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これどうしようかな・・・どうしようか考えてみます。

「八十二歳のガールフレンド」

2024-08-31 | _よむ__
 「八十二歳のガールフレンド」 山田稔著 編集工房ノア 2005年6月

題名に気をひかれ、「八十二歳のガールフレンド」を読み始めた。帯には

想像のたそがれのなかに、
ひっそりと生きはじめる。
すぎ去った人々の時の贈物、
渚の波のようにこころをひたす散文集。

とあったようだ。(検索すると出てくる写真の中で帯を目にすることとなった。)
十三の短編が収められていて、一番目の「独り酒」ラストに ん? と気持ちを持っていかれ
二番目の「マリアさんの話」を繰り返し読み
(登場人物の相関図的なことを一読では理解できずというか文中には引用詩が一編あって構成は少々複雑でもそれはそれで心地よかった。)
三番目に所収の「八十二歳のガールフレンド」にやってきた。
京都住まい山田さんより十九歳年上。東京住まい彼女の翻訳業績が端緒の交友が始まった。1985年秋の頃。
交友のほとんどは文通で、実際に会ったりできたのは東京で一度、京都で二、三回。
同志社大学出のガールフレンドさんが小学校の同窓会に出席のため京都にやってきた時の話もあった。
「久保さん(ガールフレンドさん)は、むかし一学期だけ在学した京都の小学校の同窓会に出席するためにやってきて、豊中の長男の家に泊まっていた。」というくだりには驚いた。
私も“むかし一学期だけ在学した小学校”という体験を持っていたからである。
ただ私には、“むかし一学期だけ在学した小学校”の人々との交流は全く残っていない。
久保さんがそういった関係の同級生たちと会えていることにうらやましく思い、
それどころかどこか嫉妬のような気持ちまで感じて大いに慌てた。
(「虎に翼」のどかちゃんの昨日放送内容の思いは、だからヒシヒシと受け取る私でありましたぇ><。)

短編、と ページ数からそう表現せざるを得ないこの本の ストーリーの奥行や広がりの果てしなさに驚きながら読んでいる。



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