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【今週のウチシネマ】MJ rocks my world.

2006-06-15 | movie/【今週のウチシネマ】
久々にウチシネマ。
でも紹介するのは結構前に見た作品ですけどね。


『RENT』や『プロデューサーズ』のおかげで、
すっかりミュージカル熱が燃え上がってしまった私は、
もっと他にミュージカル映画を観たい!と思っていたのですが、
あまり古典的なものでなく、
(どちらもミュージカルとはいっても発展系の作品ですからね)
普通の娯楽映画を楽しめるノリで見られるミュージカル映画はないものかと、
ツ○ヤの棚を探っていたところ、
『THE WIZ』を見つけたわけです。

私は、この映画のサントラをすでに持っていました。
好きだったテレビ番組『テレバイダー』の、ほとんどの音楽がこの映画から使われていて、
番組の掲示板で存在を知り、買って聴いていたんですね。
映画を見ていなくても、音楽だけで世界観が広がっていくような、名サントラです。

なのに、レンタルでなかなか置いてあるのを見かけなかったせいか、
映画の方は見ていなかったので、
これを機会に見ておかなきゃと思ったわけです。


『THE WIZ』は、簡単に言ってしまえば「黒人版“オズの魔法使い”」です。
元々ブロードウェイで上演されていた作品を映画化したもので、
主人公ドロシーも、登場人物もすべて同じですが、多少設定は異なります。


舞台はニューヨーク。
小学校の教師である24歳のドロシーは、
同居している叔父叔母からもっと違う職業について独立すべきだと説得されます。
彼女が自分の住む町から外へは出たことがない世間知らずだからなのですが、
ドロシーは今の職業を気に入っているし、外に出て行く気もありません。

何故変わらないといけないの? 理解しないといけないの?
叔母たちの言葉を、涙を流し歌いながらドロシーは拒みます。
そんなとき、愛犬のトトが街の外に飛び出して雪の吹雪に巻き込まれ
追いかけたドロシーも一緒に空に飛ばされてしまいます。


ここからは『オズ』の竜巻後と同じ展開なのですが、
ウィズの面白いところは、テクニカラーの本家と対照的に、
世界の舞台が、ニューヨークの裏側…
人気のない公園、地下鉄のホーム、寂れた街、いかがわしい夜の街角だったりするところです。
ブリキ男と出会う場所もコニーアイランドだったり、
ライオンは、博物館のような建物の前にいる石像の中から出てきたりします。

しかし、ただ現実のニューヨークを切り取るのではなく、
そこに幻想のスパイスが効いていて、
同じ街でも、鏡の中の誰も知らない世界に紛れ込んだ気分にさせられます。

謎の婦人・ミス・ワンに導かれ、
魔法使いウィズの住むエメラルドシティを目指す
ドロシーの前に現れた黄色いレンガの道、
この道が、リボンのように摩天楼の景色に流れ込み、
太陽の変わりに空に大きなりんご=ビックアップルが上る光景は、
まるで夢の中で見るような素晴らしい場面です。

まぁ、本家とどうしても比べると、ストーリーに強引さが目立つし(西の魔女の必要性とか)
夢オチではなかったり(一般的にズルい手法だが、オズでは別。)しますが
それを差し引いても、ファンタジックで心に残る作品であることには違いないです。

ドロシー役はダイアナ・ロスが演じていますが、
ドロシーを演じるのには年が行き過ぎ、という意見がけっこうあったようで、
演技の面でも活躍を期待していた彼女ですが、
この映画の興行的な成績で、そのあとの映画出演はあまりなかったとか?

それでも、私は彼女の声をこの映画で聴けてよかったです。
他の人が演じていたら、ここまで感動できなかったかも。
最後の「home」という歌を聴いたときには、涙が止まりませんでした。
私も世間知らずの24歳だったので。(苦笑)


そして、なんといってもマイケル・ジャクソンでしょう!
彼のかかしのかわいいこと!!
女の子のような高くてやわらかい話し声がすごい合ってる。
それに、ダンスシーンはそれほど出てきませんが、
時折見せる鮮やかな高速ターン!! こんなに美しく回る人がいたのか!!
そして、初めて歩き始めたときの足のぐらつき具合。(生まれたての子羊みたいなね。)
もうすべてが魅力的!! 私はこの映画でマイコーに落ちてしまいました。

もちろん、彼にとってもこの映画は重要なものだったはずで、
この映画に出演したことによって、音楽監督であるクインシー・ジョーンズと出会い、
あの、世界で一番売れているモンスターアルバム『Thriller』や、
『Off The Wall』『BAD』を生み出したんですから。
『THE WIZ』なくしてKING OF POPはナシでしょう。



そんなわけで、そのあとはすっかりMJの映像を
買いあさり見あさっている毎日を過ごしています。

彼は自分の音楽につけた映像を
「プロモーションビデオ」とは呼ばず、「ショートフィルム」と呼んでいますが、
映画といっても過言ではない、充実したPVばかりです。

特に有名なのは、白いスーツで体が45度に傾く「Smooth criminal」、
世界各地を飛び回り、最後には黒豹と化したMJが踊り狂う「Black or White」あたりでしょうか。

「Smooth Criminal」に関しては、ストーリーを通したヴァージョンを
『ムーンウォーカー』という映画で見ることができます。
とにかく、これを全編通してみると、
独特なダンススタイルといい、最後の変身!する展開といい、
いろんな意味でMJって、やっぱまともじゃないと思えてしまいます。
少年役で出演している幼き日のショーン・レノンがかわいい…

ちなみに、私は、小学生の頃、喫茶店でよく流れてて大好きだった
「Leave Me Alone」がお気に入りです。
コラージュのような映像で、MJ版スモールワールドって感じ。
(もっとも、この曲だったということは最近知った。)

「Black or White」は『DANGEROUS』のフィルムコレクションDVDで。
このDVDが一番充実してるショートフィルム集のような気がする。
「IN THE CLOSET」って、ライブもいいけどPVも色っぽい。
ナオミ・キャンベルって、どうしてるんだろ?

でもなんだかんだいって、一番のパフォーマンスは、
motown 25周年ライブの、記念すべき初ムーンウォークを披露した「Billie Jean」と、
MTVアワード1995年時の、「DANGEROUS~Smooth Criminal」のパフォーマンスなので、
DVD『HIStory~Vol.2』を見てください。
motownライブは、振り付けを周りには内緒で披露したそうですが、
パフォーマンス後、「うまく踊れなかった」と言って泣いたというのは本当でしょうか?
あんなにかっこいいのに? 

とにかく、来日したときは、大騒ぎされたものの、
結局、みんな珍しいもの見たさという部分が大半を占めていたわけで、
気持ちは分かるが、彼の言動や顔ばかりに注目してないで、
パフォーマーとしての輝かしい歴史を見て噛み締めようぜ、と私は言いたい!!

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