Photo by Ume氏
きょうのうUme氏の空撮写真、初の沢の源流で、春にも同じような構図で撮っている。もちろん新緑も悪くないが、好みからすれば秋の方がもっといい。黄色を基調としつつもその濃淡はかなりの差があり、そればかりでなく、紅葉も混ざる複雑な色合いが狭い渓を埋めている。この辺りはダケカンバの木が大勢を占めていて、そこに常緑樹のモミや落葉松、各種の雑木が加わるが、さらにこの色彩に一役買っているのがこの渓に流れ込んできている霧だろうか。
この写真が撮られたのは確か一昨日だったが、昨日も朝から霧が深く、それが長く続いた。写真家もそうだが、映画やCM撮影でも煙幕を使う場合がよくあって、それは重要な役割を担うらしく、煙を発生させる装置次第で撮影時間がやたらに延びてしまうことがある。ある時などは7時に終わるはずが11時までかかり、別な時は深夜にまで及んだ。
ここに暮らしていれば、霧などは当たり前のように捉えていて、それでも、確かにハッとさせられるような光景を目にすることはある。単調な緑一色の夏のころでも、白い靄が立ち込めた森の中は物語でも誕生しそうな独特の雰囲気を醸し出し、特に朝霧の中に木々の枝を縫うようにして細い光の帯が射し込んできたりした時は、夏の季節を少し見直してやりたくなる。
それが秋ともなれば、なおさらで、色付いた木々の葉はきらびやかであり、激しく見えても、その反面の寂しさとか静寂さとかそういう自然の味わいの深さが、霧の効果によってさらに強調されるように思う。ともかく、今のこの季節くらい、自然が語ることはて多く深くて、それらが胸に重く落ちてくる。
昨夜里に帰った。またきょうから山の暮らしを再開させることになる。残留牛に対する新たな対策案を立て、それを下に知らせて、ほぼ同意を得たと思う。詳しくは、また別の機会に呟くことにして、本日はこの辺で。