だから、ここに来た!

いらっしゃいませ! 英国旅行記の他、映画や音楽、テレビドラマ、演劇のレビューを中心にお贈りしております!

ひふみよ、をふりかえる。

2010-05-23 | music

 小沢健二のコンサートツアー、
 ひふみよ 二零一零 五月六月
 の2日目、
 神奈川県民ホールを振り返ります。
 曲名は伏せてますが、
 書いている内容で分かると思うので、
 知りたくない方は、まわれ右。

 ■■■セットリストはこちらから■■■


先日のスチャダラパーの日記を見たユニコーンつながりの方から、
チケットを譲ってもらった。
席は3階の最後列!
でも音さえ聴こえれば全然問題なし!
ステージも近くに感じられた。



暗闇の中で聴くM-1
音だけでもと足を運んだ自分にとっては最高の幕開け。

十代にオザケンの音楽を浴びるように聴いていたけれど、
すっかり年齢だけ大人になって、
オザケンだって40を越えた今、
コンサートでここまで感銘を受けることになるとは、
まったく想像していなかった。
今までの人生で一番、素晴らしいライヴ経験だった。

歌詞の美しさが胸の奥まで沁み渡るようで、
オープニングからが止まらない。



大停電が起こったNYで、人々が身を寄せる中、
小さな社会だけが機能していた様子を語る朗読のあと、
イントロに続いてM-2
歌に入ると、ステージの照明が一気に明るくなる。

朗読の間には、13拍子のインストが流れていて、
スカパラホーンズらバンドメンバーが
手を、蛇口をひねるしぐさのように、
片手はクリンクリン、片手は腰に当ててダンスしていた。
とってもかわいい…。

メキシコ人は日本人みたいな顔をしていて、
旅行に行った日本人がメキシコの人だと間違われたりするんじゃないか。
大昔には国境がなかったから、先祖が日本に居ついていたんじゃないか。(朗読02)


なんていう朗読があって、
そのあとの曲に繋がっている。

スニーカーを2回履いて捨ててしまう金持ちのアメリカの友達がいれば、
日本の中古車を改造して「俺この車好き!」と乗りまわしている友達もいる

という流れでM-7

安全のために、いたるところで規制がされてるけれど、
それで本当に安全な世の中になってるんだろうか。
自転車に乗った日本人は、平気で子供を乗せたり、
歩道を走ったりするけれど、実は欧米ではそれらすべてが禁止されてる。
混沌を好むアジア人の血が騒ぐのか。
死んじゃっても、夢が夢ならかまわないっつー感じなのかな。

という流れでM-13

「米国の笑いって大味だよねー」ってよく言われるけど、
大きいマーケットを意識してるから当然のこと。
実はその中にちょっとローカルな笑いを入れている。
そのローカルな狭い笑いが、分かる人をいっそう笑わせるし、
分からない人も「なんとなく面白い」と笑わせる。


…にんまりとしてください、というフリで
日本の民謡チックな新曲のM-15

そんな風に、語りながら、歌って見せる演出と、
モニターに飛ぶや雪の上を歩く
メキシコの人力車や密林の草木が映り、
奥行きのない日常から連れ出して、世界の一片を見せてくれる。


ツアータイトルについては、

日本人はかつて「ひ、ふ、み、よ、いつ、む、なな、や、ここのと」
という数え方を使っていて、
ひ、ふ、 は、は行。
み、む、 は、ま行。
よ、や、 は、や行。
2人家族は4つのものを買うし、
3人家族は6つのものを買う。7つのものは買わない。
関係のない数字が、繋がっている。
そんな風に世界を見られたら…
という語りだった。

初日でほとんどなかったMCも少し増えたのか、
終始落ち着いた口調。

「ご無沙汰してました」の一言が、
ちょっと旅行に行ってた友達が帰ってきて
一緒にご飯食べてるノリで嬉しい。

「業務連絡…お客さんが見えるように(客席を)明るくしてくださーい」
明るくなった客席の中で、ちいさな一人として、力いっぱい手を振った。

(最後の方のメンバー紹介では、
 「NARGOと僕は同じ年」との言葉にええー?と客席からどよめきが。
 どちらが年上もしくは年下に見える、ってことじゃなくて、
 同じ年というのが意外…w)



今まで映像でしか見たことのなかった
M-17の振り付けや、ライヴでは初めて披露されたM-14
M-12は、ラップ部分を観客全員で歌う。

イントロが始まり、盛り上がったM-6
「みなさんお待ちかねのこの曲は、1時間後にやります」
とおあずけで、英語の歌詞を
「感じたかった僕らを待つ」「完璧な絵に似た」
という日本語に変えたコーラスを観客が一緒に練習。

