何をしているのでしょう?

版の上に紙を置き、色鉛筆でこすると・・・

葉っぱの模様が浮かび上がってきました。
葉っぱは5~6種類くらいあり、ほとんどの子が全種類塗っていました。


岩木スポーツセンターに戻ると、まだ少し雨がパラついていましたが、
子どもたちは『雪遊びする~!』とやる気満々
せっかく来たんだからおもいっきり遊ぼう!ということで、フィールドにGO

スタッフ手作りの雪板に初挑戦。
何度か転びながらもすぐにコツをつかみ、乗りこなし始めました。


雪板のこの乗り方はスリル満点 雪板ロケット発射


タイヤチューブも参戦

定番のソリ滑り。
でもなんだかちょっと違う乗り方が・・・。

立ちソリ じつはこれ、かなりの上級技です

雪遊びサイコー

夢中で遊んでいたらお昼ごはんの時間になり、雪遊びはおしまい
もうちょっと遊びたかった…また来年遊びに来よう

午後、ふりかえり&荷物の片付けをした後、3日間お世話になったスポーツセンターの方に
お礼を言って、三沢に戻りました。

宮城県から参加のSちゃんはここで解散。みんなを見送ってくれました。

また一緒に遊ぼうね


初めてのイグルー作り、雪に覆われたブナ林探検、天然の雪の滑り台での雪遊び。
子どもたちは津軽の雪の多さにびっくりしながら、冬の青森ならではの体験をして過ごしました。
また来年、雪が降ったら遊びに行きましょう




雪体験!スノーキャンプ 2日目

2014-04-26 | 自然楽校
2日目 ブナの森探検&水の学習&廃油キャンドル作り

岩木スポーツセンターからブナの森遊山道への移動中、サルの群れに遭遇しました。
昨年も数匹と遭遇しましたが、群れに遭遇するとはびっくりです


ブナの森に到着しました。
スノーシューをはいて探検に出発


冬の森のお楽しみといえば冬芽です。
植物によって様々な特徴があり、ユニークなものがたくさんあります。

↑オオカメノキ
『これ、何に見える?』



↑ブナ
ブナは他の木よりも早く芽吹きます。春まであとわんか


『これは何の木だろう?』

『なんか表面がテカテカしてるよ。』

トチの冬芽を見つけたらぜひ触ってみてください

あ、あそこに・・・

クマ
ではなく、“クマ棚”を発見。

その名のとおり、クマが休憩しやすいような形になっています。
表皮にはクマの爪の跡がありました。
『本当にクマが登ったんだね~。』

さらに、辺りを見上げてみると穴だらけの木が!


あの穴をあけたのは・・・そう、キツツキです(←おらでねぇよ)

雪の上にこんな落し物を見つけました。


匂いを嗅いみると・・・『臭くない!』
なんで臭くないんだろう? この“なんで?”の疑問も答えも自然のなかで見つけていきます。

落し物パート2

『これ、なんだろう?』

『ホオノキの実だよ。』
と、答えを聞いて『ヘ~』と言ったら不正解。
正解は・・・『ホォ~』

さらに森の奥へと前進


突如、森の谷間に泉が現れました。
今日はここでランチタイムです。

『どこで食べるの?』と子どもたち。
『さぁ、みんなで座れる椅子とテーブルを作ってみよう
と、子どもたちに渡されたのは一本のスコップ。形も作り方も子どもたちに任せます。

『どうやって作る?』
『まずテーブルを作るには、雪を盛らなくちゃ。』
『掘ったところを椅子にすればいいんじゃない?』

だんだんそれらしい形になってきました。

じゃーん立派な椅子とテーブルが完成
『いただきま~す

お昼ごはんを食べたら少し休憩。

湧水を見に行った2人は何やら生き物を発見したようです。

『水、おいしい~

湧水と雪解け水が流れる音が、静かな森に響きます。
この流れが川となり里に住む人々の営みを支えてくれているんですね。



『この木は生きてると思う?死んでると思う?』
子どもたちに問いかけてみました。

何年も前からずっとここに・・・

森は様々な生きものたちの命を育んでいます。
-冬の森は何も無い-
そう誰かに言われた時、この子どもたちから一つでも冬の森の話が聞けたらいいなぁ



森をあとにして向かったのは日本海。赤石川の河口にやってきました。


目の前の海の水が茶色く濁っています。
『なんで茶色いのかな?』
『川の水が流れて混んでいるから』

カラカラカラ 引き波とともに心地良い音が聞こえてきました。
耳を澄まして聞いてみると・・・小石たちがおしゃべりしているみたいだね

浜辺にブナの葉っぱがありました。
『森の木の葉っぱがなんで海にあるんだろう?』

さっき森に行ってきたばかりの子どもたちはピンときました。
『山から流れてきている川がここに流れているから!』
大正解です

山から川、そして海へ。子どもたちの探検もひとまずゴール。
それぞれお気に入りの流木を持って、ハイチーズ


スポーツセンターに戻った後は、廃油キャンドル作りをしました。


牛乳パックに廃油を入れて量を量り、鍋で油凝固剤といっしょに温めて、

芯を入れて冷ますと、廃油が固まりキャンドルが出来ちゃいます。

牛乳パックで廃油キャンドルの完成!


続いて、イグルーの補修です。


雪が溶けてブロックの間に空いた隙間に雪を埋めて補強します。
凹凸のあるところは削って表面を滑らかにします。

内側からも丹念に!!

