寒い。走ったのに間に合わず次までには15分ほどもある。
手袋持ってくればよかったな。
買ってしまおうと 近くの店に入った。
あまり入ったことのない店で 商品展示の具合がつかめない。
少し見渡したが 防寒衣料ここですみたいなところを見つけられなかった。
二つのレジは混んでいて その奥に見えたもう一つのレジ(その時はそう思った)に人は並んでおらず
そのところにいた店員の人に
「手袋置いていますか。」と聞いた。
「シルクですか。(それとも)木綿ですか。」
シルク。。。え?そういう手袋もここで売っているの?
私がとっさに思い描いてしまったのは
「ローマの休日」のアン王女が身に着けていたような白いロンググローブで
私が驚きで返答に詰まっているのを静かに待っていた店員の人は 白衣を着ていて
他の二人の人と 医薬品のような箱を開けていたところらしかった。
(レジ台だと思ったその場所は 荷捌き台のようなところだったのだろうか。)
そばにいた人が「普通」の手袋のことだと気がついたようで
クルクル回る回転台に提げてある手袋の場所を教えてくれた。
108円ののびのび手袋を買って 店を出た。
シルクですか。木綿ですか。
手荒れケアコーナーの商品が全く頭に浮かばず アン王女ワールドに飛んでしまうなんて。
おめでたすぎるが 本当にそう思ってしまったのだった。