秋はもの思いの季節?
古いノートを取り出し読んでみたくなった。
そのノートは私の雑記帳。
全く記憶にない自作の詩などが載っていた。
その中の一つ、「ポチ」という詩・・・
私の母とポチの事を書いていた。
20年くらい前に書いたのだろう。
「ポチ」
夫に逝かれた
ひとりぼっちの女は
茶色の小犬を飼いました
雑種のやせた犬でした
名前はポチとつけました
夫に逝かれた
ひとりぼっちの女には
春のような日もありました
夏のような日もありました
秋のような日もありました
そして冬のような日が
かなりたくさんありました
でもポチは
何の芸をするでもなく
ただそこにじっとしているだけの犬でした
でも何故か死んだ夫に
どこか似ている犬でした
春一番が吹いた日に
15年暮らしたその家で
犬のポチは死にました
夫が逝った2月の月に・・・