久し振りに北原のお師匠から電話がかかってきた。昨年の暮れに会って以来だが、2年前にいなくなった愛犬キクのこと、このブログのこと、そして入笠や法華道のことなどが話題となった。いつものことながら、師の記憶の正確さには驚かされる。また、齢(よわい)86歳を数えるという師が、この怪しいブログを、自らPCを操作して毎日読んでくれているのだ。4月になったら、入笠に行って「暴れたい」とも。一昨年に病気をしたときは心配したが、今ではほぼ回復し、確かにこの分ならそれも可能になるだろう。楽しみだ。
やはり師は、苦労して復活させ、20年以上もの長きに亘ってひとりで維持してきた古道・法華道のことが今も気になるようで、それは当然過ぎる思いで、無理もない。行政の目が入笠よりも南アルプス・スーパー林道の方に向いていることに、「仕方ないと」言いながらも、何かとつい思ってしまうようなのだ。
この点に関して弟子は、入笠の伊那側が、かならずしも通俗的な観光地になることを期待しているわけではない。観光も大事だが、そのために現在の美しい自然や、山気、星空までが汚され、毒されていいとは思わない。
今年は、入笠が気に入って、法華道も含めもっと広い範囲を、もっと深く知るために歩いてみたいと思う人たちにも、来てほしい。増えてほしい。小黒川の美しい渓相を眺めながら歩くのもいいし、歴史とからむ高座岩から半対峠、さらにもっと鹿麗高原まで足を延ばすのも悪くはない。南アルプスの北端の山や谷を地図を頼りに彷徨へば、渓の奥では希少なヤマトイワナをまだ目にすることができるかもしれない。人の手の入らない、原始の森を歩くことも、ここからならできる。
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