個人的に好きなM-9や、M-27も心に残ったけれど、
贅沢を言えば、ほんのさわりだけ歌ったM-18を全部歌ってほしかったな。

新曲の中ではM-19がメロディアスで聴いていて心地よかった。
M-15のもみ手で手拍子したのもいい思い出。


こんなにも、歌に耳を傾けながら、
一緒に歌うこともできるコンサートは今までなかったな。
小沢健二が、今でも言葉と世界に向き合っていて、
私たちに、歌というスタイルでまた語りかけてくれたことが、
すごく嬉しいし、十代のころに彼の曲を聴いていたときよりも
はるかに心強く感じる。

「この街の大衆音楽の一部であることを誇りに思います。ありがとう」
その誇りに、私たちは感謝する。


 神様を信じる強さを僕に
 生きることをあきらめてしまわぬように



恋や愛の先にある世界が、
そこにはある。




オマケ写真。


グッズは激しく並んでいて、あきらめました。
その前にお金がなかったんですが。



5000円の方はビンク&グレーで襟と袖が違う。
Vネック+袖短め(女)、前後丸ネック(男)

コメント (8)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ひふみよ 小沢健二コンサー... | トップ | 日本モンティ・パイソン宣言 »
最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
福岡公演 (九州人)
2010-06-29 19:35:52
6/25の福岡公演に行ってきました。嫁と一緒に春から楽しみにしてました。一番聞きたかった天使たちのシーンはアレンジが効きすぎてて、ある光はほんの少しで残念でしたが、それ以外は超盛り上がりました。。千秋楽とあってオザケン感慨深くなっており、最後のスタッフへの挨拶や、お客さんへの挨拶も長めでした。。最後にステージから去るオザケンも名残惜しくなかなか消えて行きませんでした。。終わったのが10時半で、途中このライブはいつまでも続くのでは?と思ったほど特別な時間を夫婦で過ごせました。またやってくれないかな~?オザケン。。
返信する
セトリ (むらむらた)
2010-06-12 14:23:58
小沢健二のセットリストを求めて偶然たどり着きました。
というか、おそらく昨日八○苑で一緒に飲んだのではないかと…w
あの場所に5人もひふみよ参加者がいて驚きました&ラブリー合唱楽しかったです。ではまた飲みましょう!
返信する
>>ayaさん (notfspurejam)
2010-06-03 21:15:37
「天使たちのシーン」素敵ですよね。
「ある光」は私も一番好きな曲なので、
もうちょっと聴きたかったです。
とはいえ、他にも予想もしない曲が聴けたり、
お客さんに優しい選曲でしたよねー。
まさに流れ星のような思い出になりました。
返信する
Unknown (aya)
2010-05-26 11:08:07
一番聞きたかったってのは、「天使たちのシーン」
「ある光」もちょっとだけ過ぎて、超残念でした。
ブログに残してくれてありがとう。これから行く人にはネタバレはあるけど、私みたく振り返ってニタニタしたいファンにとっては、感謝です。
返信する
>>ayaさん (notfspurejam)
2010-05-25 00:59:43
同じ3階席だったんですね。傾斜が急でしたよね
私も当日は体調悪いのと興奮でつんのめらないか心配でした。
その後、体調は大丈夫でしたか?
一番聴きたかった曲ってのが気になるところです。
返信する
>>ちやさん (notfspurejam)
2010-05-25 00:55:45
コメントありがとうございました!!
私も、あまりにも心に響くコンサートだったので、
ブログにUPするのをためらっていたのですが、
書いておいてよかったです。
停電の中、ラジオに耳を傾けるような、
透き通った空間のように感じられましたよね。
返信する
嬉しい!ありがとう! (aya)
2010-05-24 22:01:06
うる覚えだったのがクリアになって助かりました。こんな震えるような感動のライブ、初めてです。3F席だったのですが、興奮してぶっ倒れてしまい、ホールスタッフに面倒みてもらってました。で、聞けてない30分があったので、はっきりしてよかった。しかし、一番好きな曲が聴けてなかったのがショック・・・。
返信する
ありがとうございます (ちや)
2010-05-23 18:13:04
歌詞が、言葉が、こんなに心に響くライヴは久しぶりでした。オザケンの思想というか表現方法がホントに今の私にぴったり来ました。
私が覚えきれなかった朗読の部分もしっかり書かれててなんだか思い出して、またウルっと。通りすがりでしたがステキなレポだったのでコメント残します!
停電の中で聞いた夢のような時間は絶対忘れないですね♪
返信する

コメントを投稿

music」カテゴリの最新記事