行き場のないマネーが銀行に滞留している。
日銀統計によると、全国の銀行の預金は7月末で549兆円。
これに対し貸出金は404兆円にとどまり、預金のうち150兆円ものマネーがさばききれないというのは過去最高水準とのことである。
ゆうちょ銀行のマネーも足せばもっと膨大なマネーが行き場を失っている状況である。
これらのマネーは国内では国債に向かわざるを得ないが、国債も値が上がりすぎ(利率低下)て投資対象とならなくなっている。
結局、さばききれないマネーは海外に出て行き、間接的にサブプライムローン等のリスクある証券に投資されることになる。
たとえば農林中金などは、破綻し国有化が避けられない米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の住宅公社2社が発行した債券を合計5兆5000億円保有していた。
どうしてこのような危ない投資先に投資をせざるを得ない状況なのか。
繰り返しになるが、それは国内に有望な投資先がなく国債以外に買うものがなく、成長産業も見当たらないため株式投資も出来ないからである。
需要を失わせていく小泉構造改革を完全修正しない限り、こうした状況は続くものと覚悟しなければならない。
公共事業をバラマキと称し、これを削減しないと国債が暴落すると脅してきた財務官僚、竹中平蔵らの言ってきたことが大嘘であったことが明らかとなっている。
竹中平蔵はこうした嘘を新興宗教の教祖のごとく国民をだましてきた。
郵政が民営化されれば「ゆうちょ銀行の預金が民間で有効に使えるようになる」というのもやはり大嘘であることが証明された。