天井には1日目と同じようにブルーシートをかけて完成

この日はSちゃんとスタッフでイグルー泊。



明日はおもいっきり雪遊びです。ちょっと天気が心配ですが雨が降らないことを祈って…
おやすみなさい


明日はおもいっきり!雪遊びです。

雪体験!スノーキャンプ 1日目

2014-04-04 | 自然楽校
3月28日~30日に岩木山麓でスノーキャンプを行いました。
今回の参加者は小学3年生から中学2年生の5人。
うち、1人は宮城県からの初参加です
少数精鋭のスノーキャンプ。少人数だからこそ体験できる楽しさもありました。
そんな3日間の様子をご報告します。


1日目 イグルー作り

スノーキャンプの拠点は岩木山麓にある岩木スポーツセンターです。
毎年お世話になっていますが、今年度は夏の冒険キャンプでもお世話になりました。

センターに到着後、職員の方にご挨拶。半年ぶりの再会です。

荷物を置いてお昼ごはんを食べたら、さっそくイグルー作り開始
今回は4人用のイグルーを作ります。


続いて、少し離れた場所で一列に並んで雪を踏み固めます。


雪を固めたらスノーソーで切り込みを入れます。
スノーソー係は重要任務
互いに相談しながら大きさを測り、切り込みを入れていきます。


2人とも息が合っていますが…  ち、ちかすぎっ

だんだん“様”になってきました。

ブロックの切り出し係は唯一の中学生H君。
切り出したブロックをそりに乗せてイグルーまで運びます。

このブロック、スコップで持ち上げるにはとっても重い
そり係のSちゃんは、H君が乗せやすいようにそりを近くに寄せたり
傾けたりしてあげていました

「そりは楽そうでいいなぁ~。」一見そう言いたくなるようなそり係。
とんでもない!ブロックを乗せて坂を引っ張り上げるのも重い重い!
小さな体で一生懸命引っ張りました。



イグルー作りは力仕事。楽な作業はありません。
自分だけが大変だと思っていても、作業を交替してみると、「こっちも大変なんだ」
とわかります。時々、係を交替しながら進めていたのですが、自分の得意な作業に
落ち着き、自然と役割分担ができていました。



2段積み上がったところで一旦休憩。
「休んでいいよ」と言っても、雪を投げて遊びだした子どもたち


雪を投げているだけでも楽しい!それが子どものスゴイところ
大人がこんな顔をするキャンプをやりたいなぁ


スイッチを切り替えてイグルー作り再開。目標は6段です。
イグルーが高くなるとブロックを持ち上げるのも大変です。

ブロックがなかなか持ち上げられず悪戦苦闘していると、そばで見ていた子がひらめきました。
「そりごと持ち上げたらいいんじゃない?」
「なるほど~


持ち上げるのも1人より2人で。
新しい方法を考えたり、力を合わせようという気持ちが芽生えたり…。
体験の中で子どもたち自身が生み出していきます。

6段まで積み上がったら、内側と外側から出入り口を掘ります。


かんつう~

イグルーの中からセンターの方を見れば…

いつの間にか雲が晴れて目の前に岩木山の雄姿が広がっていました。

イグルー完成~





子どもたちが順番に外に出ていく中、ここで事件が!!

隊長が出口から出てこない
「誰か引っ張って~!!

中学生のH君が引っ張ってもびくとも動かず、小学生も加勢して “おおきなかぶ” 状態。
(どうやら下を深く掘りすぎて、途中でエビ反りになっていたようです)
スタッフは微笑みながら しばし静観。
その後、子どもたちに加わり、無事引っ張り出しましたとさ。




みんなでがんばって作ったね

※通常、イグルーはかまくらのように天井まで作りますが、今回は気温が高すぎて雪のブロックを
上積みすると天井が崩れる可能性があるため、天井の部分にブルーシートを被せました。


夜、ドキドキのイグルー泊体験。
1日目の夜は男子4人で泊まりました。



おやすみなさい


明日はブナの森を探検します。


2014年度小川原湖自然楽校 入校募集

2014-04-03 | 自然楽校
親子でいっしょに自然体験~今しかできない体験がここにある!~



小川原湖自然楽校では、2014年度次のような事業を行います。
“ふるさと”青森の大自然の中で、四季折々の自然体験を親子でいっしょに共有します。
小川原湖や小川原湖周辺の自然に興味があり、小川原湖でさまざまな自然観察や
自然体験をしてみたい小学生、中学生とその保護者の皆さんの入校をお待ちしています。

年間事業予定
 4月 春を探そう
 5月 春のブナ林観察会
 6月 仏沼の野鳥と水生生物の観察会
 7月 高瀬川カヌー下り
 8月 大坪川川遊び(川流れ&飛び込み)
 9月 いかだでGO!根井沼の浮島体験
10月 蔦沼と田代湿原の紅葉ハイキング
11月 ツリーイングとフリークライミング
12月 ミニ門松作り
 1月 小川原湖の冬の野鳥観察
 2月 ブナ林でスノーシュー体験
 3月 宇宙体験・ロケットを作って打ち上げよう

≪入校の条件≫
○12回の事業のうち、5回以上参加できる見込みがあること。
○会場まで保護者が子どもを送迎し、保護者も子どもといっしょに活動ができること。

対 象 : 小学3年生~中学3年生の子どもとその保護者(子どものみの入校は不可)
定 員 : 30名程度(複数の兄弟も可)
会 費 : 年会費(一括徴収) 3,000円/人(郵券料、保険料等)
      別途、各回ごとに500円~1,000円/人(講師料、材料費等)
締切り : 4月17日(木)

※募集内容の詳細は小川原湖自然楽校HPをご覧ください。

申込み・問い合わせ
小川原湖自然楽校(Tel:0176-50-8611)


「2013小川原湖夏冒険キャンプ」 大川源流探検の様子