布屋忠次郎日記

布屋忠次郎こと坂井信生の日記

安倍前首相が胡錦濤氏をやりこめた

2008-05-09 01:22:08 | ニュース
日本の歴代首相との朝食会に、胡錦濤氏が招かれたそうな。
主催は中曽根大勲位、その他の出席者は安倍前首相、森元首相、海部元首相。

小泉元首相は姿を見せなかった、と。もし小泉氏が出席していたら、はたして胡錦濤氏は招きに応じたかどうか。小泉氏の不参加は、小泉氏の考えか、胡氏の要求か、周囲の配慮か。
「靖国神社に参拝した小泉氏」としている報道もあるけど、中曽根大勲位も靖国参拝したんだけどねぇ。
安倍前首相は、「相互訪問を途絶えさせない関係を作っていくことが重要」と述べたという。首脳外交が途絶えたのは、小泉氏の靖国参拝を外交カードにして中国側が途絶えさせたんだよな。国内的には「政権を途中で放り出した」というイメージで印象がちょっとウスい安倍さんだけど、なかなか言うじゃないの。

さらに安倍氏は、「北京五輪を前にチベットの人権状況を憂慮している。ダライ・ラマ側との対話再開は評価するが、五輪を行うことでチベットの人権状況が改善される結果が出ることが重要だ」と正面きって言ってのけた。
さらにさらに、東大留学中に中国に一時帰国したら政治犯として投獄されたウイグル人の釈放まで求めたという。
胡氏は、チベット問題には答えなかったが、ウイグル問題には意表を衝かれたらしく「私は知らないので、しっかりした法執行が行われているかどうか調べる」としか言えなかったようだ。
北京五輪が近いし柔道でたとえるなら、チベット問題は読まれていてスカされたが、ウイグル問題で一本を取ったというところか。

このウイグル人トフティ氏については、4月30日に憲政記念館で行われた「中国の人権状況を考えるシンポジウム」で触れられていたらしい。「立ち上がれ!日本」ネットワークのメールマガジンによると、このシンポジウムは国会議員がチベット、ウイグルなどの人権活動家から直接の証言を聞いて議論したもので、「国会議員」には麻生太郎氏などとともに安倍氏も出席している。同メールマガジンによると『読売はこのシンポジウムのなかで取り上げられた、東大大学院のウイグル人留学生が一時帰国の際に中国で逮捕され11年間も獄中にあるという証言が「都内のシンポジウム」で行われたと記事にしている。』のだそうだ。
(詳細は 産経新聞・阿比留瑠比記者のブログあるいは日本政策研究センターのHPをどうぞ)

もともと安倍氏には、中国共産党政府はかなりヤラれていたという分析もある。(「中国は完全に安倍外交に屈していた」を参照)
安倍氏の発言により「会場は気まずい雰囲気が漂った」というが、こういう場でなあなあの発言しかしないのが日本の「配慮」とされてきたようにも思えるから、安倍氏はあえて「空気読まない」人だなぁ。応援したくなってきたぞ。

衆議院議長の認識

2008-05-09 01:14:20 | ニュース
河野洋平衆院議長が、来日中の胡錦濤氏と国会内で会談して「中国国内の問題は中国の主権内で合理的に処理するという風に思う。日中はアジア、世界のために努力、協力すべきだ。そのためには世界の理解も必要だ。」と発言した。

現下の情勢で「中国国内の問題」とはチベット問題のことでしょう。で、それは「中国の主権内で合理的に処理」されるのがよい、と。

中国が民主主義の国だなんて思ってる人はいないでしょう。チベット問題に限ったって「報道の自由」さえないし、海外に出ている人民だって「言論の自由」がないし。法輪講の件にしても「信教の自由」がないし、キリスト教も国家の監視下にある教会のみ公認だし。
結局、「中国の主権内」というのはつまり「一党独裁の共産党政権の主権の内で」という意味で、チベット族を含めるどころか漢民族に限ってさえ「人民」に主権はありません。

「共産党による、合理的な処理」って、怖くないですか?
天安門事件は、党としてはすごく合理的な処理だったよな。
毛沢東もレーニンもスターリンも、何事につけ合理的に処理したよな。
私たちの国の衆議院議長が、「(チベット問題は)党の主権において(人道的ではなく)合理的に処理」されるべき、中国の国内問題だと表明したわけだ。