入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’17年「初夏」 (24)

2017年06月28日 | 法華道と北原師

Photo by Ume氏

 雨に濡れたクリンソウの写真は、きょうの天気に相応しい。霧の深い幽玄なあの森の中に行けば、クリンソウの大群落はまるで桃色の池塘のような光景を見せながら、突然現れた顔見知りの侵入者を迎えるだろう。誰もいないこんな山の中の牧場で、雨に濡れながらわずかの数の牛を見回る者へ、それは自然の過分なるねぎらいだと思うことにして、感謝したい。

 二日前、北原のお師匠がお孫さんの運転で牧場へやってきた。そろそろハナビラタケというキノコのことが気になりだしたのだろうが、生憎今年はまだ早かったようで、収穫はなし。
 しかしその帰り、本家・御所平峠のお地蔵さんに立ち寄り、賽銭箱の中を調べたら4千数百円が入っていたという。お金は市の社会福祉士協議会に持っていくようだが、一人100円として40数人、500円硬貨も2,3枚あったというから、それでもあの古い峠を通った人々のうち30人ほどが足を止め、お地蔵さんに額ずき、賽銭箱に善意を入れていったことになる。そういう人々の中にはきっと、法華道とお地蔵様の由来や、古道に注いだお師匠の努力を知っていた人もいたことだろう。
 前に一度書いたが、知人のM谷が汚れた5千円札を手にして、神妙な顔をしてここに来たことがあった。、訳を聞けば、本家・御所平峠のお地蔵さんの賽銭箱で見付けたというのだ。それも今にも風に吹き飛ばされそうだったので、取り敢えずここへ持ってくればと考えて、来たというのだった。
 後日その尊いお金を師匠に渡し、経緯を話すと、師の感動しまいことか。幾つかの善意が重なって、そのお蔭で金は無事、落ち着くべき所に落ち着くことになったのだから、無理もない。師匠はその後も、この大枚5千円の喜捨をした人が誰だか知りたいと、折に触れては話している。先日もそうだった。

 キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。